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テレビ報道に見る産業・経済月報
(令和2年5月)

「コロナショックの余波・GDP1-3月・年率-2.2%・感染拡大で2期連続マイナス」

今月の特徴は1.GDP1-3月・年率-2.2%、2.日銀の動向、3.景気の動向、4.ワクチン・新薬開発の動向、5.エネルギーの動向となった。

                                                                                                

1.GDP1-3月・年率-2.2%

ことし1月から3月までのGDP(国内総生産)の改定値は年率に換算した実質の伸び率がマイナス2.2%となった。マイナスとなるのは2期連続となる。新型コロナウイルスへの対応で医療機器を生産するための設備などへの投資が増えたことも要因と見られる(6/8NHK)。

 

2.日銀の動向

中小企業の資金繰りを支えるべく日銀は22日、臨時の金融政策決定会合を開催した。臨時会合の開催は、ヨーロッパの債務危機への対応を議論した2011年以来8年半ぶりとなる。日銀は中小企業の資金繰りを助けるため、30兆円規模の新たな資金供給策を決定し、資金繰りが急速に悪化している中小企業などに融資する金融機関を対象に、ゼロ金利で資金を貸し出す方針。また融資実績に応じて金融機関が日銀に預けている預金に0.1%の金利を付ける。融資を増やせば増やすほど金融機関の利益が増える内容となっており、中小企業などへの融資を強力に後押しする狙いがある。日銀は企業が資金調達で発行する社債やCP・コマーシャルペーパーを合計20兆円まで買い入れる措置についても、実施期限を2021年3月まで延長した(テレ東)。

 

3.景気の動向

4月の緊急事態宣言で、さまざまな産業で休業の動きが広がり、不要不急の耐久消費財などの販売も落ち込んだ。大型連休も国内の航空便の利用客が去年の僅か4%にとどまるなど、個人消費が大幅に落ち込んでいる。コロナ関連で倒産する企業は18日までに156社に上った。民間のエコノミストは外出自粛のマイナス効果で62万7000人が失業すると試算している。外需も期待できない。米国では先月2050万人も雇用が減少し、失業率は14.7%と1948年以来最悪の水準に陥っている。FRBのパウエル議長は「米国経済は前例のない不況に陥っている」とした上で、急速に悪化した雇用情勢がなお景気のおもしになるという厳しい認識を示している(NHK)。

 

4.ワクチン・新薬開発の動向

厚生労働省はエボラ出血熱の治療薬、ギリアドサイエンシ社のレムデシビルを特例承認した。一方、富士フイルムのファビピラビル(アビガン)は安倍首相が5月中の承認を目指すと表明していたが、承認は見送りとなった。英国・オックスフォード大学などが開発しているワクチンは、9月から供給開始の発表があった。国内では大阪大学などが開発するワクチンが来年3月までの実用化を目指している(テレ朝)。

 

5.エネルギーの動向

石油の元売り大手3社の今年3月期の決算が出そろい、3社とも大幅な最終赤字に転落した。原油の急激な値下がりで在庫に評価損が出たほか、外出自粛や渡航制限でガソリンなどの需要が落ち込んだことが影響した。2021年3月期の業績については、原油価格の下げ止まりなどを見込み、3社とも黒字を予想している(テレ東)。

 

 

●注目点

「企業を直撃・コロナショック」

コロナショックが企業に大きな影響を与えている。ANAホールディングスは利用客が95%減った。JR東海は新幹線の利用客が92%減となり、レナウンは負債総額139億円で経営破綻した。高島屋の売上高は81.7%減となった。TOHOシネマズは興行収入96.9%減となった。トヨタ自動車は営業利益が79.5%減となった(フジ)。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界的に自動車の需要が減少している。今年3月期の連結決算で、マツダの営業利益は前年同期比47%減の436億円となった。来年3月期の業績予想については新型コロナウイルスの影響が見通せないため「未定」としている(TBS)。日産自動車のことし3月期の決算は、最終損失が6700億円を超える巨額の赤字となった。決算発表の会見で、内田誠社長は「経営責任として非常に重く受け止めている」と述べた。厳しい業績を踏まえて、工場の生産能力の削減など構造改革のための費用6030億円を特別損失として計上し、この結果、最終的な損益は6712億円の巨額赤字となった。赤字幅は、ルノーから送り込まれたばかりのゴーン元会長が、再建に向けた改革を行った2000年3月期に匹敵する規模となる。SMBC日興証券が東証1部上場企業の60%に当たる889社の3月期の決算を集計したところ、半数以上の482社が、経常利益が前の年度よりも減る減益となったことがわかった。民間の信用調査会社「帝国データバンク」によると、感染拡大の影響で倒産した企業は、15日までに152社に上っている。メガバンクを傘下に持つ大手金融グループ3社(三菱UFJフィナンシャルグループ三井住友フィナンシャルグループMIZUHO)は、15日の決算発表で、取り引き先の経営が悪化して、融資が貸し倒れになる事態に備える費用が大きく膨らむという見通しを明らかにした。3社合わせた費用は1兆1000億円に上り、先行きの厳しさがうかがえる(NHK)。

 

 

●新潮流

「新たな日常へ・働き方・営業時間見直し続々」

急事態宣言の解除を受けて、企業が今後の働き方や営業時間の見直しを進めている。日立製作所は今後も在宅勤務を標準とする新しい働き方を発表した。日立製作所では政府の緊急事態宣言後、約7割の従業員が在宅勤務をしているが、解除後も現在の態勢を7月末まで続ける方針。その上で、来年4月からは在宅勤務を標準とする新たな働き方に変える方針を発表した。来年4月の時点で、半数の社員が在宅で勤務する態勢を目指すとしている。一方、ファミリーレストラン「ガスト」などを展開するすかいらーくHDは、深夜営業を原則全店で廃止すると発表した。7月から実施する予定で、午後11時半に閉店するという。すかいらーくでは感染の終息後も在宅勤務が定着し、深夜帯のニーズが減少すると見込んでいて、ランチやディナータイムの人員を強化する考え。すかいらーくは人手不足を背景に24時間営業を廃止していたが、新しい生活様式に対応した営業時間の見直しは今後、広がりそうだ。イオンモールは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、自粛していた専門店の営業について、28日から再開すると発表した。対象は東京など1都3県にある25店舗。営業再開にあたっては、一部の入り口に検温器を設置するほか、混雑時には入場規制を行うなど、引き続き、感染拡大防止に努めるとしている。フィットネスクラブを運営するRIZAPグループは、従業員や利用客を対象に新型コロナウイルスの抗体検査を実施すると発表した。検査はグループの全従業員やトレーナーなど約6500人のほか、原則、利用客にも全員受けてもらうとしている。検査の費用はRIZAPが全額負担するという(TBS)。

 

 

5月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・すかいらーくホールディングス、第2位・ファミリーマート、第3位・オリエンタルランド」

2020年5月度のテレビ報道CM価値換算値の第1位は「すかいらーくホールディングス」となり、37億2900万円を獲得した。具体的には「時短営業を5月19日まで延長」「緊急事態宣言が解除された地域で営業時間を午後10時まで延長する方針」等、営業時間の抜本改革に関する対策を発表し注目を集めた。第2位は「FamilyMartvs超一流スイーツ職人」などの報道で「ファミリーマート」となった。第3位は「ディズニー臨時休園を延長」などの報道で「オリエンタルランド」、第4位は「緊急事態宣言・きょう全面解除へ・首都圏の百貨店や飲食店“通常”へ動き」などの報道で「吉野家ホールディングス」、第5位は「日清食品・ラーメンを出前」などの報道で「日清食品」、第6位は「つぶれない店」などの報道で「オイシックス」、第7位は「夏向けマスク参入相次ぐ・接触冷感・キシリトール加工も・“無印良品”や“Right-on”も」などの報道で「良品計画」、第8位は「フードコートから行列消える?密防止…LINEで注文&支払い」などの報道で「LINE」となった。第9位は「大人気ゲーム・あつ森テーマ曲リモート生演奏」などの報道で「任天堂」、第10位は「米国IT企業業績・軒並み好調に」などの報道で「日本マイクロソフト」となった。

 

 

5月の人物ランキング

「第1位・ソフトバンクグループ・孫正義社長、第2位・トヨタ自動車・豊田章男社長、第3位・日本銀行・黒田東彦総裁」

第1位・ソフトバンクグループ・孫正義社長37件(巨額赤字のソフトバンクグループ・昨年度の取締役報酬公表など)、第2位・トヨタ自動車・豊田章男社長33件(忍びよる“コロナ不況”事業者の対応は?など)、第3位・日本銀行・黒田東彦総裁20件(日銀・国債の購入上限・撤廃など)、第4位・アキダイ・秋葉弘道社長18件(何者?よくみるスーパー社長・連日テレビ・秘められた本音など)、第5位・イーウーマン・佐々木かをり社長16件(「一時帰休」広がる動き・ディズニーやJR西日本も実施など)、第6位・スマイルサークル・岩城紀子社長13件(絶品を作る“弱小”を潰すな!最高の味を売るスゴ腕女性など)、第7位・アイリスオーヤマ・大山晃弘代表取締役社長12件(生活用品トップランナー・日本の危機解決に挑む!など)、第8位・日産自動車・内田誠社長12件(日産が最終赤字6712億円・ゴーン改革以来の損失など)、第9位・Amazon・ジェフベゾスCEO10件(Amazon創業者・ジェフベゾスなど)、第10位・フジテレビ・遠藤龍之介社長9件(“テラスハウス元出演者が明かす・リアリティ-番組の実態など)。

 

 

●テレビの窓

「夏向けマスク参入相次ぐ」

オングループの衣料品メーカーは接触冷感の加工を施した夏向けマスク「ぴたマスク」(3枚セット、税抜き1200円)を販売する。接触冷感のマスク「ぴたマスク」を着けて計測すると、息を吐いても熱がこもらず口元は青色のままで、その差は歴然。現在、オンライン販売のみだが、6月下旬から店舗販売も展開していくという。「無印良品」が販売する夏向けマスク「繰り返し使える2枚組・三層マスク」(999円)は、夏用のシャツやパジャマを生産した際に出た生地の余りを使ったエコなマスクだ。「良品計画」衣服・雑貨MD担当・樋口直人部長は「肌触りの良いオーガニックコットンで抗菌・防臭加工を施した」という。また、ジーンズのセレクトショップ「Right-on」からはデニム素材のマスク「和紙デニムマスク」(税抜き1290円)が登場した。一見夏向けではなさそうだが、通気性を高めるため和紙糸が編み込まれていて、裏地には接触冷感の加工が施され、すでに注文が殺到しているという。さらに、石川県の繊維メーカーがユニークな夏向けマスク「みんなの夏マスク」を販売。「カジグループ」TO&FRO企画開発部・村松加梨は「染色の際に、キシリトールの液体を染み込ませた」という。その理由について、村松加梨は「キシリトールはマスク内の汗や湿気の熱を吸収して、ヒンヤリ感を持続する」という。ネットで予約販売を始めたところ、わずか15分で4000枚が完売したという(日テレ)。

 

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