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テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成30年7月)

「日銀・大規模緩和の方針を修正」

 

 

今月の特徴は1.日銀の動き、2.日EU・EPA締結、3.エネルギー関連の動きとなった。

                                                                                                

1.日銀・大規模緩和の方針を修正

日本銀行は金融政策決定会合で今の大規模な金融緩和策を一部修正することを賛成多数で決めた。日銀はこれまで0%程度に誘導してきた長期金利は維持しつつ、一定程度の上昇や下降を容認する方向に修正した。また国債の買い入れ額について、年間80兆円をめどとしつつも「弾力的な買い入れを実施する」と改めた。ETF・上場投資信託を年間で約6兆円買い入れていることについて、一定程度の減額もありうるとしている。日銀は2%の物価上昇を達成するため、これまで大規模緩和策を続けてきたが、未だに2%にはほど遠いことから今回、金融政策の一部修正に踏み切った(TBS)。

 

2.日EU・EPA締結

安倍総理大臣はEU・ヨーロッパ連合のトゥスク大統領らとEPA・経済連携協定に署名した。安倍総理大臣は「(EPAの署名は)日本とEUが自由貿易の旗手として世界をリードしていくとの揺るぎない政治的意思を世界に鮮明に示すものだ」と述べた。今後EPAはそれぞれの国会・議会の承認を経て来年前半にも発効する見通し。EPAが発効すればEUから輸入されるワインの関税は即時撤廃され、チーズの関税は一定の枠内で15年の間に撤廃される。一方日本から輸出する乗用車の関税は7年かけて撤廃される(日テレ)。これにより世界のGDPの3割を占める世界最大級の規模の自由貿易圏が誕生することになる(TBS)。

 

3.エネルギー関連の動き

政府の会議は2050年までに日本を含む世界で販売する日本車について、排出する温室効果ガスを8割程度削減することを目指し、すべて電気自動車やハイブリッド車などの電動車とする報告をまとめた。電池のコストを3分の1に引き下げることや中古電動車が高く下取りされることを目指す(日テレ)。一方で、日本企業の間で事業に使う電力を全て再生可能エネルギーで賄おうとする動きが広がって来ている。富士通丸井グループなど10社は10~30年かけ段階的に事業に使う電力を再生可能エネルギーに切り替える方針で、企業の利用拡大で普及に弾みがつく可能性がある(テレ東)。

 

 

●新潮流

「トヨタ・豊田章男社長“100年に一度の危機”」

ヨタ自動車が過去最高となる2兆5000億円の純利益を出したにもかかわらず、会見時間が従来の3倍という異例の決算会見を行った。トヨタ・豊田章男社長は「自動車産業はいま100年に1度という大変革の時代に突入している」と危機感を露わにした。トヨタが新たなライバルとして見ているのはグーグルアップルなどのIT企業。自動車業界では今後、自動運転など新たな技術開発が主戦場となるが、ここでカギを握るのがデータ解析やAI(人工知能)。グーグルの子会社・ウェイモは自動運転の走行実験を加速させている。米国では既に地球200周分の公道を走らせているという。年内には完全自動運転車の公共交通サービスを世界で初めて開始する予定。利用者はスマホのアプリを使って配車リクエストし自動運転で目的地へ行けるという。グーグルのソフトウェアを入れることでどのメーカーの車でも自動運転ができるようになる。トヨタはグーグルの元幹部を自動運転ソフト開発の新会社・TRI-ADのCEOに据えた。これだけでもトヨタの持つ危機感がいかに大きいかうかがえる(テレ朝)。

 

 

●注目点

「日銀が政策修正・なぜ今なのか?」

回、日銀はなぜ政策を修正する事になったのか。直近の理由としては日銀が掲げている2%の物価目標がなかなか思う様に上がらない為で、現在は1%弱(消費者物価指数)。さらに、来年10月には消費税増税が予定されていて、増税後には国内の消費が落ち込む可能性も指摘されていることもある。加えて米国・トランプ大統領の保護主義政策が世界経済の先行きに影を落とすのではないかとの懸念も影響を与えている。台風が来る前に川の土手に土嚢を積む作業を行ったと見て良いだろう。9月には自民党総裁選があり、11月には米国の中間選挙がある。政治イベントがある時はなかなか日銀としても金融政策の舵取りをしづらいという事情もある。金融緩和の出口が当面ないという事で日銀が腹をくくったというのが今回の決定のポイントで、この先も金融緩和を続けられる様にした形となる(テレ東)

 

 

●7月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・スタートトゥデイ、第2位・セブン&アイ・ホールディングス、第3位・東武鉄道」

月期のテレビ報道CM価値換算値ランキングでは「スタートトゥデイ」が36億8400万円で第一位に輝いた。具体的には新生ZOZOタウンビジョン発表会や完全オーダーメイドビジネススーツ販売への展開、さらにはプロ野球球団の運営に意欲を示した話題などが寄与した。第2位は「オムニ7の感謝祭!大満足フェア」などの報道で、セブン&アイ・ホールディングス。第3位は、「栃木・宇都宮グルメ&絶景ツアー12000円」などの報道で、東武鉄道が獲得した。第4位は「小倉優子vs岡田結実・涼し気ピンクパンツ×大人マキシワンピ」などの報道で、イオンモール。第5位は「世界はほしいモノにあふれてる」などの報道でフェリシモとなった。第6位は「たばこが売り上げ左右・人気串カツ店の戦略的変貌」などの報道で串カツ田中ホールディングス、第7位は「帰れま10」などの報道で王将フードサービス、第8位は「来園者全員を顔認証で記録・富士急ハイランド」などの報道で富士急行。第9位は、「探査機明らかにした小惑星とは」などの報道で、宇宙航空研究開発機構。第10位は「日航・中国東方航空と包括提携」などの報道で日本航空となった。

 

 

7月の人物ランキング

「第1位・スタートトゥデイ・前澤友作社長、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁、第3位・ヤマトホールディングス・山内雅喜社長」

第1位・スタートトゥデイ・前澤友作社長140件(剛力彩芽・前澤社長の写真を初投稿など)、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁38件(黒田日銀総裁“金融緩和の持続性強化”など)、第3位・ヤマトホールディングス・山内雅喜社長16件(ヤマト子会社・引っ越し代金を過大請求など)、第4位・スーパーアキダイ・秋葉弘道社長12件(猛暑と今後の台風予想・野菜の価格に与える影響?など)、第5位・ピクシーダストテクノロジーズ・落合陽一CEO11件(世界に誇る!ニッポンの『お金』の美学!など、第6位・串カツ田中・貫啓二社長9件(大阪B級グルメを全国に!夢は1000店舗の串カツ店ほか)、第7位・楽天・三木谷浩史社長8件(世界最大級の航空展に空のミライなど)、第8位・メルカリ・小泉文明社長兼COO7件(投資をしない奴は死ぬ!?など)、第9位・三菱重工・宮永俊一社長7件(巨艦企業・三菱重工・MRJ・生みの苦しみなど)、第10位・サカタのタネ・坂田宏社長5件(タネは貴重な知的財産・サカタ式の守り方など)。

 

 

●テレビの窓

「消費者が企業に売る・CtoBの時代が到来?」

シア発祥の新しいタイプの中古車買い取りサービスが、日本で本格的に動き始めた。三井物産が25%出資するカープライスが7月31日、記者会見を開き、今後の戦略を説明した。カープライスはロシアの中古車買い取り業者の日本法人で、最大の特徴はライブオークション。査定の場所はガソリンスタンドなど全国200箇所以上にある提携企業。カープライスは2021年までに年間50万台の買い取りを目指している。このビジネスモデルがうまくいけば、中古車市場における新しい潮流のCtoBを促す起爆剤になるとみられている。一般消費者が中古製品を企業に売ることになるが、これまではメルカリオートバイテルなどにみられるように一般消費者同士のCtoCビジネスモデルが多かった。カープライスは一般消費者がカーディーラーに売る仕掛けだが、そうなると情報を持っているディーラーの方が有利になり、一般消費者が買いたたかれる可能性もある。ここでオークションのような仕掛けを入れるとその辺りの透明性がかなり高まり、健全なビジネスが期待できる(テレ東)。

 

 

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