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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成28年10月)

「貿易収支・2期連続の黒字・東日本大震災前の水準まで回復」

 

今月の特徴は1.景気の行方、2.TPP関連、3.エネルギーの動向となった。

                                                                                                

1.景気の行方

財務省が発表した貿易統計によると2016年度上半期の貿易収支は2兆4580億円あまりの黒字となり、東日本大震災前の水準まで回復した。輸出額は中国向けの液晶部品、台湾向けの鉄鋼などが減少し、前年同期比-9.9%。輸入額は原油価格の下落などで前年同期比-19.1%。一方9月の全国の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数が前年同月比で0.5%下落し、7ヶ月連続のマイナスになった。原油安で電気代の低下などが要因となった。また9月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は26万7119円で、実質で前年同月比で2.1%減り、7ヶ月連続のマイナスとなった(TBS)。

 

2.TPP関連

TPPの国会承認を求める議案と関連法案について、自民党公明党両党は、8日の衆院通過を断念することになった。両党は10日には本会議で採決したい考えだが、民進党などは山本農林水産大臣の辞任を求めて攻勢を強めていて、与野党の攻防が激しくなっている。TPPの国会承認を求める議案と関連法案は山本農相が強行採決に関する発言を冗談と述べたことなどに反発する民進党、共産党が激しく抗議する中、先週、衆院特別委で可決された。自民党、公明党両党は米国側の承認を促すため、大統領選前の8日、衆院通過を目指すも、民進党が反発を強めていることも踏まえ断念することになった。議案などの成立を期すために国会会期延長は避けらないという見方が強まっている(11/8NHK)。

 

3.エネルギーの動向

東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県知事選挙で原発再稼働に厳しい姿勢を示す米山隆一が当選した。7月の鹿児島県知事選挙で原発再稼働に慎重な知事が誕生したのに続く結果。安倍内閣が進める原発再稼働路線に対して、国民の眼差しが厳しい現実。東日本大震災に伴う福島第一原発事故を境に、原発を抱える地域の考え方は大きく変わった。一方、新エネルギーでは新たな動き。新しい地熱発電システムの開発に成功したと、東京のベンチャー企業と京都大学が発表した。地下にある高温の熱水などを汲み上げる従来の方法とは異なり、地上から地下深くに水を送り込み、地中の熱で温めて電力を作る方式。環境への負担が小さいということで、会社では今月15日から試験運転をはじめ、2年後の実用化を目指したいとしている(NHK)。

 

 

●注目点

「JR九州上場・完全民営化」

R九州(九州旅客鉄道)が東証一部に上場した。初日の取引では売り出し価格2600円を上回る2990円で取引を終え、金曜日の終値は3025円。鉄道事業が赤字続きの中での上場だった。JR九州・青柳俊彦社長は会見で「長い道のりだった」とコメント。青柳社長は東京大学工学部を卒業後、1977年に国鉄に入社。1987年の国鉄民営化後は、JR九州で九州新幹線全線開通に尽力し、一昨年JR九州の社長に就任した。JR東日本JR東海JR西日本の3社が、ドル箱路線を持ち鉄道を含む運輸サービスで大幅な利益を出す一方、JR九州は105億円の赤字で、九州新幹線や豪華寝台列車ななつ星などで話題を集めてはいるものの大きな収益には至っていない。JR九州全体の利益は2016年3月期決算で208億円の黒字。不動産などの非鉄道事業で成功。東洋経済・大坂記者は電話で「成功の理由は駅ビルをつくったこと」と述べた(テレ朝)。

 

 

●新潮流

「日本郵船・商船三井・川崎汽船・海運大手3社・コンテナ船事業統合へ」

本郵船商船三井川崎汽船の海運大手3社は船の供給過剰などによる国際的な運賃の低迷で経営環境が厳しさを増す中、主力の定期コンテナ船事業の統合に向けた新会社を設立する事で合意したと発表した。来年7月に計3000億円を出資して新会社を設立した上で再来年4月にコンテナ船の共同運航などを実施。コンテナ船は食料品や日用品、電化製品など様々なものを運ぶ事業で3社の売上は計2兆円に上りこの分野で世界6位の規模を持つことになる。3社では統合のスケールメリットで年間約1100億円の効果を見込むとしていて収益力を高めて厳しい競争を乗り越えていきたいとしている(NHK)。

 

 

10月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・オリエンタルランド、第2位・セブン&アイ・ホールディングス、第3位・ソニー」

10月のCM価値換算はオリエンタルランドが50億3800万円で第1位に輝いた。具体的には「東京ディズニーランドに美女と野獣エリアがオープン」との告知情報と「東京ディズニーリーゾートでのハロウィーン」などの露出が寄与した。第2位は「セブン&アイ・百貨店縮小・H2Oに関西3店譲渡」などの報道でセブン&アイ・ホールディングスになった。第3位は、「バーチャルリアリティー・ソニーがゲーム機発売」などの報道で、ソニーが獲得した。第4位は「トヨタ自動車とスズキが業務提携」などの報道でトヨタ自動車、第5位は「ららぽーと湘南平塚“家族に優しいサービス”で勝負!」などの報道で三井不動産、第6位は「簡単なひと手間で焼きそばが大変身!ロバート馬場の絶品マル秘スパイス焼きそば」などの報道でクックパッドになった。第7位は「海外から来たプロもびっくり!日本のツナ缶&マグロ・2時間SP」などの報道ではごろもフーズ、第8位は「三越伊勢丹・パリに“日本”伝える新店舗」などの報道で三越伊勢丹ホールディングス、第9位は、「秘密のケンミンSHOW」などの報道でリンガーハット、第10位は「大西宇宙飛行士・ISSから帰還」などの報道で宇宙航空研究開発機構となった。

 

 

10月の人物ランキング

「第1位・日産自動車・カルロスゴーン社長、第2位・三菱自動車・益子修会長兼社長、第3位・日本銀行・黒田東彦総裁」

第1位・日産自動車・カルロスゴーン社長61件(三菱自動車・日産傘下で再建など)、第2位・三菱自動車・益子修会長兼社長34件(株式34%の出資受け・三菱自動車・日産の傘下になど)、第3位・日本銀行・黒田東彦総裁31件(日銀総裁・2%の物価目標の達成・延期示唆・18年度以降になど)、

第4位・トヨタ自動車・豊田章男社長30件(トヨタとスズキ・業務提携へ協議開始など)、第5位・スズキ・鈴木修会長28件(トヨタ・スズキ・業務提携検討など)、第6位・経団連・榊原定征会長23件(日本でもドゥテルテ節・連日の大遅刻など)、第7位・JR九州・青柳俊彦社長18件(JR九州上場・完全民営化など)、第8位・レオスキャピタルワークス・藤野英人社長16件(ポケモンGO・若者離れを食い止めろ!など)、第9位・ソフトバンク・孫正義社長13件(ソフトバンク・10兆円ファンドの狙いとはなど)、第10位・森ビル・辻慎吾社長9件(銀座最大!商業施設開業など)。

 

 

●テレビの窓

「グーグル・AIビジネス拡大へ・日本で説明会」

国のIT企業・グーグルは、AI人工知能のビジネスを拡大しようと、日本で初めて企業を対象とした戦略説明会を開き、日本市場での事業を拡大させる考えを示した。説明会では、グーグルのAIの研究部門・グレッグコラードが戦略を説明した。最先端のAIを去年11月、無償で公開し、世界標準狙う“オープン化戦略”を進めている。グーグルは、より高性能のAIを使うことができる有償ビジネスに新たに乗り出した。説明会では、AI導入した日本企業の担当者も登壇し、ラジオ体操の上達具合を採点するスマホ用アプリの開発の事例や、ドローンで撮影した空撮映像をAIで分析、測量に活用する事例などが紹介された(NHK)。

 

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