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テレビ報道に見る産業・経済月報
(令和元年5月)

「1-3月期GDP2.2%のプラス」「安倍総理・消費税を10%に引き上げる予定に変わりはない」

 

今月の特徴は1.1-3月期GDP2.2%のプラス、2.消費増税の動き、3.米中貿易摩擦の影響、4.エネルギーの動向となった。

 

1.  1-3月期GDP2.2%のプラス

今年1月から3月までのGDP・国内総生産の改定値は、最新の統計データを反映した結果、企業の設備投資が非製造業を中心に増加し、年率に換算した実質の伸び率がプラス2.2%となった。内閣府では、今回設備投資が伸びたのは、卸売りや小売り、サービス業など非製造業が中心で、製造業では中国経済の減速による輸出や生産の弱さを受けて、投資は低調という見方に変わりはないとしている(6/10NHK)。

                                                                                                

2.消費増税の動き

24日公表された月例経済報告書で示されたのは「景気は緩やかに回復している」という政府の強気の見解だった。「輸出や生産」は表現を下方修正したものの、景気の結論については「回復」を維持した。景気回復を示した主な根拠として、4月の新車販売やGWの旅行者数が増加したことなどを挙げているが、専門家からはこの判断に疑問の声が上がっている。専門家が指摘するのは、年明け以降の経済指標の数字の悪さであり、景気動向指数(3月・内閣府)は、6年2ヶ月ぶりに「悪化」を示し、百貨店の売上高も、3ヶ月連続のマイナスとなっている。一方、安倍総理は24日に国会で「リーマンショック級の出来事が起こらない限り、今年10月に10%に引き上げる予定に変わりはない」と強気の姿勢を見せた(TBS)。経済評論家・上念司は「デフレの兆候がある中で増税したらリーマンショック級の危機になる、増税は凍結すべき」と話している(テレ朝)。

 

3.米中貿易摩擦の影響

米国・トランプ政権が中国の通信機器大手「ファーウェイ」と米国企業との取引を事実上禁止した。日本の携帯大手3社(KDDIソフトバンクドコモ)がファーウェイの新製品の「発売延期」や「予約の受付停止」を発表した。これは米国グーグルがファーウェイへのスマホ向け基本ソフトなどの提供を停止するとの報道を受けたもの。こうした動きに経済界からは影響を懸念の声も出ている(TBS)。ブックオフでは買い取ったファーウェイ製の中古品のデータを正しく消去できるか保証できないとして、買い取り停止を決めた(日テレ)。ファーウェイは100社以上の日本企業と取り引きしており、去年、日本企業からの調達額はおよそ7300億円。米国の措置で今後、製品の販売や開発に影響が出た場合、部品を供給している日本企業にも大きな影響が及ぶおそれがある。京セラジャパンディスプレイは、「状況を注視している」としているほか、パナソニックは「米国の措置について、詳細を確認中だが、当社としてはその内容を順守する」としている(NHK)。

 

4.エネルギーの動向

原子力規制委員会は、原子力発電所がテロ対策の施設を期限までに設置できない場合、原則運転の停止を命じることを決めたが、これまでに全国で一つもテロ対策施設は完成していない。こうしたなか、九州電力は、佐賀県にある玄海原発3号機について、期限までに完成させたいとの意向を示した(NHK)。一方、原油輸入の8割を中東からまかなっている日本にとって、気になる動きは、米国がホルムズ海峡に向けて原子力空母を派遣するなどし、イラン情勢が緊迫していることだ。日本政府としては日本のエネルギー供給の生命線となっているホルムズ海峡が封鎖されるような事態は回避すべきだとしており、イランとの伝統的な関係も生かして一定の役割を果たしたい考え(NHK)。

 

 

●注目点

「狭まるファーウェイ包囲網・5Gの行方は…」

報通信分野は、中国政府が推し進める「中国製造2025」の最重点分野であり、その中でもファーウェイはその基幹プレーヤーを担っている。次の焦点は5G基地局の調達で、ファーウェイが世界でどれだけシェアをとれるかということ。この状況の中でもファーウェイは既に、30以上の5G基地局と契約を済ませているが、米国のファーウェイ排除の動きについては、同盟国の中でもかなり対応が割れている。オーストラリアやニュージーランドは完全排除の方向。日本はファーウェイを政府調達から排除した。ドイツは政府調達からも排除せずとしている。2つ目の焦点は、世界のインターネットの分断がさらに進むのではないかということ。中国がいわゆるBATと言われるプレーヤーで、米国はグーグルフェイスブックアマゾンとかがプレーヤーだが、今後はアプリのレベルだけでなく、OSレベルでアンドロイドにも対抗するような中国独自のOSを作る道に、走りだす可能性がある。それから半導体がどうなっていくのかということにも注目が集まっている(テレ東)。

 

 

●新潮流

「アマゾンが生鮮品や総菜などのインターネット通販事業を始めると発表」

ット通販大手「アマゾンジャパン」とスーパー大手「ライフコーポレーション」は、生鮮品や総菜などのインターネット通販事業を始めると発表した。アマゾンの有料会員向けサービス「プライムナウ」に「ライフ」が出店し、都内の一部地域を対象に、年内にも開始する。注文された商品は、ライフの店舗で店員が集めてアマゾンが配送し、最短2時間で届く。国内のスーパーがアマゾンに出店するのは初めてで、これによりプライムナウで取り扱う商品が最大8000品目程度増える見通し。共働き世帯や高齢者が増えるなか、商品の宅配需要は高まっていて、楽天と西友も組むなど、ネット通販とスーパーの実店舗が融合する流れが加速している(TBS)。

 

 

5月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三井不動産、第2位・オリエンタルランド、第3位・ローソン」

019年5月度のテレビ報道月間CM価値換算ランキングの第1位には三井不動産が49億500万円で輝いた。具体的には「ビジネス関連のイベントに本田圭佑が出席した」「選手村マンションのモデルルームに見学者が殺到した」「ミッドタウンこいのぼりくぐり」等のイベントの紹介が多かった。第2位は「ディズニー拡大戦略・トップを直撃」などの報道でオリエンタルランドとなった。第3位は「看板にことしもできたツバメの巣!」などの報道でローソン、第4位は「24時間営業は?セブン株主総会」などの報道でセブン&アイホールディングス、第5位は「世界禁煙デー“全店舗全面禁煙”」などの報道ですかいらーくホールディングス、第6位は「ポテチ・カルビー賞味期限を延長」などの報道でカルビー、第7位は「中国配車サービス・トヨタが出資検討」などの報道でトヨタ自動車、第8位は「通勤電車マニアと巡る新生活応援ツアー」などの報道で東武鉄道となった。第9位は「高島屋などが開設・GW対応・社内に臨時保育所」などの報道で高島屋、第10位は「無印が銀座の“顔”に?目玉は…幻の食材」などの報道で良品計画となった。

 

 

5月の人物ランキング

「第1位・ルノー・ジャンドミニクスナール会長、第2位・日産自動車・西川廣人社長、第3位・トヨタ自動車・豊田章男社長」

第1位・ルノー・ジャンドミニクスナール会長71件(ルノー会長・3社連合会議の成果強調など)、第2位・日産自動車・西川廣人社長40件(日産・西川社長・ルノー・FCA統合に“前向姿勢”など)、第3位・トヨタ自動車・豊田章男社長36件(国賓・トランプ大統領来日・最大級“おもてなし”など)、第4位・ファーウェイ・任正非CEO29件(日本でも人気・ファーウェイ・米国・強烈な逆風のワケなど)、第5位・ソフトバンクグループ・孫正義会長兼社長25件(トランプ大統領・財界トップらとの会合に出席など)、第6位・日本銀行・黒田東彦総裁21件(世界経済「下振れリスク大きい」など)、第7位・三菱自動車・益子修会長CEO19件(日産・三菱自・賛否示さずなど)、第8位・ローソン・竹増貞信社長18件(定額制でお得に外食も…食品ロスをどう減らす?など)、第9位・NTTドコモ・吉澤和弘社長17件(新プラン発表・ドコモ・端末料金実質3分の2になど)、第10位・楽天・三木谷浩史会長兼社長13件(山本リンダと楽天・三木谷会長が都内で接触事故・けが人なしなど)。

 

 

●テレビの窓

「三菱UFJ銀行・紙の通帳を原則廃止」

菱UFJ銀行は6月10日から店頭で原則として紙の通帳ではなく、インターネット上の通帳の利用を促す方針を明らかにした。紙の通帳の発行は希望者のみとなる。既に新規で口座を開設する人は大半がネットバンキングを利用している。インターネット上の通帳では、最長10年前までさかのぼり、入出金の明細が閲覧可能。デジタル化を進める背景について三菱UFJフィナンシャルグループ・三毛兼承社長は「想定以上に厳しい経営環境がある」と述べた。日銀の超低金利政策が続く中、三菱UFJフィナンシャルグループの2019年3月期の決算(純利益)は8726億円(前年比12%減)となり銀行店舗の統廃合を進めるなど経営の効率化を急いでいる。紙の通帳の発行で銀行は1口座について年間200円の印紙代を負担しているが、通帳のデジタル化を進めることでコスト削減につなげたい考えだ(テレ東)。こうした中、三菱UFJ銀行は2023年度末までに全国の店舗の35%を減らす方針を明らかにした。ネットバンキングの普及などで店舗を訪れる利用者が減っていることが背景で、デジタル端末などを活用し、これまでよりも少ない人数で運営できる店舗の比率を高めていきたい考え(NHK)。

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