テレビ報道に見る産業・経済月報(平成24年10月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成24年10月)

 

今月の特徴は、1.日銀短観、追加金融緩和、2.日中関係悪化の影響、3.エネルギー関連の動きとなった。

 

1. 日銀短観、追加金融緩和(1時間35分)※括弧内の時間は、関連報道の地上デジタル放送時間の6局合計。

 

 

2日発表された日銀短観(大企業製造業)は-3ポイント。前回より2ポイント下回り、3期ぶりの悪化。2~3ヵ月先についても-3ポイントと、引き続き景気が悪い状態に留まる見通し。今回の日銀短観では、約70%の企業が尖閣諸島の国有化の前に回答したため、その後の日中経済の悪化は十分に反映されていない(NHK)。日銀は22日、東北を除く全国8つの地域で景気判断を下方修正し、30日開いた金融政策決定会合では景気の現状について、海外経済の減速、中国経済の減速や日中関係の悪化が国内企業の輸出と生産に悪影響を及ぼしており、景気が弱含みとなっているとした。これを受け日銀は異例の2ヶ月連続となる91兆円の追加金融緩和に踏み切った(NHK)。一方、財務省は貿易収支を発表。今年度上半期に3兆2190億円の赤字で、半期では過去最大の赤字となった。今年9月の貿易収支も過去最大の赤字となったが、中国向け自動車輸出が大きく減少したのが要因となった(日テレ)。

 

2.日中関係悪化の影響(39分7秒)

 

【日中関係の悪化が日本経済に打撃】

中国では日本車の売り上げが急激に落ち込んでおり、多くのメーカーが生産調整を余儀なくされている。トヨタ自動車は天津にある工場の生産ラインの大部分について22日から1週間の休止に入った。日産ホンダなども工場の操業時間短縮など生産調整を行っている。日本メーカー6社の先月中国で生産した車は28.4%減少(前年同月比)と厳しい状況となっている(NHK)。ホンダは中国での減産、為替の影響が響き、想定以上の大幅な業績下方修正を行い、株価が急落した(テレ東)。こうした中、三菱自動車工業は新車の中国への輸出台数を計画の半数程度に減らす事を明らかにした。新型車は通常売れ行きが良いとされるが、輸出の大幅削減を明らかにしたのは三菱自動車が初めて(NHK)。さらに大手損害保険各社は中国に進出している日系企業に暴動やストライキなどの被害を補償する「リスク特約」を付けて販売してきたが、先月の反日デモでイオンが7億円の被害を受けるなど、日本企業の商業施設や工場などが想定外の被害を受けたため、大手損保各社は特約(暴動特約)の新規契約を停止した。今後日中関係の緊張状態を見極めながら新規契約を再開する予定だが、停止状態が長引けば日本企業の中国戦略に影響が出そうだ(テレ朝)。

 

【関係修復の動き】

中国内陸部に新規出店したユニクロでは長蛇の列ができ、商品が売り切れ。中国・上海で開かれた繊維製品の国際見本市では、日本企業のブースに大勢の中国のバイヤーが訪れ活発な商談が行われた。また、デモ隊に襲撃され大きな被害を受けた平和堂は27日から営業を再開させた(NHK)。

 

 

 

 

3.エネルギー関連の動き(40分58秒)

 

【原発関連】

電源開発の北村社長は1日朝、青森・大間町の議会を訪れ、福島第一原発事故以降中断していた大間原発の建設について、1日から工事再開の手続きに入ると表明した(フジ)。一方、英国国内で2ヶ所に最大6基の原発の建設を計画する発電会社・ホライズンニュークリアパワーを買収する事を決めた日立製作所はロンドンで記者会見し、英国などの関連メーカーとも提携して原発事業へ取り組む事を強調した。英国政府は日本の原発事故後も原子力をエネルギー政策の柱とする方針を変えておらず、会見でデービーエネルギー気候変動相は、安全性に懸念はなく雇用などの経済効果が高いと強調した。日立はリトアニアでも原発建設の受注に向けて交渉を続けてきたが、国民投票で建設反対が60%を超え多数を占めたことを受けて、リトアニア政府が計画を見直す可能性が出ており、海外での原発事業拡大は各国政府の方針と国民世論の動向も大きなカギとなりそうだ(NHK)

 

【その他のエネルギー】

秋田県由利本荘市では、世界中で注目されているシェールオイルの採掘試験に国内で初めて成功。メタンハイドレートの新たな発表に周辺自治体も動き出しており、京都府や新潟県など日本海沿岸の1府9県が協議会を結成し、日本海側でも採掘調査を進めるよう国に要望した(NHK)。一方、輸入が急増しているLNGの輸入価格の引き下げに向けてインド政府と連携することで合意し、枝野経産大臣がインドとLNG価格の引き下げに向けた共同声明に調印した。共同声明にはアジアのLNG消費国は欧米より高い価格でLNGを購入しているとし、世界最大の輸入国日本とインドが価格見直しに向けて連携することなどが盛り込まれている(NHK)。再生可能エネルギーへの関心が世界的に高まる中、三菱商事は世界有数の火山国のインドネシアで大規模な地熱発電事業に乗り出す事となり、今後日本国内での事業展開も検討することにしている。三菱商事はスターエナジー社の株式の20%を取得。日本は地下の蒸気保有量世界3位と言われ、東京電力福島第一原子力発電所の事故などをきっかけに開発の期待が高まっている(NHK)。

 

●注目点

「タブレット端末競争激化・アップルiPadミニ発表、MSウインドウズ8発売、AMAZONキンドル日本上陸」(6時間56分)

indows8が26日、世界で一斉に発売された。「国内の出荷台数(IDC・Japan調べ)」をみると、ノートパソコンが横ばいで頭打ちなのに対し、タブレットは今後も伸び続けると予想されている。タブレット市場では遅れをとっているマイクロソフトは勝負をかけるためにWindows8を発売。家電量販店で注目されているのは軽量ボディの小型タブレット。主流は7インチ。9月にGoogleが「ネクサス7」を発売。24日にはシェアトップのアップルも「iPad mini」を発表。インターネット通販大手・アマゾンは電子書籍専門端末・キンドルを日本でリリースすることを発表した。幕張メッセで行われた「シーテックジャパン2012」でも日産は自動で運転する機能を備えた車を出展し、NTTドコモが赤外線で人の瞳の動きを感知し、視線で操作できるタブレット端末を出展するなど日本の各企業もタブレットにからんだ動きを加速中で、時代はタブレット端末大競争時代に突入した(日テレ)。

 

 

 

 

●新潮流

「ソフトバンクが米国大手通信会社を買収・売上高世界第三位に・日本勢の買収攻勢」(4時間5分)

フトバンクが16日、米国の携帯電話大手・スプリントネクステルを買収すると発表、買収総額は約1兆5700億円で、スプリント社の株式を70%取得する予定。売上高は世界3位となる(テレ朝)。巨額の買収資金に伴う財務悪化を懸念し株価は一時急落したが、その後大きく反発、10%近くまで上昇した。孫正義社長は15日、買収資金を確保するための新株の発行は行わず、あくまで借り入れを中心に資金を手当てする方針を示した。これにより株式の価値が下がることを懸念していた投資家の不安は後退し、株価は値上がりし日経平均株価終値を約26円押し上げる要因となった。証券会社では今後投資家の過剰な懸念は解消に向かうと指摘しているが、格付け会社ではソフトバンクの格下げ方向の見方を継続している(テレ東)。企業買収や合併を仲介する専門会社・レコフによると、今年1~9月までに買収や出資をした件数は364件と過去最多。主なものとして丸紅による米国の穀物会社の買収や、ダイキン工業による米国の大手空調機器メーカーの買収などがこの中に含まれているが、いずれも円高が追い風になっていた(NHK)。

 

●10月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・オリエンタルランド、第2位・三井不動産、第3位・ソフトバンク」

月は3か月ぶりにオリエンタルランドが、「ディズニーハロウィーン」「東京ディズニーリゾート」の紹介や、「東京ディズニーリゾートの入場者が23%増、中間決算が最終利益で過去最高になる」などの報道で第1位に輝いた(CM価値換算39億8700万円)。第2位は、「東証アローズ・不動産上昇」などの報道で、三井不動産が獲得した。第3位は、「ソフトバンク・米企業買収・世界3位の携帯会社誕生」などの報道で、ソフトバンクが輝いた。第4位は、「復元された東京駅が開業・500億円の費用の“秘密”」などの報道で東日本旅客鉄道となった。第5位は、「最新版ウィンドウズ8・消費者の反応は?」などの報道で日本マイクロソフト、第6位は、「東京スカイツリー・世界一の高さを生かして雷の研究を」などの報道で東武鉄道、第7位は、「ソニーの逆襲・究極のコンパクトカメラ開発」などの報道でソニーになった。第8位は、「なぜウォークマンはiPodになれなかったのか」などの報道でアップルジャパン、第9位は、「ユニクロが1兆円企業へ・カギを握る海外進出」などの報道でファーストリテイリング、第10位は、「日銀・2か月連続の緩和策を発表」などの報道で日本銀行が獲得した。

 

●10月の人物ランキング

「第1位・ソフトバンク・孫正義社長、第2位・トヨタ自動車・豊田章男社長、第3位・ソニー・平井一夫社長」

1位・ソフトバンク・孫正義社長106件(ソフトバンク・米企業買収・世界3位の携帯会社誕生

など)、第2位・トヨタ自動車・豊田章男社長22件(自動車トップ勢ぞろい・重量税など廃止求める

など)、第3位:ソニー・平井一夫社長20件(復活できるかソニー・改革の現場に密着など)、第4位:日本マイクロソフト・樋口泰行社長19件(ウィンドウズ8商戦いよいよなど)、第5位:電源開発・北村雅良社長18件(大間原発建設再開へ現地入りなど)、第6位:ファーストリテイリング・柳井正社長14件(売上高1兆円超え!ユニクロの世界戦略など)、第7位:パナソニック・津賀一宏社長11件(変わるCEATEC・パナソニックスマートタウンなど)、第8位:KDDI・田中孝司社長8件(KDDIが新商品・LTE競争加速)、第9位:イーアクセス・千本倖生会長4件(ソフトバンク・イーアクセス買収へ)、第10位:新日鉄住金・友野宏社長3件(新日鉄住金が誕生・鉄鋼・世界2位など)。

 

●テレビの窓

「iPS細胞で京都大学・山中教授にノーベル賞・iPS細胞でビジネスチャンスを」(32時間30分)

都大学・山中伸弥教授がiPS細胞でノーベル医学・生理学賞を受賞。今後、iPS細胞に関する研究やビジネスが活発化していくとみられる。iPS細胞の許諾を得た企業・団体は2008年に1社だったものが現在は60社(iPSアカデミアジャパン調べ)。製薬業界では大日本住友製薬は山中教授と協力し難病を治療するための新薬の研究開発、武田薬品工業は慶應義塾大学と協力しアルツハイマー病のメカニズムの解明・研究を行う。iPS細胞を販売する企業も出てきており、リプロセル

iPS細胞から作った心筋・肝臓細胞を研究材料として3年前から販売。タカラバイオはiPS細胞自体をつくるための試薬を販売。SONYはレーザー光学技術などで細胞の構造などを分析する装置を、ニコンは画像処理技術などでiPS細胞を選出する装置の研究・開発を行う。経済産業省の試算によると再生医療分野は2020年の予測は国内市場で約600億円、世界市場で約8500億円にのぼり、今後の成長市場として注目(TBS)。

 

JCC株式会社

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