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特集・阪神淡路大震災から20年

1995年の阪神淡路大震災から今年で20年になる。本特集では各局がどのようにこの震災を報道したのか探ってみた。

1月17日各局は…


1月17日各局は中継、録画も含めて早朝に行われた阪神淡路大震災の黙祷の模様を一斉に取り上げた。一部の局は特集番組を組んだ。

その中のひとつ1月17日放送のABCテレビ「おはよう朝日~土曜日です~」は阪神淡路大震災から学んだ教訓や何が変わったかについてピンポイントで特集を組んだ。ありがちな感傷的な特集ではなく地に足が立った見ごたえのある内容となっている。この中でジャーナリスト・大谷昭宏が、「災害とは負の遺産の先取りで起きたことから何を学びどう伝えていくかが重要」と話していたのが印象的だった。また、阪神淡路大震災の教訓を生かし、東日本大震災では震災発生後に自衛隊に派遣を要請するまでの時間が岩手県6分、宮城県が16分と短縮されるようになったことなど、東日本大震災において阪神淡路大震災の教訓が生かされていたことなどをわかりやすく解説した。

さて、阪神淡路大震災20周年である1月17日だが、おおよそ1週間ぐらい前から各局の特集番組が見られるようになった。

1月12日放送のNHK(関東・関西共通)「インタビューここから」は「ハゲタカ」で著名な小説家・真山仁にインタビュー。真山仁? 一体震災と何の関係があるのかと思ってしまうが、同番組は真山の新作小説「そして、星の輝く夜がくる」を描いた原点に阪神淡路大震災の経験があることに着目し、この作品に震災がどのように反映されているのかを掘り下げていくという新しい視点を提供している。真山にとっては震災を経験し生き残ったことが「小説家になるために生かされた」という思いにつながっているといい、同番組は阪神淡路大震災という大惨事でさえ創造性の開発のバネになりうるというメッセージを新しい切り口で発信している。

1月12日放送の毎日放送「映像記録 あの日あの場所、あの人と」は阪神淡路大震災が襲った神戸周辺の街でMBS(毎日放送)のカメラマンが記録した数々の映像を基に映像に映っていた人々は今どこでどうしているのかを精力的に取材している。震災の現場が今どうなっているのかをどの番組よりも詳しく取材できているものの、現状確認のレベルに留まっていたことがやや残念に思えた。

1月14日放送のTBS「阪神淡路大震災20年・生死を分けたドキュメントが語る!池上彰の生きるための選択」は「生きるための教訓を考える」を番組のコンセプトにし、様々な手法を駆使(再現ドラマ、現在の被災者のインタビュー、当時のニュース映像を援用しながらスタジオで池上が解説)するという内容で、将来につなげていこうとの意欲が感じられる内容になっている。池上はNHK記者として阪神淡路大震災を実際に取材しており、その解説には説得力を感じさせた。池上は震災の教訓として「避難所では一人ひとりに役割が必要で、役割を持つことが生きる気力を取り戻すことにつながる」ことなどを挙げた。

一方、1月15日放送のNHK「クローズアップ現代」は20年経った今でも被災者が経済的に困窮し心の問題に直面しているという今まで知られてこなかった震災の負の側面を浮き彫りにした。この20年、家計を支えるために必死になって働いてきた被災者は、今、老後を迎え、大切な人を失った喪失感に改めて苦しめられているという。番組ではその解決のためには住民と行政の話し合いが必要と指摘し、若い人を巻き込むなどの努力が必要と結んでいる。

阪神淡路大震災から20年、東日本大震災からこの3月で4年を迎えるが、この地震国においてこれから我々がどう立ち向かっていくべきなのか、その答えは見えてこない。災害とその対策へのこれからの具体的議論が待たれる。

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