テレビ報道に見る産業・経済月報(平成25年6月)

logo.gifテレビ情報のデータベース化、知識化、ネット情報の収集、多角的分析が現実世界を浮き彫りにします

印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |

HOME > TV allcover free > 産業経済月報 > 産業経済月報2013-06

会社概要MAP採用プライバシーお問い合わせ

テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成25年6月)

日本の経常収支・7500億円の黒字・3か月連続

今月の特徴は1.株・為替の動き、2. 株主総会の動き、3.エネルギー関連の動きになった。

 

1.株・為替の動き

日銀が長期金利の抑制策の導入を見送ったことやFRB・バーナンキ議長が量的緩和縮小を年内にも開始すると発言したことなどから一時、1万3000円を割るなど乱高下を繰り返していた日経平均株価は、28日、FRB・パウエル理事が金融引き締め懸念の払拭に動いたことで、市場に一定の安心感が広がり今年3番目の上げ幅を記録し、ほぼ1ヵ月ぶりの高値を回復した。(テレ東)。6/10財務省は、今年4月の経常収支を発表、最近の円安傾向でLNG・液化天然ガスの円換算の輸入額が膨らみ、海外との物やサービスのやりとりを示す貿易・サービス収支は1兆2593億円の赤字となったと発表した。その一方で海外との配当金や利子などのやりとりを示す所得収支は日本企業の海外現地法人の収益が増えたことや、主にドル建てで得られる外国債券の利子が円換算で増えたことなどから2兆1160億円の黒字となったとした。所得収支の黒字の規模は統計が比較できる昭和60年以降で最大になり、その結果、海外への経済援助に伴う収支などを差し引いた今年4月の日本の経常収支は7500億円の黒字と3か月連続で黒字となった。黒字額は昨年同月の2倍以上に拡大した(NHK)。

                 

2.株主総会の動き

日本航空は19日の株主総会で、運航停止により39億円の損失を出したボーイング787型機をめぐり、ボーイング社と補償交渉を始めたことを明らかにした。一方、トヨタ自動車は14日に開かれた株主総会で、世界市場の変化に柔軟に対応していくため、社外取締役に日本生命保険の宇野郁夫相談役、元国税庁長官の加藤治彦、元ゼネラルモータスグループ副社長のマークホーガンの3人を選んだと発表した。また、ソニーの株主総会ではソニーの発行済み株式の約7%を保有する米国のヘッジファンド・サードポイントが、不振の電機事業の活性化にもつながるとしてソニーの業績をけん引している映画・音楽を中心とするエンタメ事業を分離した上でその株式の上場を提案した。ソニーはエンタメ事業の好調により今年の3月期決算で、最終損益が430億円の黒字で5年ぶりの黒字に転換したが、サードポイントはこのエンタメ事業に着目した形(テレ東)。西武鉄道の親会社・西武ホールディングスの株主総会では、筆頭株主になっている米国の投資ファンド・サーベラスが経営への関与を強めたいとして新たに8人の取締役の選任を提案していたが、採決の結果、過半数の賛成を得られず否決された(NHK)。日産の株主総会ではカルロスゴーン社長が株主からの質問に答え、昨年度の役員報酬が前年より100万円多い9億8800万円だったことを明かした。トヨタ自動車・豊田章男社長の1億8400万円、ホンダ・伊東孝紳社長の1億4500万円を大幅に上回り、上場企業の役員としては最高額(TBS)。経営再建中のシャープが大阪市内で株主総会を開き、奥田隆司会長が巨額の赤字について謝罪した(テレ東)。また、昨年度営業利益が過去最高を更新した東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドではさらなる業績の向上へ期待の声が相次いだ(TBS)。

 

3.エネルギー関連の動き

国内で唯一運転している福井県・関西電力大飯原発3、4号機に対し、安全性を確認している国の原子力規制委員会は会合で直ちに安全上重大な問題が生じるものではないとする報告書をほぼ了承し、定期検査で停止する今年9月までの運転継続を認めることになった。一方、火力発電の燃料としてLNG・液化天然ガスの需要が高まる中、伊藤忠商事などがロシアの政府系ガス会社・ガスプロムとロシアのウラジオストク近郊にLNGの生産プラントを共同で建設し、日本などへの輸出を目指すことで22日合意した。この他にも丸紅がロシア国営石油会社・ロスネフチからLNGを購入することで合意するなど、中東より近く埋蔵量豊富なロシアから輸入を目指す動きが活発化している。また、大手機械メーカーIHI、プラント建設大手日揮、造船大手ジャパンマリンユナイテッドの3社は、海底油田の開発が進むブラジルで現地の造船会社に約100億を出資し、海洋資源の開発事業を強化することになった(NHK)。原発を保有する電力会社9社の株主総会が一斉に開かれ、北陸電力を除く8社で出されていた原発事業からの撤退などを求める株主提案はすべて否決された。関西電力の八木社長は来月の新規制基準の施行後、高浜原発3、4号機などの運転再開申請の方針を示した(NHK)。

 

●注目点

「川崎重工・社長らを解任・三井造船との統合交渉白紙へ」

井造船と経営統合の交渉を進めていた重工大手・川崎重工業(明治創業)は、取締役会で緊急動議が出され、長谷川聰社長ら3人が解任された。造船事業から始まった川崎重工だが、いまではバイクや航空宇宙、鉄道など幅広い分野の事業を手掛け、造船は売り上げ全体の10%以下。長谷川前社長は造船事業をてこ入れしようと統合交渉を推し進めた。経営陣の内部から反対意見が相次いだ。緊急動議では統合交渉を白紙に戻すことも決定。造船業界はリーマンショック後、船の需要が減少する一方、韓国や中国のメーカーがコスト競争力を武器に勢力を拡大。統合が実現すれは2兆円に迫る業界2位になったが交渉は白紙になった(NHK)。27日の三井造船の株主総会では、株主から厳しい声が聞かれた(TBS)。

 

●新潮流

「量的緩和・出口戦略の行方」

国・FRB・バーナンキ議長はFOMC・連邦公開市場委員会後の記者会見で量的緩和縮小を年内にも開始すると発言した。この出口戦略に対し、世界全体でリスク回避的な動きが出てくるような行き過ぎた動きが出てくると、日本にとっては円のショートポジションが巻き戻されて円高要因になり、望ましい状況でなくなる。市場は利上げ開始が2014年ではないかという見方を採用したため、米国の金利が上がってきており、これまでは米国から新興国に流れていたマネーが米国に還流し始めている。悪いシナリオでは新興国通貨が急落し、一部の新興国では利上げが始まる状況になる可能性さえ出てくる。つまり米国は良くても新興国がついていけない状況になり、新興国発の危機が起き、世界的株安になり円高になるということ。バーナンキ議長は微調整、コントロールしながら高成長をめざす考えで今後の世界経済の行方はFRBの舵取りにかかっている(テレ東)。

 

6月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三井不動産、第2位・ローソン、第3位・日本テレビホールディングス」

月は三井不動産が、ららぽーと横浜、ららぽーと豊洲等の紹介映像と東京ミッドタウンでのキャンドルナイトの紹介等で、43億1200万円で第1位となった。第2位は、「ローソン・ファミリーマート全面協力・コンビニの裏側・全部見せます!」などの報道で、ローソンが獲得した。第3位は、「24時間テレビ製作の舞台裏・草間彌生×大野智・チャリTシャツ」などの報道で日本テレビホールディングスとなった。第4位は、「88年の歴史に幕・松坂屋銀座店が閉店」などの報道でJ.フロント リテイリング、第5位は、「4Kテレビがソニーを救う?」などの報道でソニー、第6位は、「梅雨のじめじめを解消!最新家電」などの報道でヨドバシカメラになった。第7位は、「地球環境大賞2013・世界を守るアミノ酸の輪」などの報道で味の素、第8位は、「カリスマ講師に熱狂!!“予備校生の神々”の言葉力」などの報道でナガセ、第9位は、「ファミリーマート2年ぶり“男性向けスイーツ”復活」などの報道でファミリーマート、第10位は「和食・笠原シェフと上野アメ横エリア絶品お寿司めぐり・毎日半額!行列の出来る老舗・かっぱ寿司」でカッパ・クリエイト・ホールディングスが獲得した。

 

6月の人物ランキング

「第1位・日本銀行・黒田東彦総裁、第2位・経団連・米倉弘昌会長、第3位・西武ホールディングス・後藤高志社長」

第1位・日本銀行・黒田東彦総裁102件(黒田総裁“乱高下”対策明言せずなど)、第2位・経団連・米倉弘昌会長32件(経団連会長・ねじれ解消をなど)、第3位・西武ホールディングス・後藤高志社長24件(西武HD株主総会・サーベラス全提案を否決など)、第4位・日本マクドナルド・原田泳幸社長22件(マクドナルド“500円超”高級バーガー投入など)、第5位・川崎重工業・村山滋社長20件(突然の社長解任劇など)、第6位・関西電力・八木誠社長17件(電力会社の株主総会・“脱原発”提案すべて否決など)、第7位・日産自動車・カルロスゴーン社長13件(日産ゴーン・報酬9億円など)第8位・ソフトバンク・孫正義社長12件(ソフトバンクが米国社買収・携帯電話世界3位になど)、第9位・東京電力・下河辺和彦会長・11件(電力9社・株主総会で“廃炉”提案否決など)、第10位・ソニー・平井一夫社長10件(ソニー株主総会・エンタメ分社化・慎重に検討など)。

                     

●テレビの窓

「日産と三菱自動車が共同開発した初の軽自動車が発売」

産自動車三菱自動車が共同開発した初の軽自動車が発売された。日産ではDAYS、三菱ではekワゴンとして発売。日産自動車が共同開発で燃費が29.2キロメール(パーリットル)の軽自動車を実現し、内装に上質感を持たせタッチパネルでエアコン操作できる。日産自動車が開発から携わった初の軽自動車。三菱自動車にとってコストが低減でき工場の稼働率向上のメリットに期待が持てる。5月の新車販売台数のトップ10のうち7車種が軽自動車となっている。日産自動車と三菱自動車は手を組むことによってシェア争いでライバルメーカーに攻勢をかけたい考えだ(日テレ)。 

 

JCC株式会社

LinkIcon産業経済月報・最新版

TV All Cover

テレビット

TV All Cover (有償サービス)

Net News

System

All Channel Recorder

DataBase

Science&Technology

Reseach&Analysis