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『第3の目』
ドキュメント・アナライザー による分析

「値上げラッシュ」問題の軌跡を検証

(調査内容)
1、 6月1日から10月18日までの報道番組の局別総時間(日別)
2、 6月1日から10月18日までの「値上げラッシュ」に関するテレビ報道の局別総回数(日別)
3、 6月1日から10月18日までの「値上げラッシュ」に関するテレビ報道の局別総時間(日別)
4、 報道内容の変極点の考察
5、 この問題についての各局の報道姿勢
6、 放送局・月毎の放送回数と放送時間
7、 まとめ

(調査レポート)
1から3までの項目は表とグラフで添付する。

4、報道内容の変極点の考察

以下に変極点とその報道要約を列挙する。


① 【ガソリン値上げ・レギュラー価格140円台】
新日本石油・3.7円UP、ジャパンエナジー・2.5円UP。
【今日から値上げの商品・税】
マヨネーズが卸値を1割値上げ。オレンジジュース・鯨肉も値上げ。住民税も値上げ。
【値上げの6月】
キユーピーがマヨネーズを1割り値上げ、製紙大手各社はティッシュペーパーやトイレットペーパーの値上げを予定、またガソリン価格は元売り各社が卸売価格を引き上げ1リットル140円台まで上がる可能性が出ている。
【食品の値上げ相次ぐ】
6月となった今日から、マヨネーズなど食品の値上げが相次いでいる。キユーピーはマヨネーズを約10パーセント、カロリーオフタイプは約6パーセントの値上げ。味の素もマヨネーズを値上げ。UCCは7月1日より卸売価格を100グラム当たり30円値上げ。ガソリンも、1リットル当たり2~3円程度値上げ。
【輸入農産物価格高騰の影響・じわり食卓に】
キユーピーは今日出荷分からマヨネーズを17年ぶりに値上げする。味の素も来月から値上げする。日清オイリオグループなどは4月から先月にかけて食用油の値上げを表明している。ドレッシングやマーガリンは価格据え置き。
【「活ガニ禁輸」価格状況を注視】
ロシア政府は水産資源保護と密漁対策のため活ガニを輸出禁止と発表。農林水産省によると平成17年のロシアからの輸入は7万5000トンで国内の約6割を占めている。輸出禁止で品薄になると見越し国内流通価格の一部が値上がりしている。(6月1日)

② 【「エタノールサミット」開幕】
会議では、ブラジルのアレンカル副大統領が、エタノールの国際的な取引市場を整備するために各国と協力していきたい」と述べ、世界的な普及に力を入れる考えを示した。バイオエタノールは、原料のとうもろこしの急激な値上がりを招くなど問題点も指摘されており、米国やブラジルが生産の拡大と食料の確保をどう両立させていくかが大きな課題となる。
【食料高騰!異常事態の真相】
今年1月、米国のブッシュ大統領がバイオエタノールの生産量を増やす方針を発表。日本ではマヨネーズ最大手のキユーピーが、マヨネーズを約10%値上げし、100%のオレンジジュースなど果汁飲料の値段も上昇している。(6月4日、5日)

③ 【衝撃「ユーロ高」輸入品は泣き笑い】
東京都中央区・三越銀座店では、4月から輸入ワインを10~20%値上げ。東京都豊島区池袋・創美では割引率が10%アップで実質値上げに。バカラのグラスは1万80円から1万1760円・マイセンのティーカップは2万2050円から2万5725円・ロイヤルコペンハーゲンのアイスクリームディッシュは257万2500円から294万円。東京都港区・新橋キムラヤ本店はディスカウント価格で高級ブランド品を販売。商品の大半は海外直営店からの仕入れ。店頭の商品は仕入れ取引は数ヶ月以上前で当時の為替レート換算で値付け。キムラヤの売り上げは年間約310億円で半分以上が輸入品。
【集合住宅向け光ファイバーのインターネット接続料金の値上げの動き】
容量の大きいデータ通信増加に対する設備増強で、NTTコミュニケーションズはマンション向け光ファイバーのネット接続料金を9月から最大7%アップ引き上げの見通し。ニフティは先月より10%前後アップ。(6月7日、9日)

④ 【大手鉄鋼会社とトヨタが鋼板値上げに大筋合意】
世界的な鉄鋼需要の高まりや鉄鉱石や亜鉛などの原材料価格の高騰を受け国内の鉄鋼メーカー大手は、取引先となっている自動車メーカー各社に自動車用の鋼板の値上げを求め交渉。その結果新日鉄とJFEスチールはトヨタ自動車との間で値上げすることで大筋合意。今回の値上げ合意で他の自動車メーカーとの価格交渉にも影響を与えるほか、自動車メーカーにとっては収益の圧迫要因なる見通し。
【キリンVSアサヒ・今年の戦略は?】
大手二社はシェア争いを続けている。今年は例年にない販売戦略を取っている。キリンはTHE・GOLDを発売、第三のビールでは「のどごし生」に続く新商品を発売した。アサヒはスーパードライが20周年と言う節目を迎え主力商品に更なる磨きをかける戦略を取っている。両社とも販促費は1000億円を超える予定。原材料高が両社を圧迫している。アルミニウムやダンボールの値上げ要請でコストが膨らんでいる。麦芽や糖類の価格も高騰。
【円安・輸入品が値上がり】
フランス産・イタリア産のワインが大幅に値上がりしている。チーズも値上げしている。ヨーロッパ産の洋服・かばん・アクセサリーも値上がりしている。ユーロは円に対して13%も値上がり、米国ドル、英国ポンドも値上がり、世界的に円安が進んでいる。外国人観光客向けツアーの売り上げは4割増。円安はこの20年間で最も安い水準となっている。
【森永乳業・家庭用粉乳値上げ】
森永スキムミルクを希望小売価格300円から350円に値上げすると発表した。
【都会で高いマクドナルド】
マクドナルドは東京・大阪など4都府県の約1250店舗を値上げし、宮城・福島など5県の約135店舗の値下げを実施。値上げ幅は平均3~5%で値下幅は1~2%に。(6月19日、20日)

⑤ 【味の素・マヨネーズ値上げ】
キユーピーについで2位の味の素もきょうからマヨネーズを値上げする事になった。「ピュアセレクトマヨネーズ」の出荷価格が約10%上昇する。
【相次ぐホテル料金値上げ】
大阪府大阪市北区・リーガロイヤルホテルが34年ぶりにメーンロビーを全面改装。現在、大阪のシティホテルは改装ラッシュ。改装前と比較すると「リンガーロイヤルホテル・25%値上げ」「グランヴィア大阪・20%値上げ」「ホテル日航大阪・10~15%値上げ」■東京でも「ニューオータニ東京・10%値上げ」「帝国ホテル・10%前後値上げ」「京王プラザ・2.2%値上げ」。
【食糧価格世界的値上がり】
OECDとFAOが発表した報告書によると、温室効果ガスの削減を目指す各国の取り組みを背景に、トウモロコシやサトウキビを材料としたバイオ燃料の需要が急速に拡大している。米国やブラジルなどでは10年間でバイオ原料に使う穀物の量が倍増の見通し。その結果、食糧用の穀物の量が減り、価格が高騰、畜産物や乳製品の価格にも影響すると見られる。OECDなどは、日本など食糧を輸入に依存する国や発展途上国などがもっとも深刻な影響を受けると分析している。
【日本ハム・加工食品値上げ】
食肉最大手・日本ハムは9月1日からハム・ソーセージなど加工食品を平均10%程度値上げすると発表した。原材料の外国産豚肉のほか鶏肉やチーズなどの価格も高騰しているため。
【段ボール、相次ぎ値上げ】
レンゴー9月に原紙価格15%値上げ。値上げの理由は主原料である段ボール古紙の高騰。出遅れている紙パルプ業界に注目。野村証券・品田民治のスタジオコメント。
【食卓から魚が消える・日本を取り巻く異変】
日本が輸入に頼る魚介類は約40%に上る。東京海洋大学・田中栄次准教授コメント。がってん寿司・新宿西落合店映像。寿司店でサーモンなど回転すしの値上げが相次いでいる。がってん寿司新宿西落合店・大庭康治副店長コメント。近年、魚の価格が急上昇している。マルハ水産第二部・八幡浩史主任コメント。海外の国が魚を高く買占め日本が買えなくなってしまう状況の買い負けが起こっているという。中国、ロシアなどで魚の需要が増えているという。食用魚介類供給量の推移紹介。スーパーもちづき・住本英司コメント。日本人の魚離れも進んでいるという。
【価格改定・値上げ分どこへ】
1日からプラスチック樹脂のメーカー三菱化学(東京港区)は、出荷価格を1kgあたり15円(7~15%)引き上げた。原因は原油価格が1バレルあたり72ドルの5倍に高騰したことにある。広範囲のプラスチック製品に影響を与えている。このほかにもマヨネーズ、コーヒー、食用油、印刷用紙、焼酎などのメーカーが値上げした。しかし小売の実態は上がるどころか、値下げしているのである。その差額は一体どこが負担しているのか。卸協会(東京中央区)に聞いてみた。協会が3月メーカー約70社にアンケート調査をしたところ、8割のメーカーが価格を維持できず苦慮している実態が明らかになった。トラック運送業界は事業者が高騰する燃料費を運賃に転嫁できずに苦慮し、6割が赤字。この実態が続くとどうなるのか。(7月6日、7日)

⑥ 【原油価格上昇・あれもこれも価格上昇で家計ピンチ】
原油高騰・穀物価格上昇による家計への影響を紹介。マヨネーズ、お菓子類(大福、羊羹)、揚げ物、ハム・ソーセージ、ツナ缶、輸入ワイン、シャンパン、肉、乳製品も値上げされる。原油、穀物(とうもろこし)の価格上昇が、ハム・ソーセージ、コーヒー、オレンジジュース、うどんの価格に影響する。シリアル製品、芋焼酎(ビン)も値上げ。ガソリンスタンド、レギュラーガソリン1リットルあたりの価格の推移(財団法人・日本エネルギー経済研究所・石油情報センター調べ)、キユーピーハーフ、味の素・ピュアセレクト、日本ハム製品、シーチキン製品の映像。
【今年の夏は値上げラッシュ】
食品や日用品などで値上げラッシュが心配されている。野菜は、きゅうり、なす、レタスなどが天候不順によりの値上がり。また原油価格の高騰により、ビニールハウスを暖める暖房の石油代が例年より高いなど。レギュラーガソリンについても、1リットル全国平均141円を超え、今年の最高値を記録。JOMOのガソリンスタンド従業員のコメント。ほかにも酒、クリーニング店、納豆も値上げ。青果店の店主、梨農園の人、プチトマト農家の人、ガソリンスタンド、酒屋、クリーニング店のコメント。東京の日照時間の紹介。値上げの決まった商品の紹介、マヨネーズ、ガソリン、ハム、紙オムツ、生理用品、欧州産ワイン、チーズ、ティッシュペーパー(一部メーカーの値上げを含む)(7月25日)

⑦ 【生活必需品で相次ぐ値上がり】
27日発表された6月の消費者物価指数が発表され、5ヶ月連続マイナスとなっている。都内のスーパーでは、マヨネーズが313円から335円、果汁100%ジュースが368円から473円、8月からはカツオ缶詰が271円から292円に値上げされる予定。メーカーが希望小売価格を上げていることから店頭価格を上げざる終えない。キリン・トロピカーナの工場では500mL以上で約10%の値上げとなる。理由の一つはオレンジ果汁の価格高騰、ニューヨーク先物市場ではオレンジ果汁が2005年から3倍の価格になっている。ブラジルでオレンジ畑をバイオエタノール原料のさとうきび畑に作り変える動きが急増。外食産業ではこだわりの食材を増やし値上げに踏み切る居酒屋もある。モノの値段が上がっているのになぜ消費者物価指数は下がるのか、原因はデジタル家電は激しい販売競争で消費者物価指数上は大幅に値下がりしている。薄型テレビは24.3%、デジタルカメラ31.5%のマイナスとなっている。世界需要拡大でマヨネーズ8.5%、ハム3.1%、ソーセージ3.3%、コーヒー豆2.9%の上昇。原油高騰でガソリン2.4%、クリーニング代0.7%の上昇。円安でチーズ2.5%、ハンドバッグ2.2%、ぶどう酒1.1%の上昇。シーチキン、キユーピーマヨネーズピュアセレクト、寄せ豆腐、イベリコ豚ギョーザ、AQUOS、Wooo、VIERA、LUMIXの映像。(7月27日)

⑧ 【電気・都市ガス料金値上】
値上げする会社紹介と内容。東京電力1ヶ月あたり73円。東京ガス38円の値上げ。
【ガソリンさらに値上げ】
石油元売各社が1リットルあたり3円から5円引き上げることにより、ガソリン1リットル・145円程度に値上げ。背景に米国・ニューヨーク原油先物市場で市場最高値を更新したことなどがある。
【ガソリン価格・また上昇へ】
原油相場は7月31日、ニューヨークで最高値を更新するなど、高騰が続いているが、国内の石油元売り各社は1日ガソリンの卸価格を一斉に引き上げた。新日本石油、ジャパンエナジー、昭和シェル石油など、1リッターあたり3から5円引き上げた。ガソリンスタンドで、小売価格の変化が進めば統計開始以来、最も高い144円10銭を超える可能性もある。(7月31日、8月1日)

⑨ 【ガソリン・最高値更新】
石油情報センターによると、今週のレギュラーガソリンの小売価格145円40銭と先週から30銭値上がりし、最高値を更新した。一方、日本航空は、燃料価格が上昇していることから、国際線の運賃を、今年10月1日に販売する分から、最大1500円値上げすることを決めた。主な路線の値上げ額を紹介。全日空も国際線の値上げを検討している。
【ガソリン価格また最高値更新】
石油情報センターによると、今週のレギュラーガソリンの小売価格145円40銭と先週から30銭値上がりし、最高値更新した。(8月16日)

⑩ 【輸入小麦・10%価格上昇・豪の干ばつ原因】
農林水産省は海外相場の急激な値上がりを受け、輸入小麦の政府売り渡し価格を10月から10%値上げすると発表。1tあたり4,840円アップ。急騰の原因はオーストラリアの旱魃、バイオ燃料としての穀物需要増など。
【輸入小麦・10%値上げの波紋】
農林水産省は輸入小麦の価格を10月から10%値上げすることを発表した。100年ぶりのオーストラリアの大干ばつによる影響で小麦不足と価格の高騰を生み出した。パンやうどんも値上げする可能性も。(8月24日)

⑪ 【日清食品、すかいらーく、のきなみ値上げ】
日清食品はチキンラーメンやカップヌードルなどほぼ全ての商品の価格を来年1月出荷分から7%から11%値上げすると発表した。(その他の商品・日清の出前一丁、日清のどん兵衛、日清焼きそばUFO、生タイプめん・ごんぶと)小麦、原油の高騰が原因である。すかいらーくもガスト、バーミヤンなど主要レストランで値上げする。
【食値上げの波】
日清食品はカップめんを17年ぶりに値上げ、マルちゃんも追随し、すかいらーくも値上げする。中国の旺盛な食欲で小麦の価格が上がっている。ポッキーも10%減量される。
【価格高騰・日清・グリコ商品も】
江崎グリコ・ポッキー、ロッテ・ガーナチョコレート、明治製菓・アーモンドチョコ、森永製菓・チョコフレークの量が減る他、日清食品の即席めんも値上。チキンラーメンの紹介。ファミリーレストラン・すかいらーくグループも値上。原因はバイオ燃料生産増や中国、インドなどでの食料需要増など。すかいらーくグループ・ガストの映像。(9月6日,7日)

⑫ 【国産豚枝肉・卸値10%高】
夏の猛暑により豚の食欲が落ち、出荷に適した体重に届かなかったため、東京都中央卸売市場では、国産豚枝肉の卸値が1キロ当たり583円と平成18年に比べ1割高くなった。今後も豚肉の価格上昇が見込まれるとして大手のハム・ソーセージメーカーは相次いで加工食品の値上げに踏み切っており、日本ハム、伊藤ハムに続いて丸大食品が10月下旬にも平均1割値上げするとしている。(9月14日)

⑬ 【食卓の常連・値上げ相次ぐ】
小麦など原料価格の高騰を受け、加工食品の値上げが相次いでいる。カレールー最大手のハウス食品は「バーモントカレー」などを11月から10パーセント値上げを発表。イオンなど大手スーパーは、当面消費者保護や顧客離れを避ける狙いから、店頭価格は据え置く方針ということ。その他の値上げされる商品は、サンヨー食品「サッポロ一番」「カップスター」、江崎グリコ「ポッキー」、日清食品「カップヌードル」など。(9月20日)

⑭ 原油高騰・身近な食品価格も値上がり】
メーカーが値上げをしたい・予定している商品(サッポロ一番(みそ、塩、しょうゆ)、うまかっちゃん、チキンラーメン、出前一丁、どん兵衛きつねうどん、GOOTA煮玉、やきそばUFO、カップヌードル、シューフードヌードル、カレーヌードル、カップスター、とんがりcorn、ポッキー、DARS、バーモントカレー、北海道シチュー)を紹介。
【衝撃値上げ・首都高速・現金一律1200円改定案】
首都高速道路会社が来秋の導入を目指す新料金体系案を公表。現在700円の普通車はETC搭載車の場合、距離に合わせて初乗り400円から上限1200円となる。現金払いの場合は一律1200円となる。首都高速・新料金案をテロップで紹介。1962年・京橋~芝浦間で首都高速開通、以降首都高料金は上がり続けてきた。首都高速は道路公団の民営化で公団から引き継いだ12.7兆円の債務を45年以内に完済し、通行料を無料にするとしている。首都高速・2006年度の営業収支は1929億円の黒字。首都高速道路会社はホームページで意見を募集して、来春までに最終案をまとめたいとしている。
【日清製粉・業務用小麦粉大幅値上げ】
製粉業界大手の日清製粉は業務用小麦粉の出荷価格を11月初旬から値上げすると発表した。強力系小麦粉を25キロあたり175円値上げ。中力・薄力系小麦粉をそれぞれ25キロあたり150円値上げするという。これは10月に政府からの売り出し価格の引き上げに伴う値上げを受けたもので、小麦粉を扱う食品メーカーも相次いで値上げに踏み切ると見られる。(9月21日、22日)

⑮ 【コクヨ・ノートなど平均15%値上げ】
コクヨS&Tは、原材料などの価格高騰のため、ノートなど紙製品のほぼ全部と事務用品の一部を平均15%値上げすると発表。10月1日にコピー用紙の全商品を平均17%値上げし、それ以外の製品を2008年1月に15%程度引き上げる。
【ガソリンなど・来月から値上げへ】
原油価格の高騰で、石油元売り各社(新日本石油や昭和シェル石油、出光興産)は、ガソリンなど石油製品の卸売り価格を来月から一斉に値上げすることを決めた。いったん値下がりに転じていたガソリンの小売り価格が、今年夏の最高値の水準まで再び値上がりする可能性が出てきた。(9月26日、27日)

⑯ 【郵政民営化スタート】
10月1日から、郵政民営化がスタートし、新たに発足した日本郵政株式会社は従業員数24万人を超える国内最大の企業グループとなる。これまでの郵政公社は銀行・ゆうちょ銀行、保険・かんぽ生命、郵便・日本郵便、窓口業務・郵便局の4つの民間企業に分かれる。はがきや小包の値段、窓口での手続きはこれまでとかわらない。ゆうちょ銀行では民営化で税金の優遇がなくなるため手数料の値上げがおこなわれる。公共料金の振り込み手数料は30円から240円(3万円以上)、口座への振り込み手数料は110円から290円(3万円以上・ATMの場合)。
【値上げの秋到来】
石油情報センター調査によるレギュラーガソリン全国平均価格推移グラフの解説。全国電力各社は、月額39円から171円を値上げ。東京ガス・4社等は、月額28円から38円を値上げ。日清オイリオグループは、家庭用食用油・ゴマ油価格を20%以上、引き上げ。ニチレイフーズは、冷凍食品等約2000品目価格を10%前後値上げ。はごろもフーズは、ツナ缶等を10%前後値上げ。(10月1日)

⑰ 【都内タクシー値上げ】
初乗り運賃が7%値上げされ、710円となる見通しとなった。政府の物価問題関係閣僚会議で了承を得た上で11月中に認可する。事後料金についても引き上げられる見通しである。
【都内タクシー・初乗り値上げへ】
都内のタクシーの初乗りが710円に値上げすることになった。都内の値上げには経済政策を担当する内閣府の物価安定政策会議の審議を経て、物価問題関係閣僚会議の了承を得ることが必要。これができると全国の値上げもしやすくなるため、今回の値上げは全国に波及する可能性がある(10月5日)

⑱ 【24年ぶりに値上げ】
製パン最大手の山崎製パンが、小麦や油脂などの原材料が高騰しているため、価格を据え置いてきた食パンやその他の主要商品を12月から平均8%値上げすると発表。これによって値上げされる商品はおよそ500品目。
【山崎製パン・24年ぶり食パン値上げ】
山崎製パンの食パン・菓子パンなど約300品目を12月出荷分から値上げする。ダブルソフト10%アップの220円で菓子パンなど平均8%の値上げ。値上げの理由について山崎製パンはトウモロコシ(バイオエタノール用)転作で小麦の作付面積が減り価格が高騰し、包装用袋の価格が上昇し、企業努力では吸収できないとしている。業界2位の敷島製パンの値上げを検討している。
【コンビニ・ローソン・新価格戦略を検討】
ローソン新浪剛史社長は会見で、食品メーカーからの値上げの要請を受け入れる方針を示し、売り上げが低迷している店舗の地域ごとの価格戦略を打ち出す検討に入った。具体的な価格戦略は、都心向けに高価格商品を開発する一方で、地域によっては低価格商品を検討する。
【相次ぐ食品値上げ・コンビニそれぞれの対応】
大手食品メーカーの値上げに対し小売業界の対応が分裂。大手コンビニエンスストア「セブンイレブンジャパン」等は価格を当面据え置きし値上げ要求に応じない考え。大手総合スーパー「イオン」は夏以降顧客保護をうたい「価格凍結」を継続、イオングループのコンビニ「ミニストップ」や「ダイエー」も現在の店頭価格を維持。一方大手コンビニ「ローソン」は価格抑制が食品の品質低下を招きかねないと判断、食品値上げ要求を受け入れる方針。討するとしている。価格戦略が消費者の支持を得られるか注目される。
【コンビニの価格・店ごとに変わる?】
コンビニの小売価格は出店場所や品そろえで競争していたため、これまでほぼ同じだったが、原材料価格の高騰などで食品メーカーが希望小売価格の引き上げを表明したため、値上げか、据え置きかでコンビニ各社に差が出てきた。ローソンは地域に見合った価格設定をし、メーカーと協力して新商品開発を検討している。ファミリーマートは主力商品の値上げは避けたいとし、セブンイレブンジャパンも値上げに慎重な姿勢を崩していない。(10月10日,11日)

⑲ 【新日本石油・ガソリン卸売価格を11月さらに値上げへ】
新日本石油は原油の高騰が続き、原油調達コストは9月比1リットルあたり5円程度上昇しているため、11月1日からガソリン卸売価格などをさらに値上げする方針。 東京千代田区・新日本石油・渡文明会長の会見。
【原油高騰・なぜ?今後は?】
ハウスを暖める重油の値上がりでナスがピンチを迎えている。ニューヨークの原油市場・17日先物価格は一時1バレル89ドル台、取り引き期間中の史上最高値を記録した。東京・ジャパンエナジーは原油価格の動向を警戒している。市場価格が上がれば中東の産油国は11月の価格を引き上げ、国内のガソリンなど石油製品も引き上げざるを得なくなる。要因の一つはトルコ軍とクルド人武装組織との軍事的緊張、17日にはトルコ議会が国境を越えて攻撃することを承認したため、原油の供給に影響が出るとの懸念が広がっている。世界的金あまりの中、株式に向けられていたヘッジファンドなどの投資資金は米国・サブプライムローン問題などで各国の株価は不安定な値動きとなり、注目を浴びているのが中国など新興国の需要拡大が見込まれる原油や穀物などの商品市場だった。長期化するとみられる原油の高止まりで自動車業界では18日に苦言を示した。本格的冬が近づく札幌では、値上がりを前に駆け込みで灯油を買おうと注文が相次いでいる。(10月18日)



5、この問題についての各局の報道姿勢
 6月から9月まではの報道時間は、NHKが目立って多かった。10月になると日本テレビの報道回数が他局を圧倒する勢いになった。この問題については終始テレビ東京がしっかり報道していたのが分かる。
 6月1日のキユーピーのマヨネーズの値上げから、山崎製パンの値上げ、度重なる値上げを演じてきたガソリン等々、この時期によく集まったともいえるほどの値上げの嵐を各局とも値上げ品をまとめて何回も報じてきたことが特徴的である。
 この問題は、企業から家計を守る主婦まで幅広く関心を引く性質から各局挙って値上げのニュースリリースを徹底的にマークした。


6、放送局・月毎の放送回数と放送時間


「値上げラッシュ」に関するテレビ報道の局別総回数(月別)

「値上げラッシュ」に関するテレビ報道の局別総回数(月別)

 

1ch

4ch

6ch

8ch

10ch

12ch

平均

合計

6/1-30

45

36

33

20

21

48

34.1

203

7/1-31

51

22

21

10

29

67

33.5

200

8/1-31

67

9

29

22

15

72

35.2

214

9/1-30

45

24

36

27

17

56

34.3

205

10/1-18

54

58

28

33

32

76

47.0

281

合計

262

149

147

112

114

319

184.1

1103


「値上げラッシュ」に関するテレビ報道の局別総時間(月別)

 

1ch

4ch

6ch

8ch

10ch

12ch

平均

合計

6/1-30

130.4

49.4

89.0

54.4

39.8

124.6

81.3

487.6

7/1-31

129.5

36.2

77.4

23.6

87.2

138.6

82.3

492.5

8/1-31

129.6

37.0

45.7

64.6

26.0

175.6

80.0

478.5

9/1-30

144.4

52.5

121.2

77.6

33.2

129.7

93.3

558.6

10/1-18

112.7

88.3

88.7

57.8

84.2

134.5

94.4

566.2

合計

646.6

263.4

422.0

278.0

270.4

703.0

431.3

2583.4



7、まとめ
 原油の値上げの影響で連続的に値上げをしているガソリン業界を除けば、値上げを発表した企業は、どこも20数年ぶりにコスト増を吸収できなく止む無く値上げに踏み切ったところばかりである。
 現状のデフレ状態の中で、値上げを発表することはかなりの不安を抱えてのことであろうが、死活問題なので止む無く値上げに踏み切ったということでは一つのドラマを作り上げるような劇的なところがあり、テレビ報道には向くところがある。
 テレビ報道は一つの値上げがあると、その一つ一つを繰り返し報道し、ある時期でそれを更にまとめて報道する傾向がある。加えて事ある度に参照的に過去の値上げの例を繰り返し報道する。そのため最初に報道された「キユーピーの値上げ」などは数十回報道された。知名度も上がるが、値上げの元祖としてのイメージも固定してしまう。この辺の報道のあり方は、余りに幼稚であるといわざるをえない。テレビ局にしても、自身の報道姿勢を後から見直し改善させてゆく必要がおおいにあるのではないだろうか。
 ここまで値上げの潮流が固定されれば、今後はある意味では便乗値上げが跋扈する危険性がでてくる。
 テレビ局の報道が今後どのような姿勢でこの問題を扱ってゆくのか注意深く検証したい。

【統計資料より抜粋】


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