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CMの研究

第16回 政府の景気・環境対策がCMに変化を・・・

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 まるでスーパーや家電量販店のCMかと思うほどだ。何の話かというとクルマのCM。なにしろ、トヨタ、日産、本田、マツダと各社そろって「安く買えるよ!、安く!」の大合唱なのである。しかも、「今なら最大75%減税、最大25万円の補助金」などと、かつてないほど数字を前面に押し出したクルマのCMを流したことはないはずだ。この現象はこの春、政府が景気対策と環境保護の両面からエコカーには減税と購入補助金を出すことを決めたのがきっかけ。そのエコカーの判定規準とは、燃費がよくて排気ガスの排出量が少ないこととなっている。二つの要素を数値レベルで表記して、エコカーとしてのレベルが決められている。もちろん資源と環境保護のトップランナーであるハイブリッド車、トヨタのプリウスやホンダのインサイトは補助金も多く、減税率も最大になっている。しかし、減税についてはクルマの税金は自動車取得税、自動車重量税、自動車税などに別れていて通常でもわかりにくいのに今回の減税措置もわかりにくい。しかしともかく、エコカーを買えば最大数十万円出費が軽減されるということで、自動車メーカーや販売店では千載一遇のチャンスとわき立っていることになる。

 トヨタはNHKの大河ドラマ「天地人」の直江兼続の子供時代を演じて注目された加藤清史郎を起用して「子供店長」の役でトヨタには減税対象車がたくさんあるというCMを流し、日産はキューブやセレナ、ノートなどのCMにすべて「減税75%、補助金10万円」などの告知をつけている。

 ホンダもエコカー対象車がたくさんあるというCMを流し、マツダも同じように減税などを訴えている。確かに、減税にしても補助金にしても車種でその額が違ってくるので、それぞれのクルマごとに告知をしなければならないということになる。だからすでに流れていたCMの最後に告知という形で減税と補助金の情報をつけるものがほとんどだ。エコカーだけに「エコCM」ということになる。安く買えるのはユーザーにとっては嬉しい限りだが、ちとはしゃぎすぎのような気がしないでもない。減税や補助金もいいことだが、少しでも早くさらに優れた環境対応車を開発して欲しいものだ。ユーザーにとっては、性能がよくてしかも安価なエコカーを開発して欲しいのが願いだ。最初はあれほど高かったハイブリッド車もインサイトの登場でどんどん価格が下がってきている。みんなが環境保護を真剣に考えてエコカーを選ぶようになれば、さらにハイブリッド車や電気自動車が買い易い価格になっていくはずだ。

 その結果、トヨタの「プリウス」は6月の車種別月間販売台数で初めてトップとなった。