テレビ報道に見る産業・経済月報(平成24年11月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成24年11月)

 

「景気後退局面に入った日本経済・GDP3期ぶりにマイナス・5490億円の貿易赤字」

 

今月の特徴は1.GDP3期ぶりにマイナス、2. 日中関係悪化の影響と日本企業の巻き返しの動き、3.エネルギー関連の動き になった。

 

1.GDP3期ぶりにマイナス(19分15秒)

政府が12日に発表した7月から9月期のGDP(国内総生産)は実質で、前期比マイナス0.9%、年率換算でマイナス3.5%となった(TBS)。この発表に対し経団連・米倉弘昌会長は「景気後退局面に入った」との認識を示し、「雇用が減り、失業者がどんどん出てくることも覚悟している」と述べた(テレ朝)。さらに16日、日銀は景気の基調判断を「このところ弱い動きになっている」として引き下げ、景気が後退局面に入った可能性を示唆するなど景気悪化への懸念が強まっている(NHK)。一方で、衆議院選挙前の経済政策論争をきっかけにした円安が株価上昇をもたらしており、21日、7か月半ぶりに円安82円台・東証は9200円台を回復した。円安を呼んでいる要因は政治側からの日銀への金融緩和の圧力。自民党の政権公約に盛り込まれた政府と日銀の連携強化による大胆な金融緩和では、円の供給量を大幅に増やすとしており論議を呼んでいる。市場関係者は「日銀がさらに金融緩和を行うのではないか」と先読みし、円を売る動きが加速している(NHK)。

 

2. 日中関係悪化の影響と日本企業の巻き返しの動き(6時間)

財務省によると今年上半期の日本の経常収支は2兆7000億円余の黒字に留まり、景気が停滞している欧州に加えて日本との関係が悪化している中国向けの輸出が大幅に減っていることから、黒字額は上半期で過去最少となった。また21日に発表した貿易収支では5490億円の貿易赤字となった。4か月連続で、特に自動車の中国向け輸出が前年同月比で8割減少した。中国の不買運動の影響でトヨタの中国での新車販売は44%減、ホンダ日産も中国での販売が半分に減り、今年度の利益見通しも大幅下方修正した(NHK)。こうした中、22日に中国で、広州モーターショーが開幕。また反日デモで被害にあった中国・青島市にあるイオンの店舗が、24日から全館で営業を再開した。イオンによると、中国本土にある35店舗の売上が事件前に比べて12%程度減ったという。(テレ朝)。中国国内での売り上げが大きく落ち込む中、日系自動車メーカー各社は巻き返しに向け、中国市場強化の姿勢をアピールした。過去最大の展示面積で臨んだトヨタ自動車は13年以降初の中国専用ブランドを投入することを発表し、日産も中国専用ブランド「ヴェヌーシア」の電気自動車を初公開し去年を上回る規模の展示を行った(テレ東)。日系販売店では反日デモなどで車が被害を受けた時やドライバーがケガを受けた時の補償も始めた(日テレ)。一方、日中関係悪化の影響により、航空会社(ANA、JAL)は売り上げ見通しを下方修正。中国人客が減ったデパート(三越伊勢丹)の中にも業績を下方修正する所が出ている。神戸製鋼も中国企業の過剰投資による鋼材価格の下落の影響で経常赤字に転落する見通しで、日中関係の悪化、エコカー補助金の終了の影響は共に10月から本格的に表れるとみられ、10-12月のGDPもマイナス成長になるという見方が強まっている(NHK)

 

3.エネルギー関連の動き(44分11秒)

関西電力九州電力は経営状況を改善するためとして、相次いで電気料金の値上げを申請、29日に電気料金審査専門委員会が審査を始めた。四国電力も電気料金値上げを申請している。東京電力が9月に8.46%の値上げを実施しているため、全国の電力会社10社の内4社が値上げを打ち出したことになる。値上げ幅は関西電力が平均11.88%、九州電力が平均8.51%。関西電力は大飯原発に加え高浜原発3、4号機の再稼働を前提とし、九州電力は川内原発など4機の再稼働を前提としており、原発が稼働しなければ更なる値上げの可能性もあると主張している。(フジ)。日本電機工業会・大坪文雄会長は、関西電力と九州電力が、企業など大口向けの料金を値上げする方針を示していることについて「企業の競争力に大きな影響を与える」と述べ、値上げ幅の縮小を求める考えを明らかにした(NHK)。一方で関西電力は英国の石油大手・BPとの間で、平成29年度から15年間、年間約50万トンのLNGを購入する契約を交わした。日本企業としては初めて需給状況に応じて価格が決まる「ヘンリーハブ」という指標に基づき、購入することで合意、従来の契約と比較すると30%程度割安に調達出来るという。国内の電力各社はLNGを原油価格に連動した価格で契約してきたが、原油価格の高止まりや原発事故以降、火力発電向けの輸入が急増したため、調達コストが経営の重荷になっている他、日本の貿易収支全体の悪化にもつながっていた(NHK)。

 

●注目点

「日の丸家電巨額赤字を計上・日の丸半導体の行方」(1時間16分)

国家電メーカーが世界を席巻している中、格付け会社フィッチレーティングスは既に6段階格下げしたシャープに続き、パナソニックソニーも投資不適格に格下げした。パナソニックは今年度見通し

7650億円の赤字。シャープも今年度見通し4500億円の赤字。原因は”薄型テレビ”の販売不振。日本家電メーカーは大型液晶画面向けの工場を新設するなど巨額の投資を続けるなどの将来需要の見誤りが経営圧迫の要因の一つとなったと指摘されている(フジ)。シャープは経営基盤を強化する為、今年3月に台湾のホンハイグループから計660億円余りの出資を受け入れる事で合意したが、まだ交渉はまとまっていない。その理由としてシャープ・奥田社長は株価の低迷が壁になっていることを挙げた。業績が改善し、株価が上がらない事には、ホンハイからの支援を受ける事は難しい状況で、経営の柱として進めている中小型液晶事業の拡大が急務になっている(NHK)。一方、26日政府系ファンド・産業革新機構トヨタ自動車など製造業8社によるルネサスエレクトロニクスの買収を、大株主・NEC日立、三菱電機が合意したことが明らかになった。出資額は総額2000億円。産業革新機構は大株主3社に対し、5000人の追加削減とともに、このうちの1000人の自社での引き受けを求めている(TBS)。会社更生法の適用を受けたエルピーダメモリは、米国の「マイクロンテクノロジー」の傘下に入って再建を目指すとする更生計画案をまとめ、東京地方裁判所に提出した。債権者の了承が得られれば、米国の半導体大手の傘下で経営の再建を目指すことになる(NHK)。

 

●新潮流

「三菱重工業と日立製作所・火力発電事業で、大型統合」(20分45秒)

菱重工業日立製作所は29日、新興国などで需要が見込まれる火力発電などの電力事業を統合すると発表した。発電施設では三菱重工は高い発電効率の大型ガスタービンに、日立は中・小型ガスタービンにそれぞれ強みを持っていて、統合で互いの強みを補い合い、海外の大手メーカーとの受注競争を勝ち抜く狙いがある。新会社の売上高は1兆円を超える見通しで、今後ドイツのシーメンス、米国のゼネラルエレクトリックという世界の2強を追いあげる。株式市場では、統合の情報が伝わると両社の株価は揃って大幅に値上がりした(テレ東)。両社はすでに水力発電分野の事業を統合するなど社会インフラ分野で協力関係を深めているが、火力発電は両社がインフラ事業の中核と位置づけていて、社会インフラ事業での連携が一段と強まることになる(NHK)。

 

          11月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三井不動産、第2位・東武鉄道、第3位・日本航空」

月は「三井アウトレットパーク関連のクリスマスイベント」「海外から熱視線!復活する日本不動産市場!?」などの報道により、三井不動産が、CM価値換算40億5400万円で第1位に輝いた。第2位は、「東武鉄道・スカイツリー圧勝・新名所対決」などの報道で、東武鉄道が獲得した。第3位は、「JAL国際線でケンタッキー」などの報道で、日本航空が輝いた。第4位は、「完売続出!進化した袋麺・2億食を超える大ヒットのわけ」などの報道で東洋水産となった。第5位は、「襲撃のイオン・中国で営業再開」などの報道でイオン、第6位は、「星出彰彦宇宙飛行士・帰還後初の記者会見」などの報道で宇宙航空研究開発機構、第7位は、「美味しくって栄養満点・目からうろこの缶詰・新活用法」などの報道でマルハニチロホールディングスになった。第8位は、「全部見せます!・羽田空港マル秘裏側潜入SP」などの報道で東京空港事務所、第9位は、「最先端の安全技術・トヨタが公開」などの報道でトヨタ自動車、第10位は、「ヤマダ電機の直営レストラン・1380円で本格食べ放題!」などの報道でヤマダ電機が獲得した。

 

●11月の人物ランキング

「第1位・シャープ・奥田隆司社長、第2位・パナソニック・津賀一宏社長、第3位・関西電力・八木誠社長」

第1位・シャープ・奥田隆司社長32件(電機メーカー苦境になど)、第2位・パナソニック・津賀一宏社長29件(パナソニック中間決算など)、第3位・関西電力・八木誠社長24件(関電値上げなど)、第4位・イオングループ中国本社・辻晴芳社長15件(営業全面再開・反日デモ後の戦略はなど)、

第5位・ソフトバンク・孫正義社長12件(携帯電話大手・”iPhone”で対照的な決算になど)、第6位・トヨタ自動車・豊田章男社長11件(トヨタ自動車・タイで生産強化など)、第7位・三菱重工業・大宮英明社長10件(三菱重工と日立製作所・火力発電事業で統合へなど)、第8位・日立製作所・中西宏明社長9件(三菱重工と日立製作所・火力発電事業で統合へなど)、第9位・九州電力・瓜生道明社長7件(関西電力・九州電力“値上げ”審査始まるなど)、第10位・楽天・三木谷浩史社長5件(楽天・三木谷社長に直談判!)。

 

●テレビの窓

「電子書籍・端末商戦・混戦模様」(25分)

は、電子書籍端末・コボミニを発表した。また画面を照らすライトをつけたコボグローを売り出すほか、多機能端末のコボアークを近く発売予定。同社が意識するのは、今月中旬から日本に進出するキンドル。アマゾンドットコムはキンドルに搭載する3G回線を無料にし、電子書籍のダウンロード費用を負担することで、シェア獲得を狙っている。一方ベンチャー企業も、電子書籍端末の販売に乗り出した。イーブックジャパン(東京・千代田区)を取材。イーブックジャパンは、電子書店を運営していて、漫画を中心に5万冊以上を揃えている。端末の価格は安くして、電子書籍を無料にするクーポンも出す予定だという(テレ東)。

 

JCC株式会社

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