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テレビ報道に見る産業・経済月報
(令和元年7月)

 

「4~6月GDP・3期連続プラス成長」「日銀・大規模な金融緩和策の維持」

今月の特徴は1.4~6月GDP・3期連続プラス成長、2.日銀の動き、3.貿易収支2期連続の赤字、4.消費税の動き、5.日韓経済摩擦の動き、6.米中経済摩擦・ファーウェイの動き、7.エネルギーの動きとなった。

                                                                                                

1.4~6月GDP・3期連続プラス成長

今年4月から6月までのGDP・国内総生産は、物価の変動を除いた実質の伸び率が、前の3か月と比べてプラス0.4%、年率に換算してプラス1.8%となり、3期連続のプラス成長となった。米中の貿易摩擦を背景に輸出が落ち込んだものの、個人消費や設備投資の伸びが補った形(NHK8/9)。

 

2.日銀の動き

日銀は、金融政策決定会合を開催し、現在の大規模な金融緩和策の維持を決めた。黒田東彦総裁は「これまでよりも前向きに、必要があれば躊躇なく追加の金融緩和策を取る」と強調している(TBS)。一方、米国・FRB連邦準備制度理事会は金融政策を決める会合を開き、中国との貿易摩擦が長期化し景気が減速するのを防ぐため政策金利を引き下げることを決めた。FRBが利下げに踏み切るのは2008年12月以来、約10年半ぶりとなり、金融緩和の方向に大きく政策を転換した(NHK8/1)。

 

3.貿易収支2期連続の赤字

財務省の発表によると、日本の今年1月から6月までの半年間の輸出額は38兆2404億円で、去年の同じ時期に比べて4.7%減り、5期ぶりの減少となった。このうち中国向けの輸出は7兆301億円と8.2%減った。これは米中貿易摩擦を背景に中国の景気が減速し、半導体製造装置の輸出が21.4%減少したほか、自動車の部品も18.2%減ったため。一方、日本の今年1月から6月までの輸入額は39兆1292億円となり、この結果、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8888億円の赤字となった。赤字となるのは去年7月から12月までの半年間に続き2期連続となる。また、先月6月の日本の貿易収支については5895億円の黒字で、2か月ぶりの黒字となったが、中国向けの輸出が減ったことなどから黒字幅は前の年の同じ月と比べて19%の減少となった(NHK)。

 

4.消費税の動き

今年10月の消費税率引き上げで、景気対策として実施されるキャッシュレス決済のポイント還元を巡り、スマホ決済などを行う決済サービス各社は、中小の店舗に対して制度への登録を急ぐよう、働きかけを強めている。フリマアプリ・メルカリが手がけるメルペイは今月、東京・杉並区の商店街でキャンペーンを行い、担当者が加盟店に足を運んで、ポイント還元制度への早めの登録を呼びかけた。参加する店舗は、キャッシュレス事業者にすでに加盟していても、消費税率の引き上げに伴うポイント還元に参加するには改めて制度への登録が必要となる(NHK)。

 

5.日韓経済摩擦の動き

日本政府が半導体材料の韓国への輸出規制を強化したことで日韓の外交関係が悪化し、不買運動が起きていることで経済に一定の影響がでている(TBS)。この問題が半年、1年続くようなら韓国の半導体製造にも大きな影響を与え、世界の半導体需給にも影響を与えていく可能性がある。世界へのハイテクにもインパクトを与える話になる点で注意しておかなければいけない(テレ東)。

 

6.米中経済摩擦・ファーウェイの動き

およそ3カ月ぶりに再開した米中の閣僚級の貿易交渉は、中国・上海で行われているが具体的な進展があるかは不透明な情勢だ(TBS)。トランプ大統領は22日、グーグルインテルなど米国企業の経営トップと面会。禁止されているファーウェイとの取引許可を求められ、トランプ大統領が一時同意したという。その一方、ワシントンポストでは22日、ファーウェイが少なくとも8年間に渡って、北朝鮮の通信網の構築に秘密裏に協力していたとの報道も出ている。ここに米国の技術が使われている可能性もあり、北朝鮮への米国の輸出規制に抵触する可能性もあることから、トランプ大統領が調査する姿勢を示している。報道を受けファーウェイ側は、「ファーウェイは北朝鮮において、いかなる事業も行っておりません。国際連合、米国ならびに欧州連合の関連輸出規制、制裁を含め、当社が事業を行う国と地域の全ての法規制を順守しています」とコメントしている(テレ東)。

 

7.エネルギーの動き

期待が高まる再生可能エネルギーだが、50~70%という安定感のある発電システムの開発が進んでいる。そのエネルギーとなるのが日本の沿岸を流れる黒潮を使った世界初の海流発電。重工業メーカー・IHIが公開したのが海流発電の実証試験機「かいりゅう」。「かいりゅう」は黒潮の流れを利用して発電するシステム。黒潮は日本の沿岸を流れる世界的にも強い海流で、年間を通じて安定している。「かいりゅう」は2017年の実験で、黒潮で発電することに成功している。IHIは実用化に向けて、この秋から1年間にわたる長期の実証実験を行う予定。2030年頃の復旧を目指し、発電効率が良くなる大型化にもチャレンジしていく(テレ東)。一方、東京電力の取締役会で福島第二原発の廃炉が正式に決まった。福島第二原発は東日本大震災で津波の被害を受け、4基すべての運転を停止している。事故を起こした第一原発と合わせ福島県内の原発10基全ての廃炉が決まった。廃炉作業には約2800億円、40年以上かかるとみられる。東日本大震災以降全国で廃炉を決めた原発は21基となり、再稼働は9基にとどまる(日テレ)。

 

 

●注目点

「ソフトバンク・11兆円超・第2のファンド設立へ」

フトバンクグループは、既に運営する10兆円規模のファンドに続いて、AI人工知能分野のベンチャー企業に投資するために新たに日本円で11兆円に上る第2のファンドを設立することとなった。ソフトバンクグループとして380億ドル(日本円で4兆1000億円)を出資するほか、マイクロソフトアップルなど大手IT企業も出資し、総額は1080億ドル(日本円で約11兆7000億円)に上る。ソフトバンクグループは2年前、サウジアラビアの政府系ファンドなどから出資を受けて10兆円規模のファンドを設立し、配車アプリ大手の米国のウーバーや中国の滴滴などに投資を進めている。最初のファンドで最大の出資者となったサウジアラビアの政府系ファンドも第2のファンドに参加する方向で調整しているという。参加が決まれば総額はさらに拡大する見込み(NHK)。

 

 

●新潮流

「リブラに対する根強い懸念」

ェイスブックが計画している独自の暗号資産リブラについて。フランス・シャンティイで開かれたG7主要7か国の財務相中央銀行総裁会議でもどう規制するかが議論になった。各国はリブラについて利用者の情報を守り、金融システムを守るため発行する企業側は最高水準の金融規制を満たすべきという認識で一致した。G7ではマネーロンダリング、テロ資金、金融政策が効かなくなること、利用者保護などが懸念されている他、通貨主権が脅かされるという心配もある。これに対し利用者が世界で27億人と全人口の3分の1に達しているフェイスブックは懸念の払拭に躍起となっている。麻生財務大臣はG7として強い懸念を共有したとして「G7として強いメッセージを出すことが出来た」と述べた(NHK)。米国議会の公聴会でもリブラに対する批判が相次いでおり、米国の基軸通貨であるドルが揺さぶられるという懸念を抱いている。新興国で銀行口座は持っていないが、スマホを持っている人がこれを使うとドルが揺さぶられることになる。ただし、この技術が確立されれば米国は手のひらを返し、取り込みに入る可能性もある(テレ東)。

 

 

7月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・宇宙航空研究開発機構(JAXA)、第2位・三井不動産、第3位・セブン&アイ・ホールディングス」

019年7月度のテレビ報道月間CM価値換算値ランキングでは「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」が45億7800万円で第1位に輝いた。具体的には「はやぶさ2」が小惑星リュウグウへの2度目の着陸に挑戦した一連の報道やトヨタと有人探査機の共同研究を開始したことなどが貢献した。第2位は「ハワイの名門ホテルが沖縄進出・全室オーシャンビューの絶景」などの報道で「三井不動産」となった。第3位は「セブンイレブン初出店・最後の空白地沖縄に!」などの報道で「セブン&アイ・ホールディングス」、第4位は「大戸屋の従業員が選んだメニューTOP10!」などの報道で「大戸屋ホールディングス」、第5位は「関東巨大ショッピングモールめぐりの旅」などの報道で「イオンモール」、第6位は「楽天・DMMの格安スマホ事業・買収へ」などの報道で「楽天」、第7位は「“世界一”ミラーレスカメラ・ソニー画素数6100万」などの報道で「ソニー」、第8位は「涼を求めて日帰り高原バスツアー!名産!プラム&桃食べ放題・収穫体験」などの報道で「エイチ・アイ・エス」となった。第9位は「ディズニーシーに新アトラクション・空飛ぶ乗り物で世界旅行」などの報道で「オリエンタルランド」、第10位は「メルカリが経営権取得・鹿島社長見守る中…」などの報道で「メルカリ」となった。

 

 

7月の人物ランキング

「第1位・ジャニーズ事務所・ジャニー喜多川社長、第2位・吉本興業・岡本昭彦社長、第3位・吉本興業・大崎洋会長」

第1位・ジャニーズ事務所・ジャニー喜多川社長832件(A.B.C-Zが明かすジャニーさん伝説など)、第2位・吉本興業・岡本昭彦社長636件(雨上がり決死隊・宮迫博之が会社と再会談?など)、第3位・吉本興業・大崎洋会長206件(吉本興業・お家騒動・波紋広がるなど)、第4位・京都アニメーション・八田英明社長107件(八田社長からのメッセージなど)、第5位・かんぽ生命保険・植平光彦社長73件(社長ら引責辞任を否定・かんぽ全3000万契約を検証へなど)、第6位・日本郵便・横山邦男社長57件(かんぽ3000万件の契約調査へ・広がる不正・過度な利益追求かなど)、第7位・日本銀行・黒田東彦総裁56件(日銀・金融緩和策を維持へなど)、第8位・セブンペイ・小林強社長46件(スマホ決済・セブンペイ・不正利用で混乱も・コンビニ各社参入の狙いは?など)、第9位・日本郵政・長門正貢社長36件(かんぽ生命・不適切な保険販売・約3000万件・全契約を検証へなど)、第10位・メルカリ・小泉文明社長26件(“フリマアプリ”急成長も・カリスマCEO“次の一手”など)。

 

 

●テレビの窓

「LGユープラス・5G体験イベントを韓国で開催」

本でも2020年から始まる次世代通信「5G」が体験できるイベントが韓国で行われた。主催者は韓国の大手通信業者・LGユープラス。これまでのスマホとどこが異なるのか。一番大きいのはこれまでのスマホは、送られてくる決まった映像を見るだけだったが、「5G」仕様のスマホでは多くのデータを一度に受信できるため、視聴者が複数のカメラで撮影された映像の中から能動的に自分の見たい映像に切り替えて見ることができる。さらに自分の好きな角度を選んで見ることができる。5G時代はスマホ片手にライブに行ったり、スポーツ観戦をすることが主流になるかもしれない。5G先進国の韓国ではあるが、地下では「5G」回線はあまり繋がらない。5Gユーザーであっても4G優先の設定にしているという。KT、LGユープラス、SKテレコムなど通信キャリアによって速度にばらつきがあることも課題だ(テレ東)。

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