テレビ報道に見る産業・経済月報(平成25年1月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成25年1月)

 

「日銀・金融政策決定会合で物価上昇率2%を目指すインフレ目標の導入、無期限金融緩和を決定」

今月の特徴は、1.アベノミクス、2.貿易赤字過去最大となった。

 

1.アベノミクス-①円安・株高

1/28日経平均株価は2年9か月ぶりに1万1000円を上回った。外国為替市場で1ドル91円台前半、1ユーロ122円台後半まで円安が進んだ(日テレ)。1/28安倍首相は初の所信表明を行ない、経済について三本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政政策、投資を喚起する成長戦略)を柱としたこれまでとは次元の違う政策で強い経済再生を目指していく考えを強調した(フジ)。政府はこの日の臨時閣議で、来年度のGDPについて、実質で2.5%、名目を2.7%との見通しを示した。安倍総理はすでに経済成長優先の20兆円規模の緊急経済対策を閣議決定し、企業の競争力をつけることで雇用を生み出す方針(テレ東)。

 

1.アベノミクス-②日銀、産業競争力会議の動き

1/22日銀は金融政策決定会合で物価上昇率2%を目指すインフレ目標の導入を決めた。甘利経済再生担当相も出席し、大胆な金融政策、機動的な財政政策、投資を喚起する成長戦略が盛り込まれた政府と日銀の共同声明が発表された。さらに日銀は新たな金融緩和の仕組みも導入し、国債などの資産買い入れ基金について、来年から無期限方式に変える。資産買い入れ枠についても10兆円増やし、9年8ヵ月ぶり2回連続の追加緩和も決めた(テレ東)。23日政府は日本経済再生に向け、慶応大学・竹中平蔵教授、楽天・三木谷浩史社長など有識者10人で構成される産業競争力会議をスタートさせた。産業競争力会議の初会合では企業活動上の規制や制度の問題点を洗い出し世界で一番企業が活動しやすい国を目指し6月をめどに成長戦略をまとめる方針(日テレ)。

 

2.貿易赤字過去最大

1/31企業の生産活動を示す去年12月の鉱工業生産指数は2ヶ月ぶりに前月を上回り、経済産業省は生産に下げ止まりの兆しが見られるとして、基調判断を11ヶ月ぶりに引き上げた(テレ東)が、日本経済が抱える大きな問題が貿易赤字。去年1年間の輸出額は中国向けなどの輸出の減少で約63兆7000億円にとどまる一方、輸入額は火力発電用の燃料の輸入が増大したことなどから約70兆7000億円と増大し、貿易収支は過去最大の約6兆9000億円の赤字となった(フジ)。こうした中、日本は慢性的な貿易赤字体質になったと指摘する専門家もいる。年末からは円安が進み、短期的には貿易赤字は拡大するとみられているが、安倍首相の掲げた政策は貿易収支に関しては、少しではあるが赤字の拡大に繋がっていると指摘する(NHK)。

 

●注目点

「アルジェリア人質事件から学ぶ教訓」

ルジェリア人質事件は日本人10人の尊い命が犠牲になった。アフリカに進出する日本企業の間には懸念が広がっている。アフリカは人口10億人の市場であり、石油・ガス・ダイヤモンド・鉱物など豊富な天然資源に恵まれているため企業にとっては非常に魅力的で、中国、インドの次に進出する国としてアフリカに注目する日本企業は多い。主に資源プラント事業、道路・インフラ整備などの建設企業、自動車メーカー、電機メーカーなどが現地で生産展開をしている。アルジェリアには鹿島大成建設などが高速道路建設に進出しており、南アフリカ共和国ではトヨタ自動車が現地製造販売を行っている。ナイジェリアでは味の素が調味料製造販売を、タンザニアでは住友化学がマラリア予防の蚊帳を作っているが、我々は進出国の負の側面も見ておく必要がある。アフリカにおいてはテロや誘拐ビジネスがはびこるなど治安に多くの問題を抱え、電気・運輸・水が不安定であるなどインフラ環境が厳しい点にも注意しておくべきだろう(TBS)。日本企業は今後情報の収集などテロ対策を強化しなければならない。また日本には、国としてアフリカをテロの温床としないための国際的な支援も求められている(NHK)。こうした中、政府は日本人10人が死亡したアルジェリア人質事件の検証委員会初会合を開き、海外の邦人、企業の安全確保についても検討していく方針(テレ東)。

 

●新潮流

「世界を揺るがす・シェールガス革命」

国が手にした従来の4分の1という圧倒的に安い価格のシェールガス。それを求めて日本の化学メーカーの米国進出も始まろうとしている。テキサス州に工場を建設することを決めた化学メーカー・クラレはプラントの設計を急ピッチで進めている。米国で製造するのは液晶やフィルムに使用する特殊な樹脂。米国で原料を安く調達し、生産、販売まで一貫して行えば、日本から輸出するよりはるかにメリットがあるという。クラレ・経営企画本部長・阿部憲一氏は「安い原料が手に入れば、それは採算性というのは改善される。米国で作るほうが確実で、より利益性があると判断して、投資を決めた」と語る。世界中から米国に企業を引き寄せるシェール革命。その波及効果は今後、あらゆる産業に及ぶとみられる。シェール革命は世界のエネルギー地図を根本から塗り替えようとしている。これまで資源の輸出に頼ってきた中東やロシアは国家戦略の見直しを迫られている(NHK)。

 

●1月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三井不動産、第2位・ローソン、第3位・東武鉄道」

月は「東京ミッドドタウン・お正月2013」「ゴールデングローブ受賞式・記者会見会場」「ダイバシティ東京・グーグル組み合わせ検索第一位」「三井アウトレットパーク」等の話題でCM価値換算33億7000万円の三井不動産が第1位となった。第2位は、「シリコンバレーを狙え・ローソンパートナー開拓」などの報道で、ローソンが獲得した。第3位は、「スカイツリーを支える強化ガラスの秘密」などの報道で東武鉄道となった。第4位は、「全日空、B787の影響は?」などの報道で全日本空輸、第5位は、「世界の自動車販売台数・トヨタ2年ぶり世界一」などの報道でトヨタ自動車、第6位は、「ほこ×たて~5時間超史上最大の頂上決戦!・ドリルvs金属」などの報道で不二越になった。第7位は、「2027年度までにビル5棟・渋谷再開発・エンタメの街へ」などの報道で東京急行電鉄、第8位は、「Qさま!!軍団が最新78品で帰れま10」などの報道でロイヤルホールディングス、第9位は、「燃料電池車をダイムラーと共同開発」などの報道で日産自動車、第10位は「東芝がGEと火力発電事業」で東芝が獲得した。

 

●1月の人物ランキング

「第1位・ローソン・新浪剛史社長、第2位・楽天・三木谷浩史社長、第3位・日本経団連・米倉弘昌会長」

第1位・ローソン・新浪剛史社長102件(新年・企業トップの一言など)、第2位・楽天・三木谷浩史社長75件(経済再生・戦略の策定部隊が月内発足・楽天社長や竹中教授も起用など)、第3位・日本経団連・米倉弘昌会長58件(企業トップに聞く2013年の成長のカギなど)、第4位・東芝・佐々木則夫社長27件(2013年・日本経済・経済界はどう見る?など)、第5位・日本マクドナルド・原田泳幸社長26件(2013年スゴイ社長が気になるスゴイ会社など)、第6位・日産自動車・志賀俊之CEO24件(“日の丸”浮上のカギはなど)、第7位・トヨタ自動車・豊田章男社長21件(企業トップに聞くなど)、第8位・セブン&アイホールディングス・鈴木敏文会長20件(“アベノミクス”で景気回復・実感はいつ?など)、第9位・伊藤忠商事・岡藤正広社長13件(安倍政権・経済界から注文続々など)、第10位・日本マイクロソフト・樋口康行社長10件(景気の先行きとは?)。なお今月はアルジェリア人質事件で日揮の露出が多かった。

 

●テレビの窓

新年会・日本企業トップの明るい表情

胆な金融緩和と積極的な財政出動を柱とし、デフレと円高から脱却する「アベノミクス」に対し経済界の期待感が高まっている(テレ朝)。こうした中、日本経団連経済同友会など経済3団体による、日本企業のトップが集まる新年恒例の祝賀パーティーが行なわれた。冒頭で安倍総理は「企業の増収なくして給与は上がらないのは当然。世界の競争に勝ち抜こうとする産業界の声に耳を傾けていきたい。あの日から日本の経済は再生したのだなと、思っていただけるよう全力を尽くしていきたい」と述べた。日本経団連・米倉弘昌会長は「規制改革をはじめとした成長戦略を実施し、需要を生み出し、投資を呼び込んで雇用を生み出してほしい」と安倍政権に対する期待を語った。伊藤忠商事・岡藤正広社長は「日本人が失った自信を取り戻すべき。政治に対する信頼、近隣諸国との信頼関係もぜひ取り戻してほしい。そうすることが日本の発展につながる」、セブン&アイホールディングス・鈴木敏文会長は「消費税の問題が控えているので、そう簡単に景気がよくなるとは考えられない」と述べた。また、ローソン・新浪剛史社長は「消費というのは若い時にする。ここに所得の移転とか、場合よっては法人税を減免するとか、20~40代のところに活力を与える政策をやってほしい」と述べた。トヨタ自動車・豊田章男社長は「1ドル100円ぐらいがものづくりを守る最低線だ」と注文をつけた。2013年のキーワードをトップに聞いた。三菱ケミカルホールディングス・小林喜光社長「覚悟」、日産自動車・志賀俊之COO「脱皮」、日立製作所・川村隆会長「経済再生(イノベーション、グローバルな問題)」、パナソニック・大坪文雄会長「打って出る!」、ローソン・新浪剛史社長「若い世代の世帯収入アップ」、ジャパネットたかた・高田明社長「ブレない経営ブレない政治」、伊藤忠商事・岡藤正広社長「信」(NHK)。

 

JCC株式会社

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