JCCがPowerPCプロダクトラインナップを強化

〜133MHz,Dual MPUモデルなど3モデル投入〜

 日本電算機株式会社(代表取締役社長 石井 孝利、以下=JCC)は12月5日 同社の PowerPC搭載ワークステーション「JPシリーズ」の新モデルを追加すると発表した。 新モデルは従来のJPシリーズをハード/ソフト両面から大幅な強化をはかっており、
  1. 133MHz PowerPC604 モデル
  2. 133MHz PowerPC604 Dual MPU搭載モデル
  3. 100MHz PowerPC604 Dual MPU搭載モデル
を製品化し、販売活動に移る。以上の製品上で新開発したパラレルBSDを同時に 搭載する。

 現在PowerPCを搭載したモデルは、Apple社のMachintoshシリーズとIBMの RS6000シリーズなどが中心で、OSにはWindowsNTなど、エンドユーザーや 業務系のマーケットで使用されることが多いが、JCCでは研究開発者向けの システムとしてPowerPCの高速演算性能を有効に使用できる”4.4BSD系UNIX OS”に着目し、今夏、実装に成功した。更に、今回のモデルではマイクロカーネル  JCCではこの4.4BSD OSをチューンナップ及び、機能拡張した”4.4BSD+”に Maghを実装し、MPUの並列処理を実現した。100種以上の高品質PDS&フリーソフト ウェアもバンドルし、一般のUNIXユーザにも 使用し易いように改良している。

 また、コストパフォーマンスにも大変優れており、シングルCPUモデルで 200SPECint92の高性能機を、100万円を切った80万円台から使用することが できる。
 又、DUal MPUモデルでも80万円台から発表する等と、従来のWSの価格性能比を 大幅に向上したものとなっている。(先日発表のあったSUN Ultra1シリーズも 200SPECint92ながら定価¥2,280,000〜となっている。)

 SPARC互換路線も進めるJCCでは、Ultraシリーズを64bitサーバモデル、 JPシリーズをミドルサーバ,インターネット用サーバ,スーパークライアントと位置付け 販売展開をしていくが、特にこのJPシリーズではMPUの高速化モデル、デュアルMPU モデル、並列処理対応のマイクロカーネル”Mach”などの開発成功により、インター ネットやマルチメディア時代にも対応するより高度なユーザニーズに対応することが 出来ると考えている。
 発表は12月5日から。JCCではDual MPU,133MHz版各々年間5000台の出荷を 予定している。


PRePアーキテクチャーとCHRPアーキテクチャー


 IBM社、Motorola社を主力とし、策定された PReP(PowerPC Reference Platform)は、従来のパソコンに見られたAT互換機の ようにハードウェアの仕様を統一するものではなく、ハードウェアの仕様は抽象化 されておりベンダーオープン性を持たせ、各ベンダーの戦略に応じた新しい 製品開発が、し易い仕様となっている。
 PRePのアーキテクチャーは、異機種間接続のオープンシステムのネットワーク 環境において、一つのプラットフォームで複数のOSが動作でき、業務ごとにOSや アプリケーションも使い分けられる製品が期待されている。現行のAT互換機などと比べ、 オープン性はより高いものである。
 PRePではWindowsNT、AIX、Netware、SolarisなどのOSの稼働が予定されており パソコンユーザから、UNIXのエンジニアリングマーケットまでが、共通のプラット フォームで使用できる。  (JCCではこのPRePのオープン性を活かし、PRePアーキテクチャーのもとで、独自に 4BSDを移植し、機能を拡張した「4.4BSD+」を開発搭載し、さらに、この度Mach カーネルの開発に成功した。)
 そして、次のアーキテクチャーCHRP(Common Hardware Reference Platform) になると、PowerPC搭載マシンの可能性はさらに広がる可能性を秘める。
CHRPでは、 が仕様にうたわれており、このCHRPでは、先に述べた複数の主要OSに加え、Mac OSが サポートされてゆくからである。Apple社もMac OSを積極的にライセンスしていく 姿勢を示しているため、今後、多くのコンピュータベンダーが参入してくると見られる。 このCHRP準拠システムでは、パソコン,Macintosh,UNIXワークステーション,サーバと PC/WS統合する共通プラットフォームが実現できる。コンピュータ勢力図の中で、 Wintel,UNIX機勢に一石を投じる存在となるとみられている。



Machカーネル パラレルBSDを実装


 PReP仕様のマシンとして、4.4BSDに初めて米・カーネギーメロン大学が開発した Machカーネルを実装。バージョン4.0。高機能化したUNIX OSはその構造が 大きくなり演算面においては負荷が大きくなる。そこで、タスク、スレッド,パイプ、 --、--といった最小機能となるコアの部分をUNIX本来の機能や通信機能、 ファイルシステムと分離させることで、CPUやメモリにかかる負荷を小さくした。
 JCCでは特に並列化されたMPU実装のJP4Dシリーズでこの効果が大きく発揮させる ことができる。コンパイラを含め、最適化をはかっているため、Mach搭載のマシン上で コンパイルされたプログラムは、 Dual MPU化されたPowerPCのハードウェア性能を 最大限にまで引き上げることができる。


お問い合わせ先:マーケッティング部担当/鈴木
TEL.03-3864-5511
email:suzuki@jcc.co.jp


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