テレビ報道に見る産業・経済月報(平成25年9月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成25年9月)

 

「東京オリンピック開催決定・安倍首相は消費増税を決断」
(※10/1安倍首相は消費税を5%から8%に引き上げることを正式発表した)

 

今月の特徴は1.景気の動向、2.エネルギー関連の動きになった。

 

1.景気の動向

内閣府が4月から6月までのGDPの改定値を発表。実質の伸び率は3期連続のプラスで、年率に換算すると3.8%となり、速報値から1.2ポイント上方修正された。政府は9月の月例経済報告で建設業など非製造業を中心に新規の設備投資が増えていることから景気の現状について「緩やかに回復しつつある」とし、判断を2か月ぶりに上方修正した(NHK)。こうした中、安倍首相が来年4月に消費税を現行の5%から8%に引き上げることを発表。決断の理由は上向きの経済。GDP改定値3.8%などのファンダメンタルズなどからも景気の回復が明らかとなり、これに追い打ちをかけたのが東京オリンピックの開催決定。東京都の試算では7年間で約3兆円の経済効果が見込まれる東京オリンピックの開催決定が最後の決め手となった(日テレ)。7年後のオリンピック開催決定を受けて、選手村の候補地に近い東京晴海のマンションでは見学者が2倍となっている。同じく選手村候補地に近い江東区豊洲地区にも人気が集まっており、晴海、豊洲地区は2020年までに20%上昇するという試算も出ている(TBS)。一方、財務省が発表した海外との物やサービスの取り引き状況を表す7月の経常収支は6か月連続の黒字となったものの、貿易収支は原油などの輸入コストが上回り赤字となっている(フジ)。

 

2.エネルギー関連の動き

国内で唯一稼働中だった関西電力・大飯原発4号機が定期検査のため発電を停止し、2012年7月以来、1年2ヶ月ぶりに国内の商業用原発50基すべてが止まった(テレ朝)。こうした中、新潟県の柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働を巡り、東京電力・広瀬社長と新潟県・泉田知事とのトップ会談が行われた。東電側はフィルター付きベントの増設を提案。知事側からは安全審査の申請への了解という言葉はなかったが、フィルターベントの協議の継続などを条件に泉田知事は結果的に承認した。これを受け東電は、原子力規制委員会に安全審査を申請した。再稼働へ向けての一歩を踏み出した形だが、安全審査には少なくとも半年程度はかかるほか、福島第一原発の汚染水問題も収まっておらず、経営再建への道は依然厳しい(TBS)。一方、原子力以外でも動きがあった。米国エネルギー省は住友商事東京ガスが関わるLNG(液化天然ガス)対日輸出計画を認可し、両社は米国・メリーランド州のドミニオン社と提携、日本の総輸入量の2.6%にあたる年間230万トンを日本に輸出することになった。順調にいけば2017年にも日本へのシェールガス供給が可能になる。住友商事と東京ガスは「日本へのLNG輸出に向けて大きく前進した」とする共同コメントを発表。LNG対日輸出は5月認可の中部電力などの計画に続き2件目となり、原発停止で火力燃料費が負担となっている日本にとっては調達コストの削減が期待できる(テレ朝)。

 

●注目点       

「東京・名古屋40分・リニア中央新幹線・路線と駅が発表」

4年後の2027年に開業を予定しているリニア中央新幹線についてJR東海は詳細なルートや駅の位置などを明らかにした。駅は品川駅から相模原市、甲府市、飯田市、中津川市を経て名古屋駅までを結ぶ。品川-名古屋間は現在東海道新幹線で約1時間半かかっているが、リニア新幹線では約40分に短縮される。また、線路の全長286kmの86%が地下トンネルとなっている。品川駅では地下40mにホームが出来る予定。東京メトロ千代田線・国会議事堂前駅、都営地下鉄大江戸線・六本木駅とほぼ同じ深さ。東京オリンピックに向けての部分開業にも期待の声が上がっている(フジ)。

 

●新潮流

「東京エレクトロン・世界最大規模の半導体メーカーへ」

導体の製造装置メーカーで世界3位・東京エレクトロンが、世界シェアトップの米国大手・アプライドマテリアルズと早ければ来年後半にも経営統合することで合意したと発表。これにより世界市場の25%余りを占める世界的巨大企業が誕生することになる。スマートフォンなど通信向け半導体市場の一段の拡大が見込まれる一方で、製造装置の開発には莫大なコストがかかるとされており、両社は互いの技術を組み合わせて投資コストの負担を減らし、国際競争力を一段と高める狙いがあるものとみられる(NHK)。新会社の時価総額は2兆8000億円で新会社会長には東京エレクトロン東哲郎会長兼社長が、CEOにはアプライドマテリアルズのディッカーソンCEOが就任する(TBS)。

 

●その他の話題

「川崎重工・海外最大の鉄道受注、北陸新幹線が開業」

崎重工業が海外で過去最大となる鉄道車両を受注したことが、テレビ東京の取材で分かった。受注したのは米国ニューヨーク州にあるロングアイランド鉄道で、受注額はおよそ1800億円。これは海外の受注金額としては過去最大となる。ニューヨーク州交通局などによると、川崎重工は2017年から納入を始め、最終的には676両を納入する見込み。ロングアイランド鉄道はニューヨークのマンハッタンと郊外を結ぶ通勤路線で、老朽化した車両の更新と、サービス向上を図る。川崎重工はこれまでに、ニューヨークの地下鉄など4350両を受注、全米車両の25%を占める(テレ東)。一方、再来年の3月、東京と金沢の間を約2時間半で結ぶ、北陸新幹線が開業する。現在より1時間以上所要時間が短縮される新幹線の開業を、ビジネスに結び付けようとの動きが、金沢では早くも活発になっている。路線価も急上昇している(NHK)。

 

9月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・東海旅客鉄道、第2位・アップルジャパン、第3位・東日本旅客鉄道」

月は東海旅客鉄道JR東海)が「リニア新幹線に菅官房長官が試乗」「新幹線がオリンピックに間に合わないか」「安倍政権がこの技術を海外に売り込む」などのリニアを中心とした話題で、換算値66億7800万円を獲得し第1位に輝いた。第2位は、「新型iPhone・発売からわずか3日で900万台」などの報道で、アップルジャパンが獲得した。第3位は、「東京駅が変わる・五輪追い風」などの報道で東日本旅客鉄道となった。第4位は、「新型iPhone発売・ドコモ参入で競争激化へ」などの報道でNTTドコモ、第5位は、「五輪関連株軒並みUP・意外な銘柄も」などの報道で三井不動産、第6位は、「国産ロケット・イプシロン・発射大成功!!」などの報道で宇宙航空研究開発機構になった。第7位は、「ホンダ・北南米強化で部品工場建設へ」などの報道でホンダ、第8位は、「新幹線&地下鉄裏側大公開SP・地下鉄大輸送」などの報道で東京地下鉄、第9位は、「“移動時間”楽しむ・通勤客の姿が」などの報道で東武鉄道、第10位は「孫社長・シェア確保に自信・シリコンバレーに開発拠点」などの報道でソフトバンクとなった。

 

9月の人物ランキング

「第1位・東京電力・広瀬直己社長、第2位・JR北海道・野島誠社長第3位・JR東海・山田佳臣社長」

第1位・東京電力・広瀬直己社長187件(柏崎原発の安全審査・東電が規制委に申請など)、第2位・JR北海道・野島誠社長93件(JR北海道トラブル・特別保安監査終わるなど)、第3位・JR東海・山田佳臣社長48件(リニア中央新幹線のルートを発表など)、第4位・NTTドコモ・加藤薫社長47件(新iPhone発売で新戦国時代へ・ドコモのトップを直撃など)、第5位・日本銀行・黒田東彦総裁44件(黒田総裁の「援護射撃」も!?など)、第6位・日本経団連・米倉弘昌会長18件(どうする消費税など)、第7位・KDDI・田中孝司社長17件(新iPhone発売で熱狂!火花散る顧客獲得競争)、第8位・ホンダ・伊東孝紳社長11件(インドネシア市場狙って・意気込む日本メーカーなど)、第9位・楽天・三木谷浩史社長10件(楽天・創設9年目・パリーグ初優勝など)、第10位・ニトリホールディングス・似鳥昭雄社長6件(ニトリ・儲かる秘密・「お・ねだん以上」の舞台裏など)。

                     

●テレビの窓

「iPhoneフィーバー再び・NTTドコモも参入」

マートフォン市場では韓国・サムスン電子などGoogleの基本ソフト・アンドロイドを採用した端末が急速にシェアを伸ばす一方で、アップルの売上げは低迷していた。こうした中アップルがiPhone新型機種を発売した。アップルは発売から3日間の販売台数が900万台を超え、発売直後の販売台数としては過去最高になったと発表した。NTTドコモが取り扱いを開始したことや、これまで日本や米国より遅れて発売していた中国でも同時期に販売されたことなどが背景にある(NHK)。発売された新型iPhoneは5s、5cの2機種あり、5sの処理速度は従来の2倍と高機能。新たに指紋認証センサーが追加されセキュリティーが強化されている。5cの性能はiPhone5とほぼ同じだがプラスチック製にすることで価格を低く抑えた。発売初日にはNTTドコモ、ソフトバンクKDDI(au)の各店舗に多くの人が並んだが、最も並んだのは東京・銀座アップルストアだった(フジ)。3社は一定条件で端末価格を実質無料にするなど、複数のキャンペーンをこぞって打ち出しており、激しい販売競争が展開されている(NHK)。今回、NTTドコモがiPhone販売に参入した理由についてITジャーナリスト・石川温氏は「これまでNTTドコモは国内メーカーに配慮しiPhoneを扱わなかったが、NECカシオモバイルコミュニケーションズのスマホ事業撤退などが影響した。さらに世界的なシェアを伸ばしたかったアップルとも利害が一致し今回の参入につながったのではないか」と指摘している(TBS)。

 

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