テレビ報道に見る産業・経済月報(平成25年3月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成25年3月)

「巻き返しなるか日本経済・安倍首相TPP交渉参加表明・日銀新体制発足」

 

今月の特徴は1.円安・株高の影響、2.TPP交渉参加へ、3.日銀新体制発足、4.エネルギー関連の動きとなった。

 

1・円安・株高の影響

7日、アベノミクスへの期待が高まる中、日経平均株価が1万2000円台を回復した。日銀は3ヶ月連続で基調判断を引き上げた。29日、東京株式市場は今年度平成24年度としての最後の取引が行われ、去年同時期比で約23%の上昇で取引を終えた。株式の含み益はこの半年間で2.6倍に増えており、株価上昇により企業資産が増加していることがわかった。国内上場企業1848社の保有株式(野村証券の試算)では11兆1000億円の含み益となっている(NHK)。一連の円安株高と安倍総理の要請を受け、大企業は異例の賃金アップを表明。ローソンでは20代後半~40代正社員の一時金増額で年収3%アップを決め、ファミリーマートは年収を2.2%アップし定期昇給と賞与を増額した(TBS)。日産自動車、トヨタ自動車ホンダなどでボーナスを満額回答。セブン&アイホールディングスイトーヨーカ堂ニトリホールディングスでは、基本給を引き上げる「ベア」実施を決定した(NHK)。一方、円安の影響で石油など燃料の輸入額が膨らみ、2月の貿易統計(財務省発表)は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が7775億円の赤字となった。赤字は8ヵ月連続。比較可能な1979年以降、赤字額は2月として過去最大となった(テレ東)。

 

2.TPP交渉参加へ

安倍首相は15日、TPP・環太平洋パートナーシップ協定の交渉に参加することを正式に表明、政府はTPP参加により輸出の増加などで3.2兆円GDPを押し上げるとする試算を公表。一方で安い輸入品が入ることで農林水産物の生産額は3兆円減少すると見込んでいる。経済界からはTPP交渉参加への表明を評価する声が相次いだ(NHK)。

 

3.日銀新体制発足

19日、日銀の白川総裁が退任の記者会見を行った。白川総裁は「リーマンショック、欧州債務危機、東日本大震災、2回の政権交代とめったには起きないことが次から次へと起きた。急速な高齢化とグローバル化の進展に経済や財政の仕組みの見直しが遅れがちで成長力が鈍った。最近は円安と株高が進み、競争力と成長力の強化に向けた取り組みも動き出しチャンスだと思う」と述べ、政府と日銀が一体となったデフレ脱却の取り組みに期待感を示した。20日、白川総裁の後任としてアジア開発銀行総裁・黒田東彦が今日第31代の日銀総裁に就任した。日銀は新体制のもと、デフレからの脱却に向けた強力な金融緩和策の具体的な検討に入ることになる。黒田新総裁は、4日国会での所信聴取で2%の物価目標に向けて強力な金融緩和策に踏み切る考えを示した(NHK)。

 

4.エネルギー関連の動き

全国の電力10社は5月の電気料金を値上げすると発表。電力会社は値上げの理由を円安の進行で液化天然ガスなどの燃料価格が高騰していることに加え、太陽光発電など再生可能エネルギーの普及を促す政府の「固定価格買い取り制度」で、電気料金の上乗せ額が全国平均で33円引き上げられるためであるとしている(フジ)。15日、安倍総理大臣がTPP交渉参加を正式表明したことで、安価なシェールガス由来のLNGガスなどが輸入できる可能性が高まった。住友商事が2009年に米国・テキサス州でのガス田への出資を決めたのを皮切りに、他の総合商社もシェールガスの経営企画に相次いで乗り出した。東京電力中部電力はシェールガス由来のLNG調達により、火力燃料費を抑える考え。シェールガス由来のLNGの生産が広がれば、LNGプラントを手がける日揮千代田化工建設横河電機などの収益拡大に繋がる。この他、三菱ケミカルホールディングスクラレなどが米国に工場を建設する方針を打ち出している(テレ東)。こうした中、東京ガスが世界最大のLNGタンクを公開した。タンクの容量は25万キロリットルで最新のLNG輸入価格で換算すると85億円に相当する。今年7月に完成し、11月から使われる予定で、このタンクはシェールガスにも対応している(NHK)。

 

●注目点

「新日鉄住金・経営計画発表・年間2000億円削減目指す」

日鉄住金は13日合併後初めてとなる今後3年間の経営計画を発表した。千葉県の君津製鉄所の高炉1基を20年ぶりに休止するほか全国に8つある内、4つの製鉄所で14の生産ラインを停止させる。国内で鉄鋼製品の需要が低迷していることから、現在市場では鋼材が供給過剰の傾向にある。高炉を休止することで、増えすぎた生産能力を減らし、3年後に2000億円のコスト削減を目指している。会見した友野社長は、最適な生産体制を構築し、国際コスト競争力を抜本的に強化することを強調した(テレ東)。ところで日本商工会議所が、次の会頭に新日鉄住金の三村明夫相談役を起用する方針を固めたことが明らかになった。三村は新日本製鐵の社長、会長を務め、2005年から経団連副会長のほか、政府の総合資源エネルギー調査会の総合部会長も務めた。新日鉄から日商会頭への就任は永野重雄以来(TBS)。

 

 

 

 

●新潮流

「シャープとサムスンが資本提携」

日経営の立て直しを急ぐシャープは、主力事業で競合してきた韓国のサムスン電子と資本提携し、100億円規模の出資を受けることになった。シャープは、液晶パネルをサムスンに長期的に供給する業務提携も行う方向で協議を進めている。提携によってシャープは、財務基盤を改善するとともに液晶パネル工場の稼働率アップを目指し、サムスンは、液晶パネルの安定した調達ルートの確保が狙いとみられる(NHK)。一方、シャープと台湾メーカー・ホンハイの資本提携交渉は26日までの期限内にまとまらず無効となった。シャープはすでに韓国・サムスンとの資本提携を発表しているが、依然として資金繰りは厳しくホンハイとの協議も継続したいとしている(日テレ)。

 

●3月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・東京急行電鉄、第2位・歌舞伎座、第3位・東京地下鉄」

月は「東急東横線・渋谷駅のホーム引越し」「渋谷ヒカリエ東急シアターオーブ・ミュージカル」等の豊富な話題により、CM価値換算79億8000万円で東京急行電鉄が第1位に輝いた。第2位は、「新しい歌舞伎座・内部を初公開」などの報道で、歌舞伎座が獲得した。第3位は、「九段下駅・都営・メトロの壁を撤去」などの報道で東京地下鉄となった。第4位は、「小田急シモキタが地下へ」などの報道で小田急電鉄、第5位は、「広がる交通系ICカード“10種類”どの地域でも」などの報道で東日本旅客鉄道、第6位は、「トヨタが技術者養成所開設」などの報道でトヨタ自動車になった。第7位は、「テレビ初公開!運転士や車掌の極秘訓練とは?」などの報道で東海旅客鉄道、第8位は、「ホンダ・ケニアに新工場・低価格のバイク生産へ」などの報道でホンダ、第9位は、「物流ボイス・大切なものは?」などの報道で日本郵政、第10位は「流通業界再編でスーパーは?」でセブン&アイ・ホールディングスが獲得した。

 

●3月の人物ランキング

「第1位・JA全中・萬歳章会長、第2位・経団連・米倉弘昌会長、第3位・日産自動車・カルロスゴーン社長

第1位・JA全中・萬歳章会長47件(渦巻く反対TPP・交渉表明の余波など)、第2位経団連・米倉弘昌会長38件(財界トップら訪中・経団連が中国“副主席”と会談など)、第3位・日産自動車・カルロスゴーン社長17件(日産CEO・カルロスゴーン・「蓄電池」が未来を変えるなど)、第4位・ソフトバンク・孫正義社長13件(「つながる」戦争・ソフトバンク「1位」の根拠など)、第5位・ファーストリテイリング・柳井正会長12件(世界のCEOベスト30など)、第6位・ローソン・新浪剛史社長9件(賃上げ要請に対応など)、第7位・パナソニック・津賀一宏社長8件(パナソニック中間計画・2015年度までに赤字解消・テレビ・携帯など改革など)、第8位・イオン・岡田元也代表取締役社長7件(イオンがダイエーを子会社になど)、第9位・楽天・三木谷浩史社長6件(議論進む“正社員の解雇”など)、第

10位・トヨタ自動車・豊田章男社長6件(トヨタ新人事・反転攻勢など)。

 

●テレビの窓

「ビッグデータ活用する企業の動き」

ッグデータを活用し、業務の効率化を進める企業も出てきた。大阪ガスでは過去10年間約400万件に及ぶガス機器の修理データを分析し、修理に必要な部品を瞬時に見つけ出すシステムを開発した。これまでは現場に行って初めて必要な部品が分かることが多く、修理に2日以上かかる事も少なくなかったが、このシステムを利用すると1日で修理を終える割合が以前の55%から78%にアップしたという。ローソンではポイントカード会員の51万人分のビッグデータ(購入履歴データ)を商品の販売促進に活用し、新たな顧客の獲得に繋げることができたという。業種を超えてのビッグデータ活用の動きも始まっている。64社が加盟するポイントカード(ポンタ)の運営会社(ロイヤリティーマーケティング)では、51万人の会員がどんな購買行動を取っているのか分析することによってカード加盟店の利用客を増やすことが見込めるとしている。運営会社では条件を満たした会員には割引クーポンをメールで送る検討も始めている(NHK)。

 

JCC株式会社

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