テレビ報道に見る産業・経済月報(平成25年11月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成25年11月)

「日経平均株価・半年ぶりに1万5000円台を回復」

 

今月の特徴は1.景気の動向、2.各社・決算の動き、3.エネルギー関連の動き、4.TPPの動きになった。

 

1.景気の動向

日経平均株価が、約半年ぶりに1万5000円台を回復した。米国でFRB議長に指名されたイエレンが量的緩和策を維持する考えを示したのを受けてニューヨーク市場で最高値を更新したことや1ドル=100円台まで円安が進行したことから幅広い銘柄で買い注文が膨らんだ(TBS)。内閣府が発表した7月~9月までのGDP・国内総生産の伸び率と速報値は前の3か月と比べて+0.5%、年率換算+1.9%となった。GDPは4期連続でプラスとなったものの、伸び率は前の期に比べて鈍化した(NHK)。一方、今年度上半期の日本の経常収支は、円安による輸入価格の上昇で貿易赤字が4兆6664億円と過去最大になったことなどから、黒字額は3兆548億円にとどまり、統計が比較できる昭和60年以降では最も少なかった去年に次いで2番目に少なくなった。貿易収支の赤字は円安でLNGや原油の輸入額が増えたこと、中国からのスマホ、衣料品の輸入が増加したことが原因とされる。これに対して所得収支は日本企業の海外子会社からの配当が増加したことから、去年の同期比で19.6%増え8兆9950億円の黒字となった。9月の経常収支は去年と比べて14.3%増加の5873億円となり8か月連続の黒字となっている(NHK)。

 

2.各社・決算の動き

東京証券取引所に上場する企業の本年度上半期の決算発表では、円安の影響で好調な企業が相次いでおり、上場企業の収益回復の裾野が広がっていて、2008年のリーマンショック後では過去最多で6社に1社が最高益となっている。ソフトバンクは営業利益が前年比66.6%増の7150億7000万円。日本航空は売上高が前年比4%増の6593億円。SMBC日興証券の調べによると277社の経常利益の合計は4兆6880億円と前年を45%上回った。およそ30%の企業が通期の見通しを上方修正している。一部の有力企業だけでなく中堅企業にも業績回復が広がり、全体を底上げする構図となってきた。ソフトバンク、KDDI日本たばこ産業デンソー東海旅客鉄道富士重工業丸紅クボタヤフーいすゞ自動車などそれぞれ得意分野に特化して業績を上げている。テレビなど家電製品の落ち込みで不振に喘いでいたパナソニックは最終損益が中間決算としては過去最高となる1693億円の黒字。前年の6851億円の赤字から大幅に改善した。パナソニック・津賀一宏社長は「競争力のある事業はさらに伸ばす一方で、将来が描ききれない事業は統廃合する」と話した(テレ朝)

 

3.エネルギー関連の動き

東京電力は福島第一原子力発電所4号機の燃料プールから核燃料を取り出す作業を始めた。福島第一原発の燃料プールから本格的な燃料の取り出しを始めるのは事故後初めてで、燃料取り出しの開始は廃炉工程表の第1期完了と位置づけられ、40年かかるとされる廃炉の最初の節目を迎えたことになる(NHK)。住友商事はシェールガス革命と呼ばれる天然ガスの開発が進む米国で、大手技術研究機関と業務提携を結び技術協力を通じて米国進出を目指す日本企業を支援することになった。関連産業の市場規模(米国)はプラント、パイプライン建設など40兆円にのぼるともいわれる。住友商事はガステクノロジーインスティチュート社と包括的業務提携を結び、日本企業に対し米国での事業化を目指す際に技術協力し共同事業を進めるなどの支援で後押しをしたいとしている(NHK)。一方、原発事故の余波に苦しむ福島の復興の一環として世界初の浮体式・風力発電プロジェクトが福島の沖合いで始まった。政府はすでにこのプロジェクトに220億円以上の予算をつぎ込んでいて、10の企業と東京大学が実用化に向けて3年がかりで研究を進めることにしている(TBS)。

 

4.TPPの動き

年内妥結に向け大詰めのTPP交渉。米国通商代表部・フロマン代表は、甘利明TPP担当大臣との電話協議で、全輸入品の関税撤廃を要求していた。甘利大臣は「重要5項目は政権の命運にかかわる」などと拒否したが、米国側は一部の品目について20年以上の猶予期間を認める考えを示唆しながら、全輸入品の関税撤廃を求め続けているという。鶴岡公二首席交渉官は「多くの課題が残っている。全ての問題点を決着できる程、楽観的ではない」としている。TPPと並行して開く日米協議では、米国は日本の自動車市場の規制緩和を求めており、オバマ大統領の支持率が下がると、余計日本に対し強行になる可能性がある(TBS)。

 

●注目点       

「海外戦略強化で武田薬品・初の外国人社長起用へ」

内製薬最大手・武田薬品工業は、来年6月に外国人の社長を迎えると発表。経営のグローバル化を進めるためとしている。武田薬品工業・長谷川閑史社長は会見で「幅広い事業経験と実績は、武田の今後のグローバル戦略のさらなる強化とその展開の加速化に大いに貢献してもらえる」とコメントした。新たに社長に起用されるのは、英国の製薬大手・グラクソスミスクライン幹部・クリストファーウェバー氏で、来年4月までに入社し、6月の株主総会を経て社長に就任する予定。武田薬品工業は、欧米の製薬会社を相次いで買収していて、海外の売り上げが5割を超えている。そのため経営体制もグローバル化が必要だと判断し、初めて社長に外国人を起用することになったという(テレ朝)。

 

●新潮流

「東京モーターショーが開幕」

年に1度行われる自動車の祭典・東京モーターショーが、一般公開を前に報道陣に公開された。今まで以上に進化したエコカーや軽自動車に加え、ハンドルもアクセルも無い車も登場した。今回のモーターショーのテーマは「世界にまだない未来を競え」。トヨタ自動車が世界初出展したのはハンドルやアクセルではなくドライバーの体重の移動のみで運転操作が可能な未来の車。三菱自動車が発表したのは前の部分から後部座席にかけて長いタッチ式のディスプレイがあり、スマートフォンを置くと地図情報や音楽データなどを読み取り、車でもスマートフォンのデータが利用可能というもの。これまでモーターショーといえば夢のような車が強調されてきたが、今回目立ったのはより実用化に近い、市販化までを視野に入れた車の出展だ。特に注目されているのは国内での販売が好調な軽自動車で、ダイハツのKOPENはライフスタイルや好みに合わせて着せ替えができる。ホンダも約20年ぶりとなる軽自動車のスポーツモデルを世界初公開し、近い将来の市販化を視野に、軽自動車の新たな需要の掘り起こしを狙っている(日テレ)。

 

11月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・楽天、第2位・宇宙航空研究開発機構、第3位・ファーストリテイリング」

1月は楽天がCM価値換算値46億9547万円で第1位に輝いた。プロ野球日本シリーズで楽天が優勝し、ジャスダック市場から東証一部へ上場すると発表したこと等による結果となった。第2位は、「大西卓哉宇宙飛行士・宇宙へ・11人目の日本人に」などの報道で、宇宙航空研究開発機構が獲得した。第3位は、「成長か、死か~ユニクロ・40億人市場への賭け~」などの報道でファーストリテイリングとなった。第4位は、「コンビニで続々発売・高級食パン最前線」などの報道で、セブン&アイ・ホールディングス、第5位は、「トヨタ自動車“最も燃費が良い”ハイブリッド車・来月販売」などの報道でトヨタ自動車、第6位は、「大盛況!巨大モールの秘密・なぜ?年間2500万人が殺到」などの報道で三井不動産になった。第7位は、「カラオケ世界大会日本人が初優勝・実力を披露」などの報道で第一興商、第8位は、「ソニー次世代端末は斬新アイデア“かつら型”」などの報道でソニー、第9位は、「便利スポットからCAが選ぶグルメまで超楽しい!羽田空港何でもランキング」などの報道で東京空港事務所、第10位は「イオン・3年以内にスーパーとネット連動したサービスを」などの報道でイオンとなった。

 

11月の人物ランキング

「第1位・楽天・三木谷浩史社長、第2位・経団連・米倉弘昌会長、第3位・日本銀行・黒田東彦総裁」

第1位・楽天・三木谷浩史社長169件(楽天が初の日本一!被災地も喜びの声など)、第2位・経団連・米倉弘昌会長42件(日米財界人会議・“TPP早期妥結を”など)、第3位・日本銀行・黒田東彦総裁36件(デフレ脱却・必ず実現など)、第4位・みずほ銀行・佐藤康博頭取34件(みずほ銀行頭取など参考人招致など)、第5位・日産自動車・カルロスゴーン社長20件(日産・ゴーン社長・緊急会見・下方修正を発表など)、第6位・トヨタ自動車・豊田章男社長18件(小谷キャスター×トヨタ・未来の楽しいクルマなど)、第7位・東京電力・広瀬直己社長17件(東京電力・3年ぶり経常黒字など)、第8位・ファーストリテイリング・柳井正社長15件(成長か・死か~ユニクロ・40億人市場への賭けなど)、第9位・サイバーエージェント・藤田晋社長13件(藤田晋社長に聞く・テレビとインターネットの未来など)、第10位・セブンイレブンジャパン・鈴木敏文会長12件(セブン-イレブン40周年など)。

                     

●テレビの窓

「データサイエンティストが未来を変える」

ット上の膨大なビッグデータを収集し科学的に分析する技術者「データサイエンティスト」に注目が集まっている。ビジネス上の様々な課題を解決し、時には数億円もの利益を生み出す存在として今、企業から引く手あまただ。「データサイエンティスト」はビジネスやマーケティングの知識と一緒に統計の知識を持った新しいタイプの人材であり、活躍する分野はネット広告、ネットショッピング、ソーシャルゲームなど幅広い。ネットショッピングはビッグデータが集められるためデータサイエンティストを介在させればビジネスチャンスが広がると企業の期待は大きい(フジ)。

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