テレビ報道に見る産業・経済月報(平成25年2月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成25年2月)

「加速する株高・円安、TPP参加交渉は前進」

今月の特徴は、1.円安・株高の影響、2.補正予算、3.TPP交渉参加問題、4.日銀の動き、5.エネルギー関連の動きとなった。

 

1.円安・株高の影響

6日に円は一時1ドル=94円台を記録した。日経平均株価は1万1463円75銭でリーマンショック以降の最高値を更新した。安倍晋三総理大臣が求める金融緩和に当初慎重な姿勢を見せていた日銀・白川総裁が任期前の辞職を表明したことで円安が急激に進んだ。急激な円安を背景に自動車などの輸出企業は好決算を発表する一方資源エネルギーなどを輸入に頼る業界は悲鳴を上げている(TBS)。20日、財務省は円安の影響で1月の貿易赤字が7か月連続の赤字、1兆6294億円で1979年以降の月間では最大となったと発表(NHK)。ニッセイ基礎研究所・斎藤太郎経済調査室長は「円安が進んでいるため最初の数か月から半年は貿易赤字が拡大するが1~2年の期間でみれば円安で価格競争力が高まり貿易赤字は縮小に向かうのではないか」と指摘(テレ朝)。28日、政府は月例経済報告閣僚会議で、国内景気の基調判断を2ヶ月連続で上方修正した。円安株高が一段と進んだことに加えて、輸出環境の改善や経済対策の効果もあり、企業の生産や個人消費が改善したことが影響している(TBS)。輸出産業の中でも国内に重心を置いてきた自動車メーカーなどは円安の恩恵を受けている一方、海外展開を加速してきた電機メーカーなどは台湾や韓国メーカーとの激しい競争の中で、海外に生産を移して円相場に左右されない経営体質を作ってきたため、円安の恩恵を受けていない(NHK)。

 

2.補正予算

2/27参議院補正予算案採決はわずか1票差で緊急経済対策を柱とする総額13兆1000億円余の補正予算が成立した。補正予算では建物の耐震化や道路予算におよそ3兆8000億円が計上されている(テレ東)。

 

3TPP参加問題

2/23に行われた安倍首相と米国・オバマ大統領との初の首脳会談では、TPP環太平洋経済連携協定について聖域なき関税撤廃が前提でなく例外があることが確認されたとして、日本のTPP交渉参加に大きく弾みをつけた。安倍首相は国内で調整を行い早期にTPP交渉の参加を表明したい考え。経団連・米倉弘昌会長は「日本における懸念材料を払拭した」と日米首脳会談の結果を高く評価し、早期のTPP交渉参加を求めた(フジ)。一方、JA全中・萬歳章会長は「農産品の重要品目の例外が確認されたものでない」とTPPに反対の意向を示した。

 

4.日銀総裁人事

2/26安倍総理大臣は次の日銀の総裁にアジア開発銀行・黒田東彦総裁の起用を固めた。これに伴い円安も進み日経平均株価も4年5か月ぶりの高値となった(TBS)。黒田東彦は財務官時代に「円高ファイター」として知られ、安倍政権の日銀金融政策を評価。副総裁には学習院大学・岩田規久男教授らを起用する方針(日テレ)。

 

5.エネルギー問題

エネルギー問題の有識者グループ・エネルギー原子力政策懇談会が、緊急提言を安倍総理に提出し、原発停止に伴う火力発電所の燃料費増加で、年間3兆円超の国富の流出が生じていると指摘した(フジ)。東芝は、フィンランド北部の原発建設事業で、地元の電力会社と優先的に交渉する企業に選ばれたと発表。東芝が受注すれば震災以降初めてとなる(NHK)。一方、東京ビッグサイトでは太陽光発電をはじめとしたスマートエネルギー分野の最先端技術を集めた「スマートエネルギーWeek2013」が開催された。世界30ヵ国から1890社が出展し、再生可能エネルギー関連の製品が注目を集めた。

 

●注目点

「各社の決算」

トヨタ自動車はトヨタ単体の通期見通しについて「営業利益を1500億円の黒字に上方修正した」と発表。トヨタ単独の営業黒字はリーマンショック以来5年ぶり。上方修正された増益分1700億円のうち8割以上が円安による為替差益。連結の営業利益も通期予想を1兆1500億円に上方修正した(テレ朝)。ソニーが発表した去年4月から12月までの連結決算では、金融や映画事業が好調で本業のもうけを示す営業損益が829億円の黒字に転換、最終損益は保有する有価証券の評価損などで508億円の赤字となったが、1年前に比べて赤字幅は縮小した。通期では5年ぶりの黒字予想を据え置いた。経営再建中のシャープは、去年10-12月期の決算で営業利益が26億円の黒字になったと発表、スマートフォンに搭載される独自の液晶パネルの販売が好調で利益を押し上げたほか、テレビ事業も黒字に転換した。また銀行の追加融資の条件となっている下半期の黒字化も達成できる見込み(テレ東)。ところでシャープは23日、3月が期限となる台湾メーカー・ホンハイとの出資交渉をいったん打ち切る方針を固めた(日テレ)。パナソニックは、最終損益が四半期ベースで半年ぶりに黒字に転換した。スズキは4-12月期の決算を発表し、純利益が1年前より19%プラスだった。ブリヂストンも決算を発表し、営業利益は2859億円と過去最高で今期も前期に続いて最高益を見込んでいる(テレ東)。富士通は今年3月期の業績予想を950億円の最終赤字へ下方修正した。合わせて9500人の大規模な人員整理を発表している。富士通の昨年4~12月期の連結決算によると、営業利益は35億円(前年同期比65.2%減)、純損益は901億円の赤字。また今年3月期の業績予想は、赤字が続くシステムLSI事業を本社から切り離すための1700億円の特別損失を計上したことで、従来予想の250億円の黒字から一転、950億円の最終赤字となった(TBS)。こうした中、安倍首相は経済団体のトップに異例の報酬の引き上げを要請。ローソンは20代後半~40代社員ら約3300人の年収を3%アップ(平均約15万円)すると発表した(フジ)。

 

●新潮流

「東京電力と東京ガスが米国産LPGを購入すると発表」

東京電力東京ガスが米国産LPGを初めて購入すると発表した。シェールガスの採掘過程で生産されるもので、中東産に比べ2~3割のコスト削減になる(テレ東)。世界のシェールガス埋蔵量は全世界のガス消費量の60年分、米国は世界屈指のガス生産国で、東京電力はシェールガスを三井物産三菱商事を介して2017年から年間80万t輸入、安価なLNGを120万t調達し年間500億円の費用を削減したい方針(TBS)。

 

2月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三井不動産、第2位・セブン&アイ・ホールディングス、第3位・ローソン」

月は「東京ミッドドタウン」「ららぽーと豊洲」「三井アウトレットパーク木更津」「守谷市でのスマートシティ計画」等の話題で三井不動産がCM価値換算32億3300万円で第1位となった。第2位は、「東京ガールズコレクションに新PB出展」などの報道で、セブン&アイ・ホールディングスが獲得した。第3位は、「景気UP?ローソン給料3%引き上げへ」などの報道でローソンとなった。第4位は、「ラウンドワン・ダイバーシティ東京プラザ店潜入」などの報道でラウンドワン、第5位は、「超本格カレーの秘密を目撃・86年伝わる調理法とは?」などの報道で中村屋、第6位は、「アベノミクスで景気回復への期待高まる」などの報道で明治ホールディングスになった。第7位は、「3月の東京スカイツリーは桜色」などの報道で東武鉄道、第8位は、「“新歌舞伎座”の経済効果は?」などの報道で歌舞伎座、第9位は、「巨大インドネシア市場を狙え・ユニクロ1号店オープン」などの報道でファーストリティリング、第10位は「三木谷社長・生出演・ニッポンの競争力を高めよ」で楽天が獲得した。

 

2月の人物ランキング

「第1位・経団連・米倉弘昌会長、第2位・ローソン・新浪剛史社長、第3位・楽天・三木谷浩史社長」

第1位・経団連・米倉弘昌会長35件(TPP交渉参加へ“例外”はどの品目?)、第2位・ローソン・新浪剛史社長34件(大手コンビニ率いる経営の原点・運命の海難事故など)、第3位・楽天・三木谷浩史社長27件(ネット通販競争が激化、アマゾン戦略は“在庫”など)、第4位・JA全中・萬歳章会長21件(TPPで賛否渦巻く中など)、第5位・アルペン・水野泰三社長12件(空飛ぶ社長の型破り人生・2000億円企業のつくり方)、第6位・ソフトバンク・孫正義社長7件(米国“IT聖地”に108億円豪邸!?など)、第7位・日本マクドナルドホールディングス・原田泳幸社長5件(日本マクドナルド・7年ぶり減益)、第8位・日本航空・植木義晴社長3件(787型機運航停止・広がる日本企業への影響は)、第9位・ファーストリテイリング・柳井正社長2件(ユニクロ・新卒採用・大幅増へなど)、第10位・新日鉄住金・友野宏社長2件(経団連副会長・新日鉄住金・友野社長ら3人起用固まるなど)。

 

●テレビの窓

「ボツワナが日本の地デジ採用」

アフリカ南部のボツワナは、26日にアフリカで初めて日本方式の地上波デジタル放送を採用することを決定した。日本方式の海外採用はボツワナが13カ国目でアフリカ初。総務省によると、ボツワナはテレビの普及率は5世帯に1台程度にとどまるが、携帯電話はほぼすべての国民に普及しており、このことから、携帯電話やカーナビでも良好に受信できる、日本方式のみのワンセグ機能が評価された。アフリカでは、地上デジタルテレビ放送の採用方式が大半の国で未定となっており、総務省では、ボツワナでの採用を足がかりにアフリカ各国に日本方式を働きかけたいとしている(NHK)。

 

JCC株式会社

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