テレビ報道に見る産業・経済月報(平成28年1月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成28年1月)

「日銀・日本の金融史上初のマイナス金利導入」

 

今月の特徴は1.日銀の動き、2.中国の動き、3.原油の動きとなった。

                                                                                                

1.日銀の動き

中国経済失速や原油安の影響を踏まえ、日銀は追加緩和策として日本の金融史上初のマイナス金利を導入すると発表した。日銀・黒田総裁は「必要な時点までマイナス金利付き量的質的金融緩和を継続する」と述べ、原油安や中国経済の減速などのリスクに対処するための措置であると強調、必要であればさらに金利を下げる用意があると明らかにした。マイナス金利は民間の金融機関から預かる日銀の当座預金の一部の金利をマイナスに引き下げるというもの。また、日銀は2%物価上昇の目標達成時期を2017年度前半ごろに繰り下げることを決めた(日テレ)。一方12月に、ゼロ金利政策を解除した米国・FRBは原油価格や株価の下落など不安定な動きが続いていることを踏まえ、今回は追加の利上げを見送ることを決めた。焦点となっていた今後の利上げペースについては「経済情勢をみて判断する」と表現するにとどめ、次回3月に追加利上げの可能性を残した(TBS)。

 

2.中国の動き

中国の国家統計局が19日に発表した、去年10月~12月までの第4四半期のGDP(国内総生産)の伸び率は、前の年の同じ時期に比べて6.8%のプラスにとどまり、第3四半期に続いて7%を割り込んだ。この結果、中国の去年1年間のGDPの伸び率は前の年に比べて6.9%のプラスと、一昨年から0.4ポイント下がって25年ぶりの低い水準となり、中国経済の減速が一段と鮮明になった(NHK)。中国製造業のPMIが予想を下回ったことが世界同時株安の一因となっている。これについて英国・マークイットのチーフエコノミスト・ウィリアムソンは「中国経済、特に、昨年後半に中国の製造業が急速に減速していることを表しており、中国経済がハードランディングするのではないかとの不安をもたらしている。2015年の中国GDP成長率は6.9%で、われわれの調査結果とそう違いはない。減速懸念もあるが、6%、7%の成長というのは5年前の2桁成長と同じ意味合い。重要なのはここからどうなっていくか。2016年は中国経済の正念場になる。中国は経済構造の転換を図ろうとしているが、それが早くできるかが成長の鍵で、製造業からサービス業へのシフトをこの1~2年でやらなければならない。財政出動、減税措置の可能性もある」と分析した(テレ東)。

 

3.原油の動き

財務省の発表によると輸出から輸入を差し引いた去年1年間の日本の貿易収支は2兆8322億円の赤字となり、5年連続の赤字となった。しかし原油安の影響で輸入額が減ったことから過去最大の赤字だった一昨年と比べると赤字幅は大幅に縮小した(NHK)。原油安を受けてガス料金は電力大手10社とガス4社の料金が2月分に続いて3月分も値下がりする見通しで、全日本空輸日本航空では4月以降に発券する航空券で燃油サーチャージが6年7ヶ月ぶりにゼロになる可能性が高まっている。全国いか釣り漁業協会の専務理事は「1回で使う重油代が2割下がった」とコメントしている。ただ、いいことばかりではない。原油安は世界同時株安につながっていると言われており、原油生産量2位のサウジアラビア、3位のロシアではすでに国内の景気が悪化し始めている。産油国ではこれまで巨額のオイルマネーを使って株を買ってきたが、その株を売って資金を回収している動きが起きていて、そのことにより世界同時株安が起きている。さらに原油安は円高を引き起こす可能性もある(TBS)。

 

 

●注目点

「2016年新年祝賀パーティー・大企業トップに聞いた」

済3団体の新年祝賀パーティーが開かれ、日本を代表する企業のトップが今年の景気の見通しを語った。参院選を控え、政府の経済対策への期待感から、日経平均株価はほとんどの経営者が2万円~2万3500円まで上昇すると回答。一方で、中国など海外経済への懸念から設備投資に対しては慎重意見も出てきている。野村證券・永井浩二社長は「夏に選挙があるのでその前くらいには株価対策が出てくると期待されている」、三井物産・安永竜夫社長は「参院選に向けて期待感も込めて株価は上がるのではないかと思うが海外の要因が不安定要因にはなる」、JXホールディングス・木村康会長は「事業に対する設備投資となると、もう一回収益が安定した段階で考えざるを得ない」とコメントした(テレ朝)。新日鉄住金・進藤孝生社長は「国内は非常にいい。消費税が来年の4月に上がるので駆け込み需要は出てくる。自動車や住宅は出ると思う」とコメントした(NHK)。また賃上げについてはベースアップに慎重な意見が目立った。日産自動車・志賀俊之副会長は「ベースアップでの賃上げは生産性を上げてでしかできない」、三菱重工業・宮永俊一社長は「ポジティブな志向になるような(従業員に対する)報い方を一生懸命考えたい」とコメントした(テレ朝)。

 

 

●新潮流

「電力自由化で…新規参入続々」

由化で生まれる8兆円市場をめぐり現在119社が新規参入を表明している。消費者にとっては電力の小売自由化で選択肢が増えることになる。価格だけでなく何から作られた電気かで自分で選べるようにもなる。こうした中、ソフトバンク・宮内謙社長が電力の小売り自由化に向けた4月からの料金プランを発表。売りは東京電力と提携した電気と通信のセット割。大手電力会社や発電会社から電力を調達するなどし、既存の送電網を通じて家庭に電力を販売する仕組みで続々とユニークな料金プランを発表している。HISでは旅行と一緒に申し込むと料金代金が割引になるキャンペーン。東急電鉄グループは東急線の定期券購入とセットで割引になるプランを検討中(TBS)。コンビニ大手などはポイントがつくブランを検討。鉄道会社はポイントに加え定期券がお得に購入できるセットを検討。東京ガスは電気とガスをセットで契約すると一般家庭で年間4000~5000円お得になる(テレ朝)。

 

 

1月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三井不動産、第2位・オリエンタルランド、第3位・東京電力」

月のテレビ報道のCM換算値第1位には三井不動産が、54億9700万円で輝いた。その具体的な内容は「三井アウトレット木更津の新春セール」や各「ららぽーと」でのイベント開催の紹介であった。第2位は「イベント効果で冬場に集客」などの報道でオリエンタルランドになった。第3位は、「東京ガスvs東京電力・130年に渡る戦いの歴史とは」などの報道で、東京電力が獲得した。第4位は、「経団連“去年上回る賃上げを”春闘が事実上スタート」などの報道で、日本経済団体連合会、第5位は、「世界初!ロボットだけで接客するPepperだらけの携帯ショップ・期間限定でオープン」などの報道でソフトバンク、第6位は、「低気圧発達・通勤ラッシュを直撃・駅に入れない理由は」などの報道で京王電鉄になった。第7位は、「JR東日本が“TRAINSUITE四季島を投入”」などの報道で、東日本旅客鉄道、第8位は、「ラグビートップリーグLIXIL CUP2016・決勝戦」などの報道でLIXILグループ、第9位は、「東京ガス・4月の電力小売り参入に向け追加値下げ検討」などの報道で東京ガス、第10位は「気仙沼発サメ肉料理・ローソンでも発売」などの報道でローソンとなった。

1月の人物ランキング

「第1位・日本銀行・黒田東彦総裁、第2位・経団連・榊原定征会長、第3位・ローソン・玉塚元一社長」

第1位・日本銀行・黒田東彦総裁115件(日銀初のマイナス金利・果たして効果は?など)、第2位・経団連・榊原定征会長59件(“春闘”スタート・不透明な景気・賃上げムードに異変?など)、第3位・ローソン・玉塚元一社長27件(4月から電力小売り“自由化”・何で選ぶ?課題は?など)、第4位・トヨタ自動車・豊田章男社長27件(トヨタがダイハツを完全子会社化など)、第5位・トリホールディングス・似鳥昭雄社長20件(ニトリHD社長交代・創業者似鳥社長は会長へなど)、第6位・野村ホールディングス・永井浩二CEO19件(ことしの景気は?私たちの給料は?など)、第7位・ベネッセホールディングス・原田泳幸会長兼社長17件(スゴイ社長が大予想!今年末の日経平均は?など)、第8位・サントリーホールディングス・新浪剛史社長16件(企業トップが予想・2016年の景気など)、第9位・セブン&アイホールディングス・鈴木敏文会長14件(大企業トップ・今年の景気は?など)、第10位・みずほフィナンシャルグループ・佐藤康博社長11件(今年の景気・企業トップに聞く・株価は?成長のカギは?など)。

 

 

●テレビの窓

「世界最大規級のウェアラブル展示会・異業種の参入が増加」

界最大規模となるウェアラブル端末の展示会が東京・江東区の東京ビッグサイトで始まった。ことしは繊維や空調機メーカーなど異業種からの参入が増えている。「着るセメダイン」(セメダイン)は導電性ペーストを塗るだけで布のしなやかさを損なうことなしに電気回路を作成、導電性ペースト技術を医療や介護分野に応用していきたい考え。「布製ヒーターHOTOPIA」(二機コンシス)は伸縮性ある金属繊維を使用し小型バッテリーでヒーター機能を搭載している。「小型プロジェクター内蔵多機能ウェア」(シャープ)は携帯型プロジェクターで離れた場所の撮影をリアルタイムで確認できる(テレ朝)。

 

 

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