テレビ報道に見る産業・経済月報(平成27年2月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成27年2月)

「14年10か月ぶり日経平均1万8500円・GDP・年率換算+2.2%・3期ぶりのプラス」「経常黒字過去最少・貿易赤字は過去最大」

 

今月の特徴は1.14年10か月ぶり日経平均1万8500円、2.GDP・年率換算+2.2%、3.経常収支黒字額過去最少、貿易赤字過去最大、4.賃上げの動き、5.エネルギー関連の動きとなった。

                                                                                                

1.14年10か月ぶり日経平均1万8500円

東京株式市場で日経平均株価は、取引時間中として約14年10か月ぶりに一時1万8500円を回復した(23日)。上昇の要因はギリシャの債務問題が沈静化したこと。EUがリシャへの金融支援を4か月間延長することで合意し、ギリシャの破綻による世界経済の混乱の不安がいったん遠のいたことで、株価は値上がりした。10~12月のGDPがプラス成長に転じたことで、「日本が景気後退局面を脱した」との見方が広がっていることも市場関係者の強気の姿勢を後押ししている。しかし個人消費をはじめ景気回復への足取りは重いのが実態で、期待だけが先行しているともいえる(TBS)。 

 

2.GDP・年率換算+2.2%

2014年10-12月のGDP成長率は物価変動を除く実質で3か月前に比べ0.6%のプラス。年率に換算して2.2%のプラスとなり3四半期ぶりにプラス成長に転じた。去年4月の消費増税後、初めてのプラス成長となる。甘利経済再生担当大臣は「12月期になると消費動向調査、街角のマインドもかなり上昇してきている」とコメント。年末にかけて増税に伴う駆け込み需要の反動減が一服し、スマートフォンやパソコンなどの販売が堅調で、個人消費は小幅ながら0.3%伸びた。また企業の設備投資も0.1%プラスとわずかながら増加。さらに円安を受け、米国や中国などへの輸出が好調で2.7%プラスと成長率全体を押し上げた。ただ民間エコノミストのGDP予測中央値が3.8%を下回り、依然として増税の影響が続いていることが鮮明になった(テレ東)。

 

3.経常収支黒字額過去最少、貿易赤字過去最大

財務省が発表した2014年の経常収支の黒字額は2兆6266億円と過去最少となった。経常黒字の減少は4年連続。貿易赤字が10兆3637億円と過去最大となったことが大きな要因で、自動車などを中心に輸出は増加したものの、LNG・液化天然ガスや半導体など電子部品の輸入が増加したことから赤字幅が拡大した。かつて稼ぎ頭だった貿易収支が大幅な赤字となる一方、海外からの配当収入などによって経常黒字を維持する日本経済の構図が鮮明になった。最近の原油安が定着すれば貿易収支の悪化には歯止めがかかりそうだが、生産年齢人口が減り続けるなか、構造の変化自体は止まらないとの指摘がある(テレ東)。

 

4.賃上げの動き

春闘の先行きに大きな影響を及ぼす自動車メーカーや大手電機メーカーの労働組合が経営側に要求書を提出し、労使交渉が本格化している。東芝は労働組合が経営側に要求書を提出。労働組合の代表は「組合員に報い、経済の好循環を確実にするためにも要求に対する会社の理解をお願いしたい」と述べた。ベースアップに相当する賃上げとして、代表的な職種の基本給を6000円引き上げるよう求めており、水準としては平成10年以来の高さで、去年の妥結額2000円を大きく上回り従業員からは期待の声が出ている。経営側は賃上げに前向きな姿勢だが、水準については慎重な構えを崩していない。東芝・牛尾文昭上席常務は会見で「経済の好循環に対して会社として貢献する観点、一方で固定費が増えてしまう観点、ある意味で二律背反。去年の2000円でも50億円のインパクト(人件費増)があった。6000円になれば3倍近い経営へのインパクトが生じる」と話した。労使交渉は来月半ばに山場を迎え、2年連続のベアが実現し賃上げの流れが定着するかが焦点(NHK)。日立製作所の労働組合は、東京都内の本社で月額6000円のベースアップ(基本給の引き上げ)を求める春闘の要求書を経営側に提出。パイオニアの労組もベア月額6000円の要求書を提出したほか、トヨタ自動車など自動車大手の労組もベア6000円を求めている。来月18日の集中回答日に向けて各社の労使交渉が続く(フジ)。

 

5.エネルギー関連の動き

原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物“核のゴミ”について、経済産業省は国が処分場の候補地に適した「有望地」を示すことなどを柱とした新基本方針案をまとめ、専門家会議において大筋で了承された。地質や地震、火山などの専門家で作る別の会議で、NUMO(原子力発電環境整備機構)が、「有望地」を絞り込むための新たな要件案を提示。約78万年前より新しい比較的やわらかい地層が地下深くに及ぶ地域や、約1万年前以降に火砕流などの影響を受けた地域を避けるとしている。作業の安全性を考え、地下深くの温度が45℃以下となる地域が好ましいとしている。専門家会議では、さらに議論を続けるとしている(NHK)。一方、東京証券取引所は、民間の資金を活用してインフラ整備の拡充につなげようと、太陽光発電など再生可能エネルギーの発電設備や、空港や鉄道・水道などの公共施設に投資するインフラファンド市場を、今年4月をめどに開設する。投資家から集めた資金でインフラ施設を運営し、収益を配分する。すでにインフラファンド市場は、米国やオーストラリア、タイなどでは整備されており、東証は、開設に向けた準備を進め、年内には初上場を目指したいとしている(NHK)。

 

 

●注目点                                                        

「スカイマーク支援の行方」

日空などを傘下に持つANAホールディングスは、民事再生手続き中のスカイマークに対して出資を含めた包括的な支援を表明。支援理由についてANAは「国内航空業界の健全化に貢献するため」としている。また、マレーシアの格安航空・エアアジアも支援に名乗りを上げた(テレ朝)。他にもスカイマーク支援には、「JAL」「エイチアイエス」「オリックス」「大和証券グループ本社」「新生銀行」など20社近くが名乗りを挙げている(TBS)。スカイマークは手元資金が約3億円に減少し、空港使用料などを支払うキャッシュ不足に陥っている。2月初めインテグラルが90億円の支援を表明したがそれも2、3か月しか持たないと言われている。経営が行き詰る要因となったのは、世界最大旅客機A380を6機購入契約したことで、引き渡し前に契約は破棄されエアバスから巨額の違約金を請求された。(フジ)。

 

 

●新潮流

「家電大手・テレビ事業からの撤退相次ぐ」

こにきて家電大手が相次いで海外のテレビ事業から撤退をしている。先週木曜日、東芝は3月に北米でのテレビの自社開発と販売からの撤退、4月以降にアジアからの撤退を発表。今後、半導体やインフラ事業にシフトしていく計画。パナソニックは、来年3月までに中国生産の撤退、メキシコ工場の売却を発表。これからは自動車や住宅分野にさらに力を入れていく。シャープは去年、欧州から撤退し海外生産を大幅に縮小する計画。これから先は省エネ型液晶のイグゾーに力を入れていく。ソニーは去年7月、テレビ事業を分社化しており北米で店舗縮小予定。今後はデジカメやスマートフォンなどに使われている画像センサーに約1050億円投資をする計画になっている。こうした動きの背景について第一生命経済研究所・永濱利廣主席エコノミストは「これまでの一般的な家電製品では利益が稼げなくなっている」ためと分析した。(テレ東)。

 

 

2月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・東日本旅客鉄道、第2位・西日本旅客鉄道、第3位・東京空港事務所」

月は、東京駅開業100周年Suicaの話題や北陸新幹線試乗会、新幹線輸出に関する話題、「トワイライトエクスプレス」「寝台特急・北斗星」「上野東京ライン試運転公開」など盛り沢山の話題によりCM換算価値89億1400万円で東日本旅客鉄道がトップの座に輝いた。第2位は、「トワイライトエクスプレス・後継は“瑞風”」などの報道で、西日本旅客鉄道が獲得した。第3位は、「“世界一きれい”羽田空港・清掃のプロ・深夜の格闘」などの報道で東京空港事務所となった。第4位は、「旅行代金20円・千葉房総探検ツアー」などの報道で三井不動産、第5位は、「湾岸超高層マンション・6社共同開発のわけは」などの報道で東急不動産ホールディングス、第6位は、「ドナルド映画の世界・東京ディズニーランド・キャラと会える新施設」などの報道でオリエンタルランドになった。第7位は、「ミッツが旬のイケメンと旬のスポットで真剣デート!」などの報道で東武鉄道、第8位は、「女子会で人気の専門店グルメを徹底調査!六本木ヒルズの日本酒専門店名物?の土手鍋」などの報道で森ビル、第9位は、「紅白コマ合戦~女性エンジニアVS熟練工~」などの報道でエクセディ、第10位は「“爆買い”中国人観光客・春節に新たな“商機”」などの報道で三越伊勢丹ホールディングスとなった。

 

 

2月の人物ランキング

「第1位・大塚家具・大塚勝久会長、第2位・大塚家具・大塚久美子社長、第3位・日銀・黒田東彦総裁」

第1位・大塚家具・大塚勝久会長146件(父vs娘・大塚家具でお家騒動!?など)、第2位・大塚家具・大塚久美子社長115件(大塚家具・父vs娘経営めぐる争いなど)、第3位・日銀・黒田東彦総裁62件(日本国債「将来的なリスク」黒田総裁“オフレコ発言”中身など)、第4位・日本郵政・西室泰三社長42件(戦後70年首相談話・有識者懇談会初会合など)、第5位・ホンダ・伊東孝紳社長32件(ホンダ・社長交代へなど)、第6位・東京電力・広瀬直己社長28件(福島第一原発・汚染水漏れ“隠し”など)、第7位・日本マクドナルドHD・サラカサノバ社長25件(日本マクドナルドHD・社長が会見ほか)、第8位・トヨタ・豊田章男社長9件(トヨタ燃料電池車「ミライ」が生産開始など)、第9位・経団連・榊原定征会長8件(経団連・初の女性役員に吉田晴乃を起用など)、第10位・ソフトバンク・孫正義社長7件(ソフトバンク「Pepper」一般向け発売・延期へなど)。

 

 

●テレビの窓

「民間企業と次々コラボURの戦略」

UR都市機構の虹ヶ丘団地は、リフォームして若者向けの内装に変えた部屋がある。特に変わったのは押入れでウォークインクローゼットのようになっている。キッチンや壁紙も若い世代を意識している。49平方メートルの2DKで家賃は7万9500円。親世代の近くに住む二世帯近居の需要なども狙っている。この住宅をコーディネートしたのは20、30代に人気の家具大手・イケア。URはイケアとのコラボを拡大し、50代が中心のURの団地に若い世代を呼びこもうとしている。またすでに全国に75万戸あるURの団地を活用し、親世代の住まいから2キロ圏内のUR団地に住む近居をすると、5年間家賃を5%割り引く制度を始めている。UR都市機構ストック活性化チーム・葉山泰三チームリーダーは「賃貸住宅で二世帯一緒に住めるのはなかなかない。同居より近居がいい場合、URはそういう場所を選んでもらうようにする」とコメントした(テレ東)。

 

JCC株式会社

 

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