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『チャグチャグ馬コ』は、毎年6月の中旬に行われる岩手県の伝統的なお祭りです。 色とりどりの美しい装束を身につけた約100頭もの馬と200人近くの人々が 滝沢村の「蒼前神社」から「盛岡八幡宮」までの約15キロの道を行列します。 馬につけられた大小の鈴から流れるシャグシャグという音と カラフルな装束が盛岡に夏の到来をつげます。



チャグチャグ馬コのはじまり 〜岩手県の愛馬精神と蒼前神社〜

岩手県地方は、昔から馬の産地であり、 江戸時代には馬耕用に農民が飼うようになって、家族同様に 馬と生活する農民の姿が見られました。 こして養われてきた愛馬精神から自然に生まれたのが, 馬の守り神をまつった「蒼前神社」が生まれました。 そして、毎年端午の節句には、日頃の農作業の労をねぎらい、 休養をかねて蒼前神社へお参りをするという風習が生まれました。

そのうち近郷近在からたくさんの馬が集まるようになると、 自慢の馬をすぐって競い合うようになり、家宝でもある華やかな 装束を誇らかに着せて、蒼前参りに行くようになったと言います。 行列が盛岡まで来るようになったのは昭和に入ってからということです。


馬コの装束 〜総額200万相当!心のこもった手づくり装束〜

『チャグチャグ馬コ』の行列に参加する馬たちが身につけているのは、 江戸の南部藩時代の「小荷駄」装束の流れを汲むものです。 「小荷駄」とは参勤交代で江戸に上る大名たちが、行列の後尾に従えていった 荷物で、馬によって運ばれていました。 その際に馬に着せていたのが「小荷駄装束」です。

この装束には厳しいしきたりがあります。まず基本は、鼻かくし・まびさし・ 耳袋・首よろい・胸がい・腹あて・尻がい・結い上げ・吹き流し・二布ぶとん・ 鳴り輪・小鈴などで全身をおおいます。 胸がいやがいにはたくさんの小鈴がつけられ、歩くたびに「チャグチャグ」と 美しい音色をたてることから「チャグチャグ馬コ」の名前が生まれました。

馬衣類は良質の麻を用いた手編みで、染料も紫紺染め、草木染めの古代味 あふれた手法をとっています。 また豪華なものは総練り絹を材料にしていて、時価で一そろいを新調するには、 ざっと二百万円はかかります。



『チャグチャグ馬コ』について勉強したところで・・・
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