テレビ報道に見る産業・経済月報(平成27年4月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成27年4月)

「日経平均株価2万円突破」「日銀短観・景気横ばい」

 

今月の特徴は1.日経平均・約15年ぶり2万円台に、2.日銀短観、3.円安の動向、4.エネルギー関連の動向となった。

                                                                                                

1.日経平均・約15年ぶり2万円台に

23日、日経平均株価の終値は20133.90円と、15年ぶりに2万円台を回復した。企業業績回復への期待感や、日銀の追加金融緩和が行われるとの思惑が広がり金融関連株が上昇したことが原因。3月の貿易収支は2293億円で2年9ヶ月ぶりの黒字。経団連・榊原定征会長はさらなる株価上昇に期待感を示した(テレ朝)。カブドットコム証券投資アナリスト・藤井明代は「2万2000~3000円くらいのせてもおかしくない」、武者リサーチ・武者陵司代表は「年内に2万5000円くらいまでいくと思う。たかだか2万円で驚くなんてとんでもない」とコメント。専門家は当面急落の恐れは少ないとしつつ、若干のスピード調整はありえるとしている(テレ東)。

 

2.日銀短観

日銀の短観(企業短期経済観測調査)が公表された。マイナスが大きいほど人手不足を感じている企業が多い。今回は全体で-17ポイント。前回よりマイナス幅は2ポイント拡大、約23年ぶりの水準。大企業、中小企業の製造業、非製造業いずれもマイナスで、業種や規模を問わず人手不足感が一段と強まっている。人手不足感の高まりは、働く人には賃金の引き上げにつながるが、中小企業などにとっては収益を圧迫する要因。今回の日銀短観では平成27年度の設備投資計画が発表され、前年度比で大企業製造業は5%増加、大企業非製造業は4.1%減少。企業の間で景気の先行きに対する慎重な見方が残っていることがうかがえる(NHK)。クレディスイス証券・チーフマーケットストラテジスト・市川眞一は日銀短観の結果について「厳しい数字だった。この3月の調査から2015年度の業績予想がでるが、大企業製造業で経常利益の増益率が1.2%、非製造業で横ばいということで、このところのマーケットは2015年度も2桁増益というところを見ながら動いてきたように見えるので、そういう点ではかなりショッキングな数字だった。企業側は米国経済であるとか、日本の消費税増税の影響が抜けた後に、実際需要はどの程度でるのかというところについていえば、まだまだかなり慎重に見ている。米国の経済指標と、消費税増税の影響が終わったあとの日本国内の個人消費が1つのポイントになる」とコメントした(テレ東)。

 

3.円安の動向

3月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2293億円の黒字。輸出は円安の追い風を受け、北米向け自動車や中国向け電子部品を中心に7カ月連続増加。輸入は原油安で輸入額が去年の半分に減った。さらに中国の春節休暇で輸入貨物の動きが鈍るなどしたため、黒字となった。去年4月からの1年間の貿易収支は9兆1343億円と4年連続赤字も、赤字幅は縮小(2013年度比)した(テレ朝)。モルガンスタンレーMUFG証券・ロバートAフェルドマンは「ここ数ヵ月続けて1ドル118円から120円の間だが、最近は欧州の金利が下がって、日本の金利が高いところがあり、これが円高要因。もう1つは貿易黒字。これも円高要因となる。円安だから株高という時代はもう終わった話。株式市場も実状を直視していかなくてはならない」とコメント(テレ東)。

 

4.エネルギー関連の動向

4月22日、鹿児島県川内原発を再稼働させないよう求めた仮処分の申し立てについて鹿児島地裁は申し立てを却下する決定をした。住民は地震や巨大噴火による重大事故のおそれを主張していたが、鹿児島地裁は「新しい規制基準に不合理な点は認められない」として退けた。その一方で14日、福井地裁は高浜原発の再稼働を認めない決定をしていて司法の判断が分かれている。こうした中、東京電力は2015年3月期の連結決算で経常利益が前年の2倍以上となる2080億円の黒字となったと発表した。経常黒字は2年連続。社内でコストの削減を進めたことや、原油価格の低下などで燃料費が減少したためとしている。2016年3月期の業績見通しは柏崎刈羽原発の再稼働時期が見えないため「未定」としている(TBS)。一方、経済産業省が2030年の電源構成案を公表し、原発の割合を20%から22%に低下させる一方、再生可能エネルギーは倍増を目指すと発表した(テレ朝)。期待を集める地熱発電だが、日本の地熱発電が進んでいない理由とされるのが地熱資源の8割が国立公園か国定公園の中にあり、景観などの規制で簡単には開発できないことがある。福島の事故後、地熱への期待は高まり規制緩和されるも、地域や市民の理解が課題になっている。最大の問題は政府のやる気(NHK)。

 

 

●注目点                                                        

「成田空港・LCC専用の第3ターミナルがオープン」

田空港でLCC(格安航空会社)専用の「第3ターミナル」がオープンした。ジェットスターバニラエア春秋航空日本チェジュ航空など5社が使用。LCC最大の魅力は「安さ」。建物の建設コストを抑え施設使用料を安く設定。しかし第3ターミナルには駅がないため最寄りの第2ターミナルから約700m徒歩かシャトルバスを使用しなくてはならない。そのため早朝便に備え寝泊まりする人のためソファが置いてありフードコートは24時間利用可能になっている。成田空港はなぜLCCに力を入れるのか。背景には羽田空港の存在がある。以前は国際線は成田、国内線は羽田と棲み分けがされていたが、羽田空港が2010年に国際ターミナルとしてオープン以来、国際線の強化に乗り出した。その後国内にLCCが誕生。それ以降成田空港の国内線発着回数は急激に増加。このほとんどがLCCによるものだという。成田国際空港株式会社・事業部門旅客ターミナル部・川瀬仁夫は「LCCが成田の弱かった国際線を強くした」という(日テレ)。

 

 

●新潮流

「ローソン・佐川急便と新会社設立・コンビニ商品宅配サービス実施へ」

ーソン佐川急便を傘下に持つSGホールディングスが提携しコンビニの商品を自宅に届けるサービス“SGローソン”の設立を発表した。商品を自宅に届ける際にコンビニの商品の注文も受ける。買い物に出かけにくい高齢者や共働き世帯の需要を取り込む狙い。FamilyMart食堂(東京・豊島区)。食堂と一体化することで新たな集客を狙う。ミニストップではその場でアルコールが飲めるバースタイルのコンビニをオープン。多様化するコンビニサービス、流通アナリスト・渡辺広明は「コンビニは飽和状態なので新しい戦略を打ち出さないと生き残れない」と話す(TBS)。セブンイレブンは、2000年からセブンミールという名前で宅配、御用聞きサービスを始めている。高齢者のみならず、小さな子どもを持つ若い母親などにニーズが高まり、毎年売上げは2倍ずつ伸びていて、今年度の目標は450億円。今回のローソンと佐川急便の提携について聞いてみると、セブンイレブンジャパン・鎌田靖常務執行役員は「正直に言って我々がずっと歴史的にやってきたこと」とコメント。セブンイレブンは今年10月から、これまでのものを進化させた新サービスを開始する。10年も前から言い続けてきたネットとリアル店舗の融合・オムニチャネル。そごう西武イトーヨーカドー赤ちゃん本舗など百貨店から専門店まで150社をグループに持つ強みを生かし、その中の商品300万アイテムを全国のコンビニで受け取れるようになるという。セブン&アイ・鈴木敏文会長は「世界で初めての形をやる。今年は記念する年になる」とコメントした(テレ東)。

 

 

4月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三井不動産、第2位・成田国際空港、第3位・オリエンタルランド」

月は、東京ミッドタウンやららぽーと富士見、ららぽーとTOKYO-BAYに「ふなっしーLAND」のオープン等に加えて東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーになったことが話題になり、三井不動産が37億7400万円で第1位に輝いた。第2位は、「成田空港に新玄関口・LCCターミナル始動“ローコスト”設計の工夫」などの報道で、成田国際空港が獲得した。第3位は、「“夢の国”に新エリア・アナ雪・アリス・美女と野獣」などの報道でオリエンタルランドとなった。第4位は、「東京メトロの販売店がローソンに」などの報道でローソン、第5位は、「ホンダ…『空』への挑戦!~独占取材!ジェット機開発の裏側~」などの報道でホンダ、第6位は、「アップルウォッチ発売・夜10時から並ぶ人も・大人の夢が叶う?」などの報道でアップル・ジャパンになった。第7位は、「金色車両が登場・“日光詣”の特別列車」などの報道で東武鉄道、第8位は、「北海の湾岸要塞・太平洋セメント上磯工場」などの報道で太平洋セメント、第9位は、「百貨店×商業施設・伊勢丹小型店で勝負!」などの報道で三越伊勢丹ホールディングス、第10位は「JAXAはやぶさ2・軌道修正成功」などの報道で宇宙航空研究開発機構となった。

 

 

4月の人物ランキング

「第1位・大塚家具・大塚久美子社長、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁、第3位・アップル・ティムクックCEO」

第1位・大塚家具・大塚久美子社長96件(“おわびセール”に客殺到・久美子社長が語った「本音」など)、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁64件(物価上昇2%目標・達成遅れるなど)、第3位・アップル・ティムクックCEO63件(日本郵政×IBMアップル・高齢者向け見守りサービスなど)、第4位・JA全中・萬歳章会長49件(JA全中・萬歳会長・突然の辞任表明など)、第5位・日本マクドナルドホールディングス・サラカサノバ社長47件(日本マクドナルド131店舗閉店へなど)、第6位・NHK・堂元光副会長40件(“やらせ問題”・NHK最終報告と処分を発表など)、第7位・アシアナ航空・山村明好副社長32件(アシアナ機事故副社長が謝罪など)、第8位・ローソン・玉塚元一社長16件(ローソンと佐川が業務提携など)、第9位・経団連・榊原定征会長15件(厚生労働省が経団連に要請・朝方勤務民間企業もなど)、第10位・シャープ・高橋興三社長10件(シャープ・本社売却も検討・液晶事業も分社化へなど)。

 

 

●テレビの窓

「商標権改正・色や音にも商標登録が可能に」

告や製品に使われる色や音なども商標として登録できる制度が今月から始まった。出願の件数がこれまでに500件を超えたことがわかり、企業の関心の高さを裏付ける形となった。特許庁は、一般に認知されているか審査し、登録を認めるか判断する。おもちゃのレールの青を出願したメーカーは、中国メーカーなどによる模倣品被害を防ぐのが狙い。おもちゃメーカー・新藤剛知的財産課長は「ブランドを商標権という実体的な権利で保護できる」と語った(NHK)。パソコンの起動音、携帯電話の着信音も対象で久光製薬もCMのサウンドロゴを商標登録した。欧米など40ヵ国以上で音商標として登録されている。久光製薬・堤信夫取締役法務部長は「商品やサービスを提供する上で五感を通じて伝達することができるのが魅力」とコメント。セブンイレブンジャパンでは3色の商標登録を今後行う予定。政府は「世界最高の知的財産立国を目指す」としており、そのために知的財産に関する制度の見直しを進めている。海外では“におい”も商標登録可能で、米国ではチェリーのにおいをつけた車のエンジンオイル、オーストラリアではユーカリのにおいをつけたゴルフのティーが認められている。“におい”の商標登録について日本の特許庁の担当者は「企業のニーズが十分ではなかったため今回は見送った。国際的な状況をみながら今後検討する」としている(TBS)。

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