テレビ報道に見る産業・経済月報(平成25年5月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成25年5月)

「GDP1~3月期・年率換算4.1%増・2期連続プラスも株価乱高下」

今月の特徴は1.GDP2期連続プラス、2. 株価乱高下、3.エネルギー関連の動きになった。

 

1.GDP2期連続プラス

政権交代後の今年1月から3月期のGDP・国内総生産は円安株高が進んだことを背景に個人消費などが回復し、実質GDPは前の期に比べて年率換算で4.1%増加し2四半期連続のプラス成長となった。政権交代後のアベノミクスのもと、円安と株高が大きく進んだことを背景に、外食や自動車など個人消費がプラスの0.9%と大きく回復。米国など海外の経済が持ち直したことで輸出がプラスに転じたことも後押しした。政府は8月に発表される4-6月期のGDP速報値を基に、景気の総合判断を行い、この秋にも来年の消費税率引き上げを最終判断する方針。大手企業が行った決算発表でも業績回復の声が相次いだ。トヨタ自動車の2013年3月期の営業利益は1兆3208億円、前期比約3.7倍、5年ぶりに1兆円を超えた。これは徹底したコスト削減、既存工場の生産性を上げることに力を注いだ結果によるもの。富士重工業は、台数、売上高、各段階の利益ともにすべて過去最高となった。ソニーは5年ぶりに黒字に転じたと発表。ソニーの売り上げは前年度比で4%増え6兆8008億円、最終的な利益は430億円。株価上昇でグループの生命保険会社の運用成績が大幅に改善したことや、不動産などの資産売却を進めたことによるものだが、主力のエレクトロニクス事業は、テレビやパソコンなどの販売不振が続き1344億円の赤字だった。特にテレビ事業は9年連続の赤字で同じくテレビ事業を主力とするパナソニックも2年連続の巨額の赤字。シャープは昨年度の最終的損益が過去最大の5453億円の赤字となり、経営陣を刷新して立て直しをはかることにした。電機各社はここ数年で急速に製造拠点を海外に移しており、円安が進むと逆輸入のコストが膨らみ、恩恵を前ほど受けられない体質になっている(NHK)。

 

2.株価乱高下

16日、日経平均株価は5年4ヶ月ぶりに1万5000円の大台を回復した(テレ東)。しかし23日、株価は急落。午前中は1万6000円に迫る勢いだった日経平均株価は、午後は一転し全面安の展開となり、1100円以上急落した。終値としては13年前のITバブル崩壊以来、歴代11位の下げ幅となり、住宅ローンなどにも影響を及ぼす長期金利が約1年2か月ぶりに一時1%まで急上昇した(NHK)。下落のきっかけは、中国の経済指標(PMI)の発表で、景気の良し悪しとなる50を割り込んだことで中国経済の先行き不透明感が高まり、利益確定の売りが売りを呼んでゆく展開となったため(テレ東)。結局、5月の日経平均株価は2週間で乱高下を繰り返し、およそ2000円値を下げた(テレ東)。投資家の間で警戒感が根強く、円相場などの動向をにらみながら当面株価は乱高下が続くという見方が広まっている。円安の動きにブレーキが掛ったことも懸念材料(NHK)。

 

3.エネルギー関連の動き

安倍総理大臣は3日トルコで行われたエルドアン首相との会談において、トルコの原発建設プロジェクトでの三菱重工業とフランスのアレバの受注を事実上認めることを確認しあった。福島第一原発事故の後、原発の輸出に批判も出ている中、官民連携による原発輸出が具体的に決まったのは今回が初めて(NHK)。一方、22日、福井県・日本原子力発電の敦賀原発2号機について原子力規制委員会は「真下を通る断層は活断層」とした調査団の報告書を了承し、2号機が廃炉に追い込まれる可能性が高まった(TBS)。同日、東京電力中部電力は、新たな石炭火力発電所を茨城県に共同で建設し6年後に稼働させる方針を固めた。電力会社の地域独占を超えた提携は初めてで、発電量の7割を東京電力管内に供給する予定。中部電力が建設費など9割を担う形で最終調整を行なっている(フジ)。将来の電力販売の全面自由化を見越し関東地方にも事業地域を拡大する狙いがあるとみられる(NHK)。こうした中、20日、米国のエネルギー省は新型のシェールガスの日本への輸出を初めて許可。輸出が許可されたのは中部電力と大阪ガスが参画する米国・フリーポート社のLNG計画。計画が順調に進めば、2017年から日本のLNG消費量の5%にあたる年間440万トンが日本に輸出される(フジ)。

 

●注目点

株価急落の背景・超高速取引システム

安定な動きを見せる株価。背景について外資系証券会社の東京都千代田区・BNPパリバ証券では、短期に大量の資金を動かすヘッジファンドなどの投資家が、株式の大量売りに動いていたと指摘。ヘッジファンドの武器は、HFT=超高速取引システム。去年、東京証券取引所はシステムに対応するため、1/1000秒で売買注文を出せるよう取り引きシステムの性能を向上させた。その結果、ヘッジファンドの日本市場での取り引きが急増。売買は個人が判断するのではなく、ニュースや為替、債券の利回りなどの変動により売り買いの注文を自動的に出す仕組み。23日の株価急落のきっかけとなった中国の製造業の景況感を示す経済指標のニュースで、あるヘッジファンドは指標で50を下回ったら瞬時に売り注文を出すと設定していた。この結果、ヘッジファンドが売り注文を次々に出し、大量売りにつながった。乱高下を続ける株価の裏ではヘッジファンドが大量の売買を行っていたとみられている(NHK)。

 

●新潮流

安倍首相のトップセールス」

倍首相は自らがトップセールスマンとして日本の売り込みに力を入れると17日の成長戦略第二弾の演説で強調した。安倍首相がかつてのトップセールスマンとして名前を挙げたのが池田勇人元総理。欧米から“トランジスタラジオのセールスマン”と評された池田元総理の売り込みなども経済成長を導いたとして、安倍首相もインフラ、食品や放送コンテンツなど今後積極的に海外展開出来るようにしたいとしている。こうした中、原子力事業を手掛ける各社の株が軒並み上昇、日本経済新聞で今月末のインドとの首脳会談で日本の原発輸出に向けた交渉再開で合意する見通しと伝わった為とみられる(テレ東)。

 

●5月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

第1位・東武鉄道、第2位・トヨタ自動車、第3位・東京急行電鉄

月は東武鉄道が東京スカイツリー開業から1周年を迎え、様々な角度からの取材や報道などで85億5000万円というCM価値換算値により第1位に輝いた。第2位は、「トヨタ自動車・営業利益1兆8000億円に」などの報道で、トヨタ自動車が獲得した。第3位は、「”金妻タウン”をベトナムに!?・日本の鉄道会社が街づくり」などの報道で東京急行電鉄となった。第4位は、「長嶋茂雄、松井秀喜の国民栄誉賞受賞式」などの報道で東京ドーム、第5位は、「セブンイレブンで帰れま10」などの報道でセブン&アイ・ホールディングス、第6位は、「宅配便のギモン解決SP」などの報道でヤマトホールディングスになった。第7位は、「銀行決算6年ぶり高水準」などの報道でりそなホールディングス、第8位は、「ホンダF1復帰へ」などの報道でホンダ、第9位は、「メイドインジャパン・苦難の再出発」などの報道でソニー、第10位は「新生歌舞伎座・檜舞台にかける男たち」で歌舞伎座が獲得した。

 

 

●5月の人物ランキング

第1位・トヨタ自動車・豊田章男社長、第2位・ソニー・平井一夫社長、第3位・シャープ・高橋興三次期社長

第1位・トヨタ自動車・豊田章男社長44件(トヨタ大幅増益へ・民間の力でアベノミクス成功なるかなど)、第2位・ソニー・平井一夫社長30件(ソニー・事業不振で全役員が賞与全額返上へなど)、第3位・シャープ・高橋興三次期社長28件(シャープ社長に高橋氏など)、第4位・ソフトバンク・孫正義社長24件(進化するスマートフォン・シニア層狙った新たな機種とは?など)、第5位・富士重工業・吉永泰之社長16件(“自動車”好調の波及効果“城下町”に活気戻る?など)、第6位・ホンダ・伊東孝紳社長15件(ホンダがF1復帰・正式表明など)、第7位・日本航空・植木義晴社長11件(JALも787試験飛行など)、第8位・ローソン・新浪剛社長10件(“ひしめく”コンビニ各社・新ターゲット獲得“独自戦略”とは?など)、第9位・ファーストリテイリング・柳井正社長5件(意外と高収入…?あなたの年収・世界で何番目など)、第10位・楽天・三木谷浩史社長4件(小学校の英語教育・強化求める提言など)。

 

●テレビの窓

「ホンダF1復帰へ“再び世界一目指す”」

6日、マクラーレンにエンジンを供給する形でホンダがF1に復帰することを発表。後押ししたのは、レースで培った技術が一般に応用しやすくなるF1のルール改正。来シーズンから排気量が1600CCに引き下げられる。ターボ技術に加え、ハイブリッド技術がより重視されることになったが、ホンダはF1撤退後、ハイブリッドなどの環境技術分野を短期間で強化していた。その開発に携わっていたのはかつてのF1技術者たちだった。ホンダの業績回復も復帰を後押しした。栃木県茂木町のホンダ関連の展示施設では、F1の黄金時代を振り返る展示が行われており、創業者・本田宗一郎の「レースは走る実験室」という理念のもと、1964年に日本の自動車メーカーとして初めてF1に挑戦し、1980年代後半から1990年代前半にかけて圧倒的な強さを誇った。英国のレーシングチーム・マクラーレンと組んだ1988年にはアイルトンセナなどの活躍もあって、16戦中15勝。2008年にはリーマンショックによる景気悪化でF1から退いた(テレ朝)。

 

JCC株式会社

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