2012年衆議院選挙の報道分析

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2012年衆議院選挙の報道分析

期間:2012年12月4日~ 12月17日

<[1]論調と分析>

[1]-(1) 2012年衆議院選挙

史上最多12の政党が乱立する中、4日に公示されおよそ12日間にわたって繰り広げられた衆議院総選挙。各局は、一斉に衆議院すべての議席の3分の2を上回る352議席を獲得して自公が圧勝(自民党は294議席を獲得)、民主党は現職閣僚8人が落選し、議席を4分の1に減らす歴史的惨敗となったと報じた。また投票率は、小選挙区59.32%、比例代表59.31%となり、現憲法下で過去最低となったと伝えた。第三極については、各局は日本維新の会が、公示前の11議席から大幅に増やして54議席となり第3党に躍進し、みんなの党も18議席と議席を増やしたが、日本未来の党は公示前の議席から大きく後退し9議席にとどまったと伝えた。衆議院選挙獲得議席は480議席すべてが確定し、民主党57、自民党294、国民新党1、公明党31、日本維新の会54、日本未来の党9、みんなの党18、共産党8、社民党2、他6となった。激変するこの民意のうねりを見ると、いかに民主党への失望感が強いかが窺い知れる。今回300議席近くを獲得した自民党にしても、今後の実績を見て民意が大きく離反する可能性は大きい。今、民意が鋭く政治を見ている。

[1]-(2)2012年衆議院選挙 各局の論調分析)

放送局 論調分析
NHK 「おはよう日本」で、太田真嗣解説委員は「圧勝した自公が本当の意味での安定政権となるためには次の参院選挙での勝負が鍵」と指摘した。
日本テレビ 「Oha!4」で日本テレビ解説委員・小栗泉は「自民党の圧勝の理由として投票率の低さと有権者の民主党離れがある」と指摘した。
TBS 「ひるおび!」でTBS報道局解説委員・岩田栄一は、「今回は民主党にNOという選挙だった」と指摘した。
フジテレビ 「めざましテレビ」で時事通信社・田崎史郎は、「民主党が60議席を切るという予測は事前にされていなかった。民主党に対する批判の強さが今回はっきりと出た」と指摘。
テレビ朝日 「ワイドスクランブル」番組アナウンサーは、「今回の日本未来の党の惨敗は小沢神話の終焉、小沢王国の崩壊を印象付けた」と指摘した。
テレビ東京 「Newsモーニング・サテライト」番組アナウンサーは、「オバマ政権ではTPPに積極的だった民主党・野田総理への評価が高かった。安倍総裁のタカ派的言動で周辺国との関係がぎくしゃくするのではとの危惧の声も出ている」と伝えた。


<[2]主要報道のコメント>

NHK


放送日 番組名 ニュースタイトル 放送時間 発信者名
1 2012/12/11 時論公論 2012衆院選・安心な暮らしは? 23:56:53-171秒 解説委員・後藤千恵
○解説委員・後藤千恵
社会保障制度が揺らいだときに最も影響を受けるのは若い世代。今の世代だけでなく、将来の世代にも目を向けているのはどの政党なのか、自分の目で見極め一票を投じて欲しいと思う。諦めずに一歩でも前に進むための選択が我々に迫られている。
2 2012/12/17 おはよう日本 安倍政権誕生へ・各国の反応は 07:49:44-92秒 オバマ大統領、中国国営新華社通信、KBSテレビ
○米国・オバマ大統領(声明)
安倍総裁にお祝い申し上げたい。日米同盟はアジア太平洋地域の平和と繁栄の礎だ。両国間の地域の問題にとどまらず、国際的課題に緊密に協力していくことは楽しみだ。
○中国国営新華社通信
安倍総裁は自民党政権公約の中で人を不安にさせるような政策を主張している。
○KBSテレビ(韓国)
右傾化した公約の自民が圧勝し日韓関係に大きな波紋が広がっている。日本の新政権は強硬な外交政策をとるのではないか。
3 2012/12/17 衆院選2012列島ドキュメント 衆院選 08:55:04-194秒 NHK政治部記者
○NHK政治部記者
本来他候補の応援に回るべき人々が自分の選挙区に張り付いて選挙戦を戦っていたことが民主党の選挙戦の厳しさを象徴している。前総理が小選挙区で当選できずに比例区で当選を果たすなどというのは、政治記者20年やっていて初めてのこと。
4 2012/12/17 NHKニュース 中国共産党機関紙“日本の当局が混乱どう収拾するか見る” 12:11:12-67秒 番組アナウンサー
○番組アナウンサー
衆議院選挙の結果政権が交代することになったことについて中国共産党の機関紙「人民日報」は、日本が厳粛に対応すべき問題は靖国神社参拝、尖閣諸島をめぐる対立、平和憲法の問題と指摘し、「日中関係は今、進むか後退するかのひとつの鍵を握る段階にある。日本の新しい指導者が大局的立場から対立がエスカレートするのを避けできるだけ早く両国間の焦点を島の問題から重要議題に移すことを希望する」と指摘、尖閣諸島をめぐる対立などで日本の動きに注目し、日本の当局が混乱した状態をどう収拾するのかをみるという論評を掲載して自民党・安倍総裁をけん制した。


日本テレビ

放送日 番組名 ニュースタイトル 放送時間 発信者名
1 2012/12/15 ウェークアップ!ぷらす ニッポンThe総選挙・今回の総選挙が示す意味
08:32:05-398秒 評論家・宮崎哲弥、読売新聞特別編集委員・橋本五郎、読売テレビ特別解説委員・岩田公雄
○評論家・宮崎哲弥
小選挙区とワンイシューというのが今までの傾向を見ると、相性がいいが、本当にワンイシューでいいのか。今回は乱立し過ぎだとは思うが、いろんな論点が多角的にあり、その中で選択するというのは本来の選挙のあり方ではないのか。
○読売新聞特別編集委員・橋本五郎
我々が試されているということ。そこはよく考えないといけない。
○読売テレビ特別解説委員・岩田公雄
違う政策のはずだったのがひとつになったり、途中で党が合流したりしどこに入れたらいいものか混乱した選挙になった。
2 2012/12/17 スッキリ!! 自民294議席・自公で3分の2超 10:08:44-251秒 自民党・安倍総裁、公明党・山口代表、野田首相、維新の会・橋下代表代行、石原代表
○番組アナウンサー
昨日投票が行われた衆議院選挙は自民党が圧勝し公明党と合わせると衆議院で3分の2を超える議席を獲得。参議院で法案が否決されても衆議院で再可決できる320議席を上回った。自民党、公明党両党は3年か月ぶりに政権を奪還。日本維新の会は54議席を獲得し衆院で第3党になった。しかし橋下代表代行が首相指名選挙で自民党・安倍総裁に投票すべきとの考え、石原代表が国会議員団代表・平沼赳夫に投票するのが好ましいと考えで食い違いがみられる。
○自民党・安倍総裁
自民党に信任が戻ってきたというよりも、民主党の3年間の体制にNOという国民の声なのだろう。自民党に対する国民の厳しい目はそのまま続いていくと思われるので、結果を出していくことにより国民の信任を本当に勝ち得ていきたい。
○公明党・山口代表
前回の悔しさが強いバネになりこういう結果をもたらし、また小選挙区で最高の議席を取ることができた。
○野田首相
一生懸命働いてくれた仲間や将来が嘱望される有為な人材を数多く失ってしまった。痛恨の極みだ。政治は結果責任だ。このような厳しい敗北に至ったその最大の責任は党の代表である私にある。その結果を重く受け止め、民主党の代表を辞任する。
○日本維新の会・橋下代表代行
これだけ自公に国民のみなさんの期待がある以上は、50議席ぐらいの維新の会で単独で自分たちの誰かを首相に推すなどということは民主主義のイロハから言ってもおかしい。
○日本維新の会・石原代表
最初から何をするか分からない他党の党首を首班に指名するというのは政党のプライドというか独自性から言っても論外だ。


TBS

放送日 番組名 ニュースタイトル 放送時間 発信者名
1 2012/12/17 ひるおび! 自民・単独過半数確保・圧勝の理由は何だったのか? 10:08:21-346秒 自民党・石破茂幹事長、政治アナリスト・伊藤惇夫、TBS報道局解説委員・岩田栄一、法政大学教職課程センター長・尾木直樹、室井佑月、ふかわりょう
○法政大学教職課程センター長・尾木直樹
今回の選挙結果は3年前の反転現象を見ているみたいで驚いた。
○室井佑月
気になったのが投票率が低かったこと。
○自民党・石破茂幹事長
どこの党にやらせても同じなので投票に行かないという人が多かったのだろう。
○政治アナリスト・伊藤惇夫
不思議な選挙だった。自民の投票日直前の政党支持率は自民党が惨敗した時のものよりも低かったのにこれだけ大勝してしまったのは非常に不思議。比例の方では自民党に投票する人は多くなかった。
○TBS報道局解説委員・岩田栄一
今回は民主党にNOという選挙だった。
○ふかわりょう
勝ちは勝ちでもここまで勝つと何か不気味なものを感じる。


フジテレビ

放送日 番組名 ニュースタイトル 放送時間 発信者名
1 2012/12/17 めざにゅ~ 米国でも自民党勝利報道・中国との関係懸念 04:45:01-139秒 USAトゥデイ、ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナル
○USAトゥデイ電子版
自民党勝利で日本が右傾化、さらに中国との緊張が高まる。
○ワシントンポスト電子版
安倍政権では軍事費の増加や憲法改正について日本国民の意見が明らかになる。また安倍総裁が望む尖閣諸島での体制強化で中国政府を激怒させることになり、中立的立場の米国も日本の肩を持たざるを得なくなる。
○ウォールストリートジャーナル
安倍総裁の経済政策は巨大な借金を抱えた日本で成功するのか、強硬な外交で周辺国との緊張が増し、日本が孤立するのではないか。新政権は日本が信頼できるパートナーであることを米国に示すことが重要。
2 2012/12/17 ノンストップ 与党の民主が惨敗・長島防衛副大臣・生出演 10:13:49-608秒 藤村修官房長官、長島昭久防衛副大臣
○民主党・長島昭久防衛副大臣
選挙戦では民主党の主張は聞いてもらえなかった。マニフェストを達成できなかった、風呂敷をひろげたが、ひとつもできなかったと有権者からシャッターをおろされていた。選挙戦の前半はこうしたことに反論していたが、途中から言い訳をしないことにした。
○藤村修官房長官
(落選の原因は)力不足であったということにつきる。


テレビ朝日

放送日 番組名 ニュースタイトル 放送時間 発信者名
1 2012/12/17 やじうまテレビ! 各国メディアも総選挙報道・安倍総裁への懸念も 05:54:38-57秒 NYタイムズ紙、中国中央TV、韓国・連合ニュース
○番組アナウンサー
CNNテレビやAP通信など欧米のメディアは選挙に勝利した自民党・安倍総裁の5年ぶりの政権復帰を大きく伝えた。中国や韓国のメディアも速報し、日本の右傾化懸念の記事を配信した。
○NYタイムズ紙(電子版)
安倍総裁は自民党の保守と国家主義の典型。
○中国中央TV
安倍総裁が強硬路線を取れば東アジアに危機をもたらす。
○韓国・連合ニュース
右翼号が錨を上げた。


テレビ東京

放送日 番組名 ニュースタイトル 放送時間 発信者名
1 2012/12/15 週刊ニュース新書 田勢康弘×後藤謙次 11:36:34-613秒 田勢康弘、後藤謙次
○ジャーナリスト・後藤謙次
10年後を想像しながら、今どの政党を選ぶべきかを考えて投票するべき。野田総理という現職総理とかっての総理であった安倍総裁の対決の構図。こうした構図は今まで見たことがない。その意味でも結果に注目したい。
○田勢康弘
そんなに簡単に政治は変えられない。政治にはできることとできないことがあり、できないことの方が多い。あまり夢のようなことを言っている政党や候補者には投票しない。国民の声を間違いなく反映させるなどと言っている候補者には入れない。
2 2012/12/17 Newsモーニング・サテライト 米国「日米関係はアジアの礎」 05:48:55-185秒
06:01:34-79秒
CSIS・マイケルグリーン日本部長、ヘリテージ財団・ブルースクリングナー元CIA分析官
○番組アナウンサー
自民党圧勝で、オバマ大統領は声明を発表し「日米関係はアジア太平洋地域の礎」として自民党・安倍総裁に祝福の意を表明。良好な関係を維持する意向。オバマ政権ではTPPに積極的だった民主党・野田総理への評価が高かった。安倍総裁のタカ派的言動で周辺国との関係がぎくしゃくするのではとの危惧の声も出ている。ウォールストリートジャーナルは「日本国民は自民党・安倍総裁の現状打開に賭けた」「自民圧勝は金融緩和と領土問題に強硬な姿勢推進を意味」。ニューヨークタイムズは「今回の結果は民主党への批判。安倍が前回同様すぐに辞任するかもという声も」と伝えた。フィナンシャルタイムズは「米国の政治家は自民党勝利を歓迎する一方、中国や韓国への強硬姿勢に懐疑的な声もある。
○CSIS・マイケルグリーン日本部長
民主党より自民党は党として一貫性があり、官僚や産業界ともいい関係を築ける。安倍自民党は参院選挙が控えているからかTPPに明確な態度を示していない。日米関係を考慮すればTPPに参加に関し態度をはっきりさせた方がよい。
○ヘリテージ財団・ブルースクリングナー元CIA分析官
懸念されるのは一連の愛国主義的な発言だ。米国は日韓指導者に対し、領土や歴史的問題を無視しろとは言わないまでも中国や北朝鮮などの現実問題に対処するため、未来志向の外交政策をとるよう促してきた。強硬路線をとることは逆効果になるだろう。

平成24年12月17日

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