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鷺舞はその昔、京都祇園会に風流として舞われたといいます。
その後、今から四百年程前に、山口を経由して津和野に移りました。
現在では、伝統的な形を伝承しているのは唯一津和野だけ。
本家、京都の祇園祭で現在行われている鷺舞は、近年津和野から
伝習し、復活したものです。
「橋の上に降りた鳥は何んの鳥
河ささぎの 河ささぎの ヤァ河ささぎ
鷺が橋を渡した 鷺が橋を渡した
時雨の雨に濡れ鳥、鳥 ヤァ河ささぎ」
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津和野の鷺舞にはこんな歌詞があります。
この歌詞については、長い年月を経るとともに、歌いやすいように変化
していったもののようです。
由来については不明な点が多いようですが、
この歌詞に出てくる「河ささぎ」は本来「かささぎ(鵲)」であるという説が
あります。
「かささぎ」は七夕伝説の中で、織姫と彦星が逢う時、天の川に
翼を広げて橋をかけた鳥であり、「かささぎの橋」は、日本の和歌の中でも、
男女の結ぶ橋の意で使われていました。
この為、鷺舞の歌詞の中で、「鷺が橋を渡した」のは「かささぎの橋」で
あろうという考察があるようです。
雌雄2羽の鷺が優雅に舞うこの舞からも、このロマンチックな説が
伺えます。
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