テレビ報道に見る産業・経済月報(平成27年9月)

logo.gifテレビ情報のデータベース化、知識化、ネット情報の収集、多角的分析が現実世界を浮き彫りにします

印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |

JCCトップ > TV allcover free > 産業経済月報 > 産業経済月報2015-09

会社概要MAP採用プライバシーb-toiawa2.png

テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成27年9月)

「新三本の矢戦略を発表GDP600兆円達成掲げる」「日銀短観・3期ぶりに悪化」

 

今月の特徴は1.政府・新三本の矢戦略を発表、2.日銀短観、3.軽減税率の動き、4.米国利上げの動き、5.TPPの動きとなった。

                                                                                                

1.政府・新三本の矢戦略を発表

政府はこれまでの三本の矢(異次元の金融緩和、財政出動、成長戦略)に代わる新しい三本の矢(経済と子育て支援、社会保障)を打ち出した。安倍首相は「次の3年間。未来を見据えた新たな国造りを力強くすすめていきたい。アベノミクスは第2ステージへ移る。目指すは一億総活躍社会。これからも経済最優先でいく。GDP600兆円の達成を明確な目標と掲げたい」と会見で発言した。内閣府の試算では名目3%以上の成長が出来れば2020年には600兆円近いGDPを達成出来るとしている。しかしこの20年間に名目成長率3%を超えた年はなく、超えたのはバブル期までさかのぼることになる(テレ朝)。ソシエテジェネラル証券・島本幸治は「安倍首相が言っているのは名目GDPのこと。昨年から名目と実質は乖離してきている。名目は金額ベース、実質は数量ベース。名目はアベノミクスが始まってから底堅いが、実質は頭打ち状態。新製品が出てくるとか、家計がよくなるとかがポイントになるが、いまはタイムラグの過渡期で待つ必要もある。新興国が失速状態で、輸出が伸び悩んでいることが懸念される」と論評した(テレ東)。

 

2.日銀短観

日銀が10月1日に発表した短観・企業短期経済観測調査で代表的な指標となっている大企業の製造業の景気判断は前回のプラス15ポイントからプラス12ポイントへと3期ぶりに悪化し、中国など新興国経済の減速が企業の景気判断に影響を及ぼしている。先行きについても2ポイント悪化すると見込まれている。大企業の非製造業は個人消費が伸び悩んでいる中、外国人旅行者の消費が活発なことなどから前回を2ポイント上回ってプラス25ポイントとなりバブル経済直後の平成3年11月以来、約24年ぶりの高水準となった。国内の景気について日銀は好調な企業業績を背景に緩やかな回復が続いているとしているが、今回の短観は中国など新興国経済の減速が大企業の製造業の景気判断に影響を及ぼしていることを示している(NHK)。

 

3.軽減税率の動き

一般的な軽減税率を導入する予定だったが、対象品目の線引きが難しく、経済界からの反対という大きな壁があった。消費税は企業の預かり納税で、商品ごとに違う税率だと企業の負担が重過ぎる。日本型軽減税率の財務省案では企業にとってはよいが、消費者にとっては支払い時10%分の負担、個人番号カードの持ち歩き、パソコンなどの操作が必要で、パソコンがない人、足に不自由な人や子供に個人番号カードを渡してよいのか、自販機(自動販売機)での買い物や情報漏えいなどの問題がある。NHKの行った世論調査では反対が51%。公明党などからも反対の声が相次ぎ、従来の軽減税率の案も日本型軽減税率案と一緒に与党で検討することになった。今後自民党、公明党が協議していくことになる。(NHK)。

 

4.米国利上げの動き

米国のFRB・連邦準備制度理事会のイエレン議長が講演し、景気の改善によって年内の利上げが可能になるとし、改めて年内に利上げを始める意向を示した。FRBは先週の会合で、中国経済の減速を懸念して世界的に株価が急落したことなどを踏まえ、市場の焦点になっていたゼロ金利政策の解除はせず、利上げを見送った(NHK)。

5.TPPの動き

TPP・環太平洋パートナーシップ協定の閣僚会合が米国のアトランタで開始される。米国や日本は今回が「大筋合意出来る最後のチャンス」と位置づけており薬の特許を保護する期間などが交渉の焦点(TBS)。※10月5日に大筋妥結した。

 

 

●注目点

「日本生命・三井生命を子会社化・11年ぶり生保再編」

内で行った記者会見で日本生命は、三井生命の株式約85%を取得、来年3月末までに子会社化すると発表。買収額は3000億円規模とみられている。人口の減少を背景に保険の市場が縮小する中、日本生命は三井生命が展開する銀行窓口販売や三井系企業への団体保険などで販路を拡大し、国内市場の基盤を強化していく。売上高を示す保険料収入は業界2位の日本生命が15位の三井生命を買収することで、業界トップの座を第一生命から奪還することになる(3位:明治安田生命、4位:住友生命)。また、国内生保の大型再編は約11年ぶりとなる。ただ11月には日本郵政傘下のかんぽ生命保険が上場を予定していて、今後も業績で首位を維持できるかは不透明だ。日本生命・筒井義信社長は「グループで揺るぎない国内トップの存在感確立を目指す」とコメントし、さらなる買収を検討する考えを示唆した(NHK)。

 

 

●新潮流

「トヨタと米国名門2大学・人工知能研究で連携」

ヨタ自動車は人工知能の研究を加速させ自動運転などの実用化につなげようと米国・マサチューセッツ工科大学スタンフォード大学と共同で新研究センターを設立することになった。自動運転技術の実用化にはヒトの「脳」の役割を担う高性能人工知能の開発が欠かせないが、トヨタ自動車は今後5年間で総額60億円を投じ、2つの大学と共同で混雑した街中などでも歩行者や障害物などが認識できる技術や歩行者の動きを予測し衝突を避ける技術などの研究を行なっていく。トヨタ自動車・伊勢清貴専務役員は「人工知能は技術革新を支える原動力であり、自動車業界以外にも広く影響を及ぼすだろう」とコメントした(NHK)。

 

 

9月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・中部電力、第2位・三井不動産、第3位・東武鉄道」

月の、Good BrandのCM換算値はかなり低調な数字が目立った。その中で、中部電力東邦電力を設立した松永安左エ門を描いたNHKのドラマ番組などで24億2600万円を獲得し、第1位に輝いた。第2位は、「キッチンが移動するマンション・入居後も間取り変更が可能に」などの報道で三井不動産となった。第3位は、「6年ぶりのシルバーウイーク・貴重な連休・あなたはどこへ?」などの報道で、東武鉄道が獲得した。第4位は、「ユニクロ×ディズニー・上海で新プロジェクト」などの報道でファーストリテイリング、第5位は、「東京ディズニーシー“ハロウィーンイベント”主役は?」などの報道でオリエンタルランド、第6位は、「北海道新幹線3月26日開業へ」などの報道で東日本旅客鉄道になった。第7位は、「なぜ?まるで炊きたて冷凍飯・工場で見た!ふっくら製法」などの報道でニチレイ、第8位は、「冷凍チャーハン革命」などの報道で味の素、第9位は、「不正会計・揺れる東芝・監視委・検査を本格化」などの報道で東芝、第10位は「新型店舗ローソンポプラ・11月オープン」などの報道でローソンとなった。

 

 

9月の人物ランキング

「第1位・東芝・室町正志社長、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁、第3位・トヨタ自動車・豊田章男社長」

第1位・東芝・室町正志社長64件(東芝で臨時株主総会・批判や厳しい質問相次ぐなど)、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁41件(日銀の追加緩和など)、第3位・トヨタ自動車・豊田章男社長13件(新型プリウス・世界初公開など)、第4位・ねぎしフードサービス・根岸榮治社長10件(絶品牛たん&親切に熱狂・最強の外食・ついに登場!など)、第5位・崎陽軒・野並直社長7件(日本一売れる“驚異の駅弁”・市民熱狂!シウマイの秘密など)、第6位・三菱地所・杉山博孝社長7件(東京駅前に日本一高いビル誕生など)、第7位・ヤマハ・中田卓也社長6件(世界最大楽器メーカー・教室卒業生は500万人など)、第8位・NTTドコモ・加藤薫社長6件(新型アイフォン発売・携帯大手・三つどもえなど)、第9位・KDDI・田中孝司社長5件(新iPhone6発売のウラで“値下げ”めぐる発言で業界激震など)、第10位・JR東日本・冨田哲郎社長5件(JR東日本不審火“防犯カメラ増設検討”など)

 

 

●テレビの窓

「動画配信サービス・ネットフリックスが日本でサービス開始」

界で6500万人もの会員がいる米国の動画配信大手・ネットフリックスが、日本で動画配信サービスを開始した。ネットフリックスの最大の強みとされているお勧め機能の鍵は、利用者の視聴データだという。ネットフリックス・イェリン副社長は「最良のコンテンツを最適なタイミングで最適な利用者に届ける工夫をしている」と話した。配信作品には特徴を表す7万種類以上のキーワードを設置。利用者のキーワードがデータベースに蓄積され、独自に分析して、おすすめ番組を画面に表示していく仕組み。ネットフリックス・ヘイスティングス最高経営責任者は「利用者の行動を学習し、好みにあわせていく」と話した。日本でも動画配信サービスを始める動きが相次いでおり、ネット通販大手・アマゾンは有料会員向け動画配信サービスを開始する。TSUTAYAのネットサービス運営会社は、定額料金でレンタル開始から1年程度の新作以外が見放題になる。動画配信市場は(デジタルコンテンツ協会の試算)去年が1255億円、5年後は2020億円(1.6倍に拡大の見込み)。野村総合研究所・三宅洋一郎は、「将来日本でも動画をいつでもどこでも見られるのが当たり前になる」と指摘する(NHK)。

 

JCC株式会社

LinkIcon産業経済月報・最新版

TV All Cover

テレビット

TV All Cover (有償サービス)

Net News

System

All Channel Recorder

DataBase

Science&Technology

Reseach&Analysis