テレビ報道に見る産業・経済月報(平成26年9月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成26年9月)

「日経平均株価1万6000円超え6年10か月ぶり、6年ぶりの円安110円台101日)

 

今月の特徴は1.円安・株高、2.消費税の動き、3.日銀短観、4.エネルギー関連の動きとなった。

                                                                                                

1.円安・株高

9月19日、外国為替市場で円安ドル高の流れが急速に進み、1ドル109円台前半と約6年ぶりの円安水準で推移した。東京為替市場の日経平均株価(終値)は16321円で取引を終え、年初来高値を更新、6年10か月ぶり、リーマンショック前の高水準となっている。寺島実郎氏は「米国が実体経済の好調を背景に金融の引き締めの段階に入って来たこと。量的緩和を10月までに終わらせること。来年には金利の引き上げも見えてくるかというぐらいの状況が見えてきており、米国の失業率が6.1%まで落ちてきた。バーナンキ前FRB議長は6.5を割ったら本格的に引き締めだと言っていたがその段階に入って来た。秋に入って米国の金融引き締めによって世界の金融が米国に還流していくのではないかという動きの中でドルが高くなっているという構図」と述べた(TBS)。経団連・榊原定征会長は「今の円安水準はトータルではマイナスではない」と述べていた。が今日(9月19日)は「円安のマイナスサイドに対する配慮も必要だと思う」と述べた(テレ朝)。

 

2.消費税の動き

菅官房長官は来年10月に予定どおり消費税率を10%に引き上げるかどうかについては「12月8日に発表されるGDP・国内総生産改定値を見たうえで、12月中旬までに安倍首相が判断する」との見通しを示した(日テレ)。総務省が8月の家計調査の結果(2人以上の世帯)を発表、勤労者世帯の実収入は1世帯あたり46万3810円。前年同月比で-5.4%。消費支出は1世帯あたり28万2124円で前年同月比で-4.7%。消費支出の推移を見ると、消費税が8%になった4月以降、ずっとマイナスが続いている。8月は西日本を中心に記録的な大雨もあり、天候不順が影響して消費を控えたという傾向もある。天候不順によりエアコン、アイスやシャーベット、国内パック旅行などの消費支出が減少したとみられる。第一生命経済研究所主席エコノミスト・永濱利廣は「物の値段があがると購買意欲が減少する。日本経済の活性化につながらない。節約を続けている状況だと消費税10%を決断できない可能性もある」と解説した(TBS)。 

 

3.日銀短観

日本銀行の企業短期経済観測調査が発表された(10/1)。「景気が良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた値は大企業の製造業で+13ポイントと、2期ぶりに改善。大企業の非製造業は小売りなどが悪化し+13ポイントと2期連続で悪化。中小企業は製造業と非製造業で2期連続の悪化。非製造業や中小企業の景気判断の悪化は消費税増税に伴う駆け込み需要の反動や天候不順の影響で個人消費が伸び悩んでいることが主な要因。先行きについては大企業の製造業で横ばい、非製造業は1ポイントの改善を見込んでいる。一時6年1か月ぶりに1ドル=110円台まで進んだ円安。大企業の製造業で業績を押し上げる要因となっているが、中小企業の間では原材料の輸入価格の上昇で「収益の圧迫要因になる」という懸念の声が増えている。今回の短観では企業の設備投資に前向きな計画が示されるなど、景気の底堅さを示す内容も見られる(NHK)。

 

 

4.エネルギー関連の動き

小渕経済産業相は「原発がなくても生活が回っているという話をいただくが、現状は古くなった火力発電所をフルに使いエネルギーを作り出している状況で、安心できる状況というわけではない。化石燃料の輸入額は東日本大震災前と比べ1日に換算し100億円増えている。電力コストは家庭が2割、企業は3割増え、中小企業や零細業者にとって経営問題になっている。資源に乏しい日本がエネルギーについていいバランスをとっていくことが大事で太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる電力だけでは供給が不安定。原発を持たない選択をすることは、将来を視野に入れたエネルギー政策を考えたうえでなかなか難しい判断」と述べた(NHK)。住友商事は米国などで展開するシェールオイルを中心とした新型原油開発の失敗で約2400億円の損失が発生する見通しと発表。中間期の最終損益が300億円の赤字に転落する見込みで、通期の純利益予想は100億円に下方修正。住友商事・猪原弘之専務は「多額の損失を計上する事態を重く受けとめている」と述べた(テレ東)。

 

 

●注目点                                                        

「ソニー2300億円の赤字・上場以来初の無配」

ニーは17日、2015年3月期の連結業績見通しを最終赤字500億円から2300億円と発表し、株主への配当を1958年の上場以来、初の無配とすることも発表した。ソニー・平井一夫社長は会見で大幅な赤字の背景にあげたのは、スマートフォン販売の低迷だった。ソニーは戦後間もない1946年に盛田昭夫と井深大が技術力で日本の復興に貢献しようと東京通信工業を創業したのが始まりで、1955年には日本初のトランジスタラジオを販売。1979年歩きながら音楽が聴けるという携帯型音楽プレーヤー・ウォークマンで世界に大きな衝撃を与えた。海外では日本製品と言えばソニーの名があがるなど日本を代表する企業となったが、主力のエレクトロニクス事業が低迷し、2009年3月期にはデジタルカメラや薄型テレビの販売不振を受け、赤字に転落。さらに従業員約1万人を削減するリストラを発表した直後の2012年3月期の連結決算では最終赤字が過去最悪の4566億円となるほど転落した。作家・立石泰則は「10年先20年先を見据えた開発がソニーの強みだったのにそれをやらなくなった。優秀なエンジニアはヘッドハンティングされたり、その流れで大量に他社に移る。技術が分かる人が経営トップにいないということだった」と指摘。日立製作所三菱電機パナソニック富士通東芝NECシャープなどは事業の見直しを進め、法人向けやインフラなどに力を入れ、業績を回復させている(TBS)。

 

 

●新潮流

「日立製作所・年功序列制度廃止へ」

立製作所は26日、年齢や勤続年数などによって賃金が決まる、いわゆる年功序列制度を廃止し、仕事の内容に応じて給与を支給する制度を10月から導入すると発表した。日立製作所ではこれまで、管理職の給与の7割を年齢や勤続年数などに応じて支給し、残る3割を仕事の内容などで支給してきた。今回、日立本体の管理職社員1万1000人を対象に、給与の全額をポストや仕事の内容に応じて支給する仕組みに変更する。入社年次の低い人や、中途採用で入った勤続年数の短い外国人でも、高い報酬が得られるようにして、社員の意欲を引き出し、国際競争力を高める狙いがある。電機大手では、ソニーやパナソニックも同様の賃金制度の見直しを検討している。日立製作所・中畑英信執行役常務は「事業目標の達成に向け、各人のモチベーションを上げたい。全世界が同じ制度、見方で透明性を持ってやっていることを示し、さらに優秀な人材を活用、採用していきたい」とコメントした。

 

9月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・アップルジャパン、第2位・三井不動産、第3位・オリエンタルランド」

月は、アップルジャパンがiPhone6とiPhone6Plusの話題を中心にCM換算価値59億4400万円で第1位に輝いた。第2位は、「巨大ショッピングモールの裏側」などの報道で、三井不動産が獲得した。第3位は、「TDL人気アトラクション・開園以来初リニューアル」などの報道でオリエンタルランドとなった。第4位は、「“ユニクロ”錦織にボーナスなんと1億円!」などの報道でファーストリテイリング、第5位は、「はやぶさ2・11月30日打ち上げへ」などの報道で宇宙航空研究開発機構、第6位は、「外国人旅行センター・浅草・全力投球の“おもてなし”」などの報道で東武鉄道になった。第7位は、「ソニー大幅な赤字・苦境の理由はどこに?」などの報道でソニー、第8位は、「今OLや学生に人気!歌舞伎座に潜入・現役モデル&歌舞伎ツケ打ちの初コラボ」などの報道で歌舞伎座、第9位は、「日立“年功序列”を全面廃止・管理職が対象…背景に何が」などの報道で日立製作所、第10位は「コーヒー秋の陣・セブンイレブン好調なのに刷新」などの報道でセブン&アイ・ホールディングスとなった。

 

 

9月の人物ランキング

「第1位・朝日新聞・木村伊量社長、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁、第3位・経団連・榊原定征会長」

第1位・朝日新聞・木村伊量社長126件(朝日新聞・誤報を謝罪など)、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁106件(加速する円安・その行方は?など)、第3位・経団連・榊原定征会長82件(日中ハイレベル経済対話・早期再開が望ましいなど)、第4位・アップル・ティムクックCEO52件(“iPhone6”過去最高・3日間で1000万台超など)、第5位・ファーストリテイリング・柳井正会長兼社長37件(錦織フィーバー・経済効果はなど)、第6位・ソフトバンク・孫正義社長34件(“25兆円企業”アリババと孫社長の蜜月・驚くべき出会いとは?など)、第7位・ソニー・平井一夫社長28件(ソニー2300億円の赤字・上場以来初の無配など)、第8位・楽天・三木谷浩史社長13件(楽天が米企業買収・キャッシュバックサイトとはなど)、第9位・イオン・岡田元也社長11件(ダイエー“消滅”へ・イオンの完全子会社へなど)、第10位・日清食品ホールディングス・安藤宏基社長9件(錦織選手が凱旋報告・限定カップヌードルもなど)。

 

●テレビの窓

「iPhone6めぐりキャリアメーカー3社顧客獲得戦争」

Phone6とiPhone6Plusがついに日本で発売された。発売前からキャリアメーカー3社の間では、端末や下取り価格をめぐって激しい競争が繰り広げられた。競争の焦点となったのが下取り価格で、最初にNTTドコモが他社から乗り換える客に最大4万3200円分のポイントをつけると発表。するとKDDIソフトバンクも同じ内容で追随。逆に同じキャリアで機種変更する場合の下取り価格は、ソフトバンクが先行。最大3万2400円分の機種代金を割り引くという内容を発表するとauとドコモがほぼ同じ内容で追随。一方端末価格は、16GのiPhone6を他社から乗り換えて買う場合は、各社とも0円と横並び状態。自社からの機種変更についての価格はドコモが1万1664円、auとソフトバンクが1万4520円でドコモが若干お買い得。NTTドコモ・加藤薫社長は今後他社をみて価格を考えるかに対し「ある種競争の側面があるが、今は考えていない」とコメント(テレ東)。

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