テレビ報道に見る産業・経済月報(平成27年11月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成27年11月)

「7-9月期実質GDP改定値・年率1.0%増に上方修正」「日銀追加金融緩和見送り」

 

今月の特徴は1.GDP改定値・年率1.0%増に上方修正、2.日銀・追加緩和見送り、3.フランス同時多発テロの影響、4.エネルギー関連の動きとなった。

                                                                                                

1.GDP改定値・年率1.0%増に上方修正

内閣府が発表した7月-9月期のGDP・国内総生産の改定値がプラス0.3%、年率プラス1.0%に転じた。年率マイナス0.8%だった速報値から大幅上方修正され、2四半期ぶりのプラス成長。設備投資がマイナス1.3%からプラス0.6%に上方修正されたことなどが要因だが、個人消費はプラス0.4%とわずかに下方修正された(12/8フジ)。

 

2.日銀・追加緩和見送り

日銀は金融政策決定会合で現状の金融政策を維持することを決め、追加緩和は見送った。景気判断についても据え置いた。今後の物価上昇率については「このところ弱めの指標もみられているが」との一文を追加したものの、「やや長い目でみれば上昇しているとみられる」との見方は変えなかった。日銀・黒田総裁は「決定会合ではマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う方針を維持することを賛成多数で決定した」と述べた(テレ東)。

 

3.フランス同時多発テロの影響

日銀の黒田東彦総裁は会見で、フランスのパリでおきた同時多発テロが経済に与える影響について現時点では「限定的」との認識を示した。テロ発生後もヨーロッパの株式市場で株価が上昇する場面もあり、経済の側面からは「平静を保っている」と分析したもの。一方「ヨーロッパの観光業などにどういう影響が出るかよく見ていく必要はある」と述べた。金融政策決定会合では、年間約80兆円ペースで資金供給する大規模な金融緩和策は維持した(日テレ)。

 

4.エネルギー関連の動き

福井県にある高浜原子力発電所について関西電力は、検査が遅れていることから年内の3号機の再稼働を断念し3号機は来年1月下旬、4号機は来年2月下旬に再稼働させるとの修正計画案を原子力規制委員会に提出した。高浜原発3・4号機は今年2月、原子力規制委員会の審査に合格し8月以降、再稼働に向け最終段階となる使用前検査を受けている。しかし高浜原発3・4号機は再稼働認めない仮処分の決定が覆らないかぎり再稼働できず、関西電力は示した計画が進むか見通せない状況(NHK)。

 

 

●注目点

「日本郵政グループ3社が上場」

れまで政府が日本郵政のすべての株を持ち、日本郵政が日本郵便ゆうちょ銀行かんぽ生命のすべての株を持つ構図だったが、今回、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命が上場。ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株は全て民間に、日本郵政の株は3分の1を超える分を政府に残して売られることになっている。上場すると、貯蓄から投資への流れが加速する。証券会社によっては口座開設数が去年の3倍になっているとのことでかつてのNTT上場を彷彿とさせる勢い。日本の個人金融資産は1700兆円(日本のGDPの3倍)。だが、投資には10%程度しか回っていない。銀行に眠っている預金を投資に回させたいというのが国の思惑。NISA(少額投資非課税制度)も貯蓄から投資への流れを作る国の思惑がある。ただし、制約の多いゆうちょ銀行、かんぽ生命が業績を伸ばせなければ低迷する可能性がある。今後貯蓄から投資へという課題が実現できるかは郵政グループの経営手腕にかかっている(日テレ)。

 

 

●新潮流

「国産初の旅客機MRJが初飛行」「H2A初の商業衛星打ち上げ」

菱航空機が開発を進めている半世紀ぶりの国産旅客機・MRJが11日初の試験飛行を行った。MRJの部品の約3割は国産メーカーが製造。緊急時の着陸に備えるため試験飛行ではタイヤを出したまま飛行した。政治ジャーナリスト・後藤謙次は「経済産業省の幹部に聞くと『失敗しなくて良かった』というのが第一声で4年も開発が遅れており、後発のブラジルの飛行機会社などがどんどん迫ってきている。シェア全体は5000機らしいのだが、MRJはそのうちの数百機を受注している。ただ、1500機ぐらい受注しないと採算には合わない。これからは営業力が試される。飛行機の部品数は300万点(自動車は3万点)なので、これが成功すれば裾野が広い産業が日本にできる」とコメントした(テレ朝)。一方、三菱重工業はこれまで国やJAXAの衛星や探査機を打ち上げてきたが、今回初めて海外の民間企業から受注し商業目的の衛星を打ち上げた。打ち上げを依頼したのはカナダのテレサット社。今回のロケットは長時間飛行できるようになったため、約4時間半かけて衛星を軌道の近くまで運ぶ。軌道に乗るまでの燃料を節約でき、その分寿命が延びるのが利点。商業衛星は2013年までの4年間に60回打ち上げられ、ロシア29回、ヨーロッパ19回とこの2つが約8割を占め日本は出遅れていた。日本のH2Aロケットの打ち上げ費用は約100億円、海外平均は約70億円。今後はいかにコストを抑えるかが課題になる(日テレ)。

 

 

11月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三菱重工、第2位・宇宙航空研究開発機構、第3位・三井不動産」

11月は、国産ジェット旅客機「MRJの初飛行」や「H2Aロケットの打ち上げ」などの話題で三菱重工が74億1000万円で第1位に輝いた。第2位は「H2Aロケット・打ち上げ成功」などの報道で宇宙航空研究開発機構になった。第3位は、「横浜“傾きマンション”・三井不動産が初めて謝罪」などの報道で、三井不動産が獲得した。第4位は、「不動産ビジネスの秘密・日本郵政の隠れた宝」などの報道で、日本郵政、第5位は、「13年ぶり・JR山手線が新型車両に」などの報道で東日本旅客鉄道、第6位は、「民営化の“総仕上げ”“郵政3社”が同時に上場」などの報道でかんぽ生命になった。第7位は、「上場・郵政3社好スタート」などの報道で、ゆうちょ銀行、第8位は、「ディズニー×一流写真家・誰も見たことのない風景」などの報道でオリエンタルランド、第9位は、「コンビニ店舗数生かして…ローソンが銀行参入を検討」などの報道でローソン、第10位は「成田空港SP・ニッポン“水際”ファイターズ」などの報道で成田国際空港となった。

 

 

11月の人物ランキング

「第1位・日本郵政・西室泰三社長、第2位・三菱航空機・森本浩通社長、第3位・トヨタ自動車・豊田章男社長」

第1位・日本郵政・西室泰三社長34件(日本郵政と子会社2社・東証一部に上場など)、第2位・三菱航空機・森本浩通社長19件(国産初のジェット旅客機・MRJが秘めた技術など)、第3位・トヨタ自動車・豊田章男社長19件(自動走行・ドローン配送・必要な規制改革指示へなど)、第4位・ソフトバンク・孫正義社長12件(ソフトバンク優勝パレード・工藤監督が新たな目標など)、第5位・経団連・榊原定征会長11件(経団連就活2ヶ月前倒し・1年で方針を転換など)、第6位・成城石井・原昭彦社長9件(成城石井の地方戦略・次なる一手は?など)、第7位・ファーストリテイリング・柳井正会長兼社長9件(フランステロ・日本企業にも影響など) 、第8位・東芝・室町正志社長9件(東芝900億円営業赤字・6年ぶり…POS不振響くなど)、第9位・タカタ・高田重久会長兼社長9 (エアバッグ欠陥問題・タカタ制裁金85億円支払いへなど)、第10位・日本銀行・黒田東彦総裁8件(日本経済はプラス?マイナス?など)。

 

 

●テレビの窓

「“ネット”か“店舗”か・消費者取り込む戦略は」

ット通販市場が去年12兆7900億円に急増。デパート販売員がカメラ機能がついたメガネ型端末を着け、(ネットの)客にデパートで買い物をしているかのような体験をしてもらう実験的サービス。ネット通販業界ではスピードを競う動きも。アマゾンは、1時間以内に商品を配送するサービスを東京の一部の地域で開始。住宅街に物流拠点を整備。楽天は都内の一部で最短20分で、イトーヨーカ堂は4時間程度で生鮮食品などを配送するサービスを展開。一方、ネット通販で雑貨などを取り扱っている業者が店舗をオープンさせた。閉店した店舗を復活させる動きもある。5年前HMV渋谷は閉店したが、おととい装いも新たに再オープンした(NHK)。

 

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