テレビ報道に見る産業・経済月報(平成27年8月)

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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成27年8月)

「3四半期ぶりマイナス・4~6月のGDP年率マイナス1.2%」「中国発世界同時株安で、日経平均株価一時1万8000円台を割りこむ」

 

今月の特徴は1.GDP年率マイナス1.2%、2.日経平均株価・一時1万8000円割れ、3.TPPの動き、4.エネルギー関連の動向となった。

                                                                                                

1.GDP年率マイナス1.2%

4~6月までのGDP・国内総生産の改定値は実質で、前月比-0.3%。年率換算で-1.2%となり、8月発表の速報値-1.6%からわずかに上方修正された。企業の設備投資の新たな統計を反映した結果、下方修正されたものの、個人消費が上方修正された為、全体としては小幅な上方修正となった(TBS9/8)。マイナス成長は3四半期ぶりで主な要因は個人消費が伸び悩んだこと。家庭用電化製品や携帯電話の販売が減ったほか、天候不順によって衣料品の販売が落ち込んだことも影響した。輸出も中国などアジア諸国を中心に落ち込んだ。甘利経済財政相は「消費者物価の上昇からすれば、賃上げがそれにともなっていない肌感覚がある」とコメント。内閣府幹部は「今はまだ道半ばで、デフレ脱却はしていない。企業はもうかっているがそれが設備投資など攻めの経営に向かっていない」と分析している(日テレ)。

 

2.日経平均株価一時1万8000円割れ

中国発の世界的株安で東京株式市場の株価は大幅に下落した。25日の日経平均株価は600円以上下げ半年ぶりに1万8000円台を大きく割り込んだ(テレ東)。世界同時株安の要因は中国リスクで、中国の実体経済が予想より悪いのではないかとの警戒感があり、今後世界的に景気が悪化するのではないかとの懸念が高まった結果、売り注文を加速させた(日テレ)。第一生命経済研究所・主席エコノミスト・永濱利廣によると「世界経済の成長率の3分の1は中国によるもの」だと述べたが、甘利明経済再生担当大臣は「中国が原因となる世界同時不況ということにならないよう(中国政府は)万全の政策対応を今後もとると思っている」と述べ、「日本経済の基調は順調だ」と強調した(TBS)。

 

3.TPPの動き

甘利経済再生相は今月中のTPP閣僚会合の開催は「厳しい」と述べ、8月中の閣僚会合は難しいとの認識を示した。TPP交渉は乳製品や知的財産などをめぐり対立しており、最終合意に向け難航が予想される(日テレ)。

 

4.エネルギー関連の動向

鹿児島県にある川内原子力発電所1号機は31日、原子炉の出力が100%に引き上げられフル稼働の状態になった。来月10日に国の最終検査を受け、問題がなければ国内の原発としては2年ぶりに営業運転に入る。東京電力・福島第一原発の事故から4年5か月経過したが、これまでに全国で15の原発25基が原子力規制委員会に安全審査を申請した。一方、再生可能エネルギーとして期待される地熱発電について、環境省は、国立公園や国定公園で開発が規制されてきた地域でも、地下の熱源に向けて区域の外から斜めに井戸を掘ることで開発を認める方針を固めた。火山の多い日本は世界でも3番目に多い地熱発電の資源量があるとされている。熱源の約8割は国立・国定公園の地下にあるとされている為、事業者から規制緩和を求める声が挙がっており、環境省は、第1種特別地域での開発を認める方針。認められれば、全国にある地熱の資源量の約7割が開発できるようになる。しかし特別保護地区での開発は引き続き認めない方針。一方、電力販売に関して、ネット通販大手の楽天は、発電所を持つ大手商社・丸紅から電力を調達し、来年4月以降、通販サイトに登録しているおよそ4万2000の出店者と、旅行予約サイトに登録する宿泊施設など小規模事業者に電力を販売する方針。これらの事業者には、これまでは大手電力会社しか電力販売が認められていなかったが、法改正によって来年4月以降、どの企業でも販売ができるようになる。楽天は来年4月から自由化される、家庭向けの電力販売への参入も検討していて、5年後には電力市場の5%のシェア獲得を目指している(NHK)。

 

 

●注目点                                                        

「東芝・決算発表を再延期」

々な形で事業内容を変化させながら時代に対応してきた東芝が不正会計問題がらみで決算発表を再延期した(9月7日に過去の決算を修正発表。下方修正額は2248億円に拡大)。原子力発電関連事業もアキレス腱になっている。東芝は2006年に米国・ウェスチングハウス社を「のれん代」をふくめて買収したが、その後、東京電力福島第一原発事故が発生し、国内では原発稼働が停止、新設や増設の動きも事実上凍結状態になった。また海外でも原発計画に慎重論が強まるなど、事業を取り巻く環境が一変した。会計ルール上では、「のれん代」に見込んだほどの価値が無くなった場合、その時点で再評価をして目減り分を損失へ計上しなければならないが、東芝は今のところ「のれん代」の評価を見直していない。会社側では原発への核燃料の供給や発電所の保守などで事業は伸びており将来性もあると説明しているが、この先、場合によっては戦略の見直しが問われる可能性もある。結果的に今日では東芝は事業会社の寄せ集めのようになっており、この危機を乗り越える為には強い経営者が立ち、社内の求心力を高めることが欠かせない。何よりも大事なのは法律やルールを守ることこそがビジネスの原点(NHK)。

 

 

●新潮流

「日本生命・三井生命買収で首位奪還へ」

本生命三井生命を買収することで大筋合意した。買収が実現すれば、日本生命は保険料等の収入で第一生命から業界1位の座を取り戻すことになる。日本生命の強みは“生保レディ”などの現場の営業力。三井生命は銀行窓口での販売力が強みで、タッグを組むことで、シェア拡大を目指す。この動きの背景には人口減少による国内市場の縮小がある。日本生命・児島一裕常務執行役員は「ナンバーワンにこだわっていきたい」と述べた。一方で外資や異業種の参入も相次いでいることや、日本郵政グループ「かんぽ生命」の動きにも注意を払っている。かんぽ生命は11月に株式を上場するがこれにより制限されてきた新規事業に乗り出しやすくなるという。生保業界が危機感を募らせるのはかんぽ生命に政府出資が間接的に残ることで、生命保険協会・筒井義信会長は「客から見れば政府が何らかの支援を行うのではとの認識が生じる。民業圧迫の懸念がある」とコメントした(テレ朝)。

 

 

8月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・宇宙航空研究開発機構、第2位・オリエンタルランド、第3位・三井不動産」

月は、宇宙航空研究開発機構が、国際宇宙ステーションに滞在している油井亀美也の記者会見や「こうのとり」打ち上げ成功、更にはドッキング成功等の話題により、広告換算値50億8900万円で第1位に輝いた。第2位は、「夏のディズニーランド・最新・スティッチと話せる」などの報道で、オリエンタルランドが獲得した。第3位は、「日本最大級の大型複合施設・今秋グランドオープン」などの報道で三井不動産となった。第4位は、「スカイマーク再生計画・ANAなど支援企業に」などの報道でANAホールディングス、第5位は、「空の玄関口で夏のおもてなし」などの報道で東京空港事務所

第6位は、「川内原発1号機フル稼働」などの報道で九州電力になった。第7位は、「“小口消費”争奪戦・JR東は独自路線」などの報道で東日本旅客鉄道、第8位は、「涼感!夏の水辺ランチ・券売機でお得フレンチ」などの報道で東急不動産ホールディングス、第9位は、「楽天・小規模事業者に電力小売りへ」などの報道で楽天、第10位は「ターゲットは日本人客・羽田就航の吉祥航空とは」などの報道でエイチ・アイ・エスとなった。

 

 

8月の人物ランキング

「第1位・ロッテ・重光武雄会長、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁、第3位・ソフトバンク・孫正義社長」

第1位・ロッテ・重光武雄会長51件(ロッテ“お家騒動”兄弟対決に決着かなど)、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁24件(黒田総裁がNYで講演など)、第3位・ソフトバンク・孫正義社長17件(ソフトバンクグループ・Pepperが決算会見で説明など)、第4位・ライトレール・阿部等社長13件(相次ぐケーブル火災・なぜ?など)、第5位・ノースサファリサッポロ・星野和生社長11件(札幌の動物園から逃亡・ペリカンなど)、第6位・西川産業・西川八一行社長9件(眠らず眠りを極める・450年企業のこれからなど)、第7位・日本マクドナルド・サラカサノバ社長兼CEO9件(日本マクドナルドの“気になるその後”など)、第8位・日本生命・筒井義信社長8件(日本生命・買収で首位奪還へなど)、第9位・日鉄住金鋼管・中西康平社長4件(日鉄住金鋼管川崎製造所の倉庫で火災など)、第10位・グッドパッチ・土屋尚史社長4件(モットー貫き単価2倍に!など)。

 

 

●テレビの窓

「世界制覇?拡大する”Google帝国」

グーグルCEOラリーペイジがブログで新会社アルファベットを設立し、グーグルの子会社化を発表した。世界時価総額ランキング2015(7月)によると、1位はAppleで約690億ドル、2位はGoogleで約450億ドル、3位はMicrosoftで約375億ドル(Think 180 aroundより)だった。グーグルは、検索エンジンの他グーグルマップやYouTubeなどを運営し、自動運転車などの開発やコンタクトレンズなどの健康、医療事業、投資事業などネットと離れた分野にも手を広げている。ラリーペイジはブログで「メインのインターネット関連事業と離れた分野の会社は、グーグルの下ではなくアルファベットの下に置かれることになる」と、巨大化しすぎた事業をそれぞれ独立させることを発表した(フジ)。

 

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