テレビ報道に見る産業・経済月報(平成27年3月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成27年3月)

「日経平均・約15年ぶり1万9700円台回復・GDP下方修正・0.03%マイナス成長に」

 

今月の特徴は1.日経平均・約15年ぶり1万9700円台に、2.GDP下方修正、3.民間設備投資が7四半期連続でプラス、4.春闘の動向、5.エネルギー関連の動向となった。

                                                                                                

1.日経平均・約15年ぶり1万9700円台に

ニューヨーク市場での株高を受け、23日の東京株式市場では、1万9700円台を記録し、取引時間中としての今年の最高値を更新した。先週、米国の中央銀行にあたるFRBの声明を受け、ゼロ金利政策を米国が維持するとの見方が広まり、株式市場に大量にお金が流れ込む構図は変わらないと市場関係者を安心させている。国内では企業の賃上げで個人消費回復の期待感に加え、株主への配当金を増やす企業が増加している(TBS)。今後、日経平均2万円到達はあるのか。プリンシパルグローバルインベスターズのジムマコーガンCEOは「もちろん可能。2万円は今の株価から5%ほど高い水準にすぎない。予測は難しいが、2万円は2015年の後半、2万1000円は来年度末までに到達可能とみている。ただ、2015年、日本株は2~3回5~10%の大きな下落をするだろう。大事なことは、それらは無視すべきで、買いのチャンスだということだ」と指摘した(テレ東)。

 

2.GDP下方修正

去年通年のGDP(国内総生産)の実質成長率が前年と比べて0.03%減だった。マイナス成長というのは東日本大震災が起きた2011年以来3年ぶりのことになる。2月に公表された1次速報では0.04%のプラスだったが、結果的には下方修正された(テレ朝)。

 

3.民間設備投資が7四半期連続でプラス

財務省発表の「法人企業統計(去年10-12月)」によると企業の設備投資(金融・保険業除く)は9兆7080億円で前年同月比2.8%増となった。プラスとなるのは7四半期連続。円安の影響などで製造業を中心に業績が拡大したことから経常利益は、18兆651億円(前年同月比11.6%増)。比較可能な1954年以来、過去最高を記録した(TBS)。

 

4.春闘の動向

春闘のヤマ場となった集中回答日。大手企業では過去最高となる回答が相次いだ。経団連・榊原会長は「大企業は先陣として姿勢を示した」、日本商工会議所・三村会頭は「1次、2次下請けに波及すると思う」とコメント。今年はどこまで高い水準のベアが実現するかが焦点だった。自動車業界ではトヨタが4000円アップ、日産が5000円アップ、ホンダが3400円アップ、電機業界では日立パナソニック東芝が3000円アップ、外食産業ではすかいらーくが4300円アップ、ゼンショーHDが2000円アップ、建設業では大成建設が7910円アップ、大林組が5500円アップ。北海道・ニトリは5042円アップ、愛知・デンソーアイシン精機は3000円アップ、鹿児島では鹿児島銀行が3%アップ、栃木では元気寿司が5000円アップとなった。日本総合研究所・チーフエコノミスト・山田久は「企業のマインドが少しずつ良くなり始めている。業績が改善すれば一時金だけでなく基本給・ベアにも反映させていく流れが定着し始めている」とコメント。経済産業省のデータでは、日本には資本金や従業員の数で定義される「大企業」は10596社で、日本の全企業の0.3%(NHK)。

 

5.エネルギー関連の動向

美浜原発1、2号機、敦賀原発1号機、玄海原発1号機、島根原発1号機など古い原発の廃炉が相次いで決まった。経済産業省によると、廃炉にかかる費用は1基につき350~834億円程度。廃炉費用は電気料金で回収することが法律で決められており、原発の発電量に応じて電気料金に上乗せして積み立てられている。原発会社は原発を60年間運転する前提で積立金を回収する見込みだが、福島第一原発の事故を受け、国は原発の運転期間を原則として40年までと方針を転換。原発の廃炉が前倒しになると、積立金が回収できないことが問題と指摘されていた。そこで一昨年、経産省は電力会社が積立金の不足分を引き続き10年間回収できるようにルールを改正。この仕組みによって廃炉を進めやすくするのが狙い。来年から電力の小売りも全面自由化され、原発を利用しない事業者からも電気を購入することができるようになるが、その場合でも廃炉費用を負担しなければならない可能性がある。一橋大学大学院・橘川武郎教授は「10年かけて回収しようとすると、電気を運ぶ送金料金から取るしかない」とコメント。経産相は電力全面自由化後の廃炉費用の負担について、具体的な範囲は今後検討するとしている(TBS)。一方、東京電力が、柏崎刈羽原発の地元の新潟県に新潟本社を設置することが分かった。東京電力によると組織改編は、福島復興本社にならった形。現在は柏崎刈羽原発は本店原子力立地本部新潟事務所が担当。4月からは新潟本社に格上げし、社長直轄の新潟本部が統括する方針。人員を3倍以上に拡充し、地元への情報提供を強化する。再稼働に向け地元での活動を拡充する狙いがあるとみられる(TBS)。

 

 

●注目点                                                        

「日銀・黒田総裁が就任して2年」

・黒田総裁が就任して2年が経ち、記者会見を開いたが約束した2年で2%という物価目標は達成できておらず、いつになく苦しい会見となった。強力な金融緩和は景気回復に大きな役割を果たしてきたが、デフレ脱却を目指し、2013年4月に掲げた2%の物価目標はほぼ達成できないとみられる。黒田総裁は「消費者物価は当面0%程度で推移する可能性が高い。若干のマイナスになる可能性も排除できない」と述べ、総裁就任から2年で想定外の結果になったことについては「一番大きかったのは原油価格の大幅な下落。世界中でほとんど予想していなかった」とコメントした。ただ記者からは「2年の期限が来て、物価は2%どころかゼロに近づいている。」、「物価目標は達成できなかったと認めて、素直に説明すべきでは」といった厳しい質問が飛んだ。大和総研・チーフエコノミスト・熊谷亮丸は「政策は全体としては着実な成果を上げていると思っていて、株の時価総額は200兆円増えており、日本経済も着実に良くなり、これから賃金も上がっていく。原油安という伏兵があったので、結果的に4月以降物価は一時的にマイナスに転落するので物価目標の達成は極めて困難。今後については、必ずしも2年にこだわる必要はなく、そこはもうちょっと柔軟にやってもいい。市場サイドは主として10月くらいに緩和をするとみているが、黒田総裁は2年間に2%というのに相当こだわっているし、市場の裏をかくということを重視しているので、現実的には7月くらいに緩和の可能性もある」と指摘した(テレ東)。

 

 

●新潮流

「コンビニ戦国時代・業界再編の行方」

ークルKサンクスを傘下にもつユニーグループHDファミマリーマートが経営統合に向けた協議を開始すると発表した。来年の統合をめざすという。統合すれば首位のセブンイレブンを抜き、国内最大級の店舗網となる。ユニーグループHD・佐古則男社長は「コンビニで1万7000店舗の規模は2強に入る。真っ向勝負できる」、ファミリーマート・中山勇社長は「国内でまだまだ成長できる」と述べた。さらにファミリーマートは東海地域を中心に展開するココストアの買収も検討。ファミリーマートサイドは「様々な協力関係について親会社・盛田エンタプライズと協議している」とのコメントを発表、春にも合意を目指す。実現すればファミリーマートは、売上高で業界2位に浮上する。ココストアについてはローソンも買収交渉していたが打ち切ったとみられる(テレ東)。コンビニ・サークルKサンクスとファミリーマートが統合に向けた交渉を開始したことについて、セブン&アイホールディングス・鈴木会長は「ほとんど関心がない」とコメントした(テレ朝)。

 

 

3月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・東日本旅客鉄道、第2位・西日本旅客鉄道、第3位・三井不動産」

月は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が北陸新幹線や上野東京ラインの開業、そしてトワイライトエクスプレスのラストラン等の話題により、119億2800万円というCM換算値で第1位に輝いた。第2位は、「JR西日本が重大発表!トワイライトエクスプレスがまさかの復活!”」などの報道で、西日本旅客鉄道が獲得した。第3位は、「生まれ変わる日比谷・芸術文化の発信地へ」などの報道で三井不動産となった。第4位は、「新年度投資額約4倍に・リニア中央新幹線・工事本格化」などの報道で東海旅客鉄道、第5位は、「トヨタ株価・5日連続で最高値」などの報道でトヨタ自動車、第6位は、「春節効果・百貨店売り上げ増加」などの報道で三越伊勢丹ホールディングスになった。第7位は、「アップルが横浜に新開発施設」などの報道でアップル・ジャパン、第8位は、「コーヒー“戦国時代”・ファミレスが名乗り…“高級路線”」などの報道ですかいらーく、第9位は、「パナソニック・1兆円投資で攻勢へ」などの報道でパナソニック、第10位は「コンビニ業界・大激震!大型経営統合実現へ」などの報道でユニーグループ・ホールディングスとなった。

 

 

3月の人物ランキング

「第1位・大塚家具・大塚久美子社長、第2位・大塚家具・大塚勝久会長、第3位・ファーストリテイリング・柳井正会長」

第1位・大塚家具・大塚久美子社長240件(大塚家具騒動に決着!など)、第2位・大塚家具・大塚勝久会長232件(父vs娘に母参戦・約3時間10分の舞台裏など)、第3位・ファーストリテイリング・柳井正会長46件(世界の長者番付・ユニクロ柳井会長が日本人1位など)、第4位・アップル・ティムクックCEO34件(アップルウォッチ来月に発売など)、第5位・日銀・黒田東彦総裁31件(日銀・黒田総裁20日で就任2年など)、第6位・関西電力・八木誠社長30件(美浜・敦賀・3基廃炉決定など)、第7位・ソフトバンク・孫正義社長13件(資産1200億円超の富豪・過去最多など)、第8位・ファミリーマート・中山勇社長13件(ファミマ・ユニー統合協議・街で人気のコンビニは?)、第9位・経団連・榊原定征会長12件(賃上げの春!相次ぐ高額回答など)、第10位・JR東日本・冨田哲郎社長11件(鉄道業界No1企業・JR東日本のヒミツ!など)。

 

 

●テレビの窓

「米国・ベンチャーの祭典SXSWに日本のベンチャーが挑戦」

XSW(サウスバイサウスウエスト)は世界のベンチャーの登竜門で世界中の投資家やIT、ベンチャー企業が注目する祭典。米国南部テキサス州の州都オースティンにはこの時期、世界中から7万人以上が集まりお祭り騒ぎになる。会場で講演をしていたのはグーグル・エリックシュミット会長。2013年、グーグルグラス向けのアプリが初公開されたのも、2007年にツイッターが飛躍したきっかけもこの祭典で、ウエアラブル端末のブームやツイッターのブレイクはここから始まった。今回この祭典で開かれたコンテストに日本の企業が初めて挑戦した。数分間のスピーチで自社技術やサービスを英語でアピール。500社以上が応募したうち、日本のベンチャー企業SIXは日本企業で初めて決勝の48社に残った。「歌詞も視覚的に楽しめるスピーカー」で勝負をかける。審査員の「どのマーケットを狙っているのか」との質問にSIX・斉藤迅は「最初は高級品としてブランド力を高め、その後は低価格商品も投入したい。」とコメントし、商品の魅力だけでなく、将来の販売戦略もアピール。最終的にSIXは、審査員特別賞を獲得。高い商品力が評価された結果だ。SIX・野添剛士社長は「日本のものづくりが落ちてきている中、アイデアやコンセプトを作る力を磨くことで、日本は世界で戦える。その目的に少しでも近づけた」とコメントした(テレ東)。

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