テレビ情報のデータベース化、知識化、ネット情報の収集、多角的分析が現実世界を浮き彫りにします

HOME | TV allcover | 産業経済月報 | 産業経済月報・最新版

テレビ報道に見る産業・経済月報
(平成29年6月)

日銀短観・大企業製造業の景気判断・3期連続改善」

 

今月の特徴は1.日銀短観、2.株主総会の動き、3.エネルギー関連の動きとなった。

                                                                                                

1.日銀短観

日銀は、短観(企業短期経済観測調査)を発表した。代表的な指標とされる大企業の製造業の判断は、プラス17ポイントと、3期連続で改善した。今回は5月下旬から先月末まで調査を行い、景気が「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業を差し引いた値は、大企業の製造業でプラス17ポイントだった。米国や中国など海外経済の回復を受けて、半導体などの輸出関連の企業を中心に景気の見方が改善された。また、大企業の非製造業もプラス23ポイントと、2期連続で改善した。消費関連の業種でも改善が進んだ。ただ、米国の景気回復がどこまで持続するのか、北朝鮮や欧米の政治情勢など、海外要因については先行きについて懸念される(7/3NHK)。

 

2.株主総会の動き

6月29日、3月期決算の武田薬品工業三菱自動車出光興産日本郵政三菱重工など上場企業が開く株主総会が集中日を迎えた(TBS)。中でも、経営再建中の東芝と経営破たんしたタカタの株主総会が注目された。千葉・幕張メッセで行われた株主総会で東芝・綱川智社長は「決算手続きに時間を要しているため、決算報告ができない状況」と述べ東証2部へ降格することや半導体子会社の売却交渉がまとまっていない事を、去年の半分以下の出席となった株主に対して陳謝した(7/1テレ朝)。一方、東京都港区で開かれたタカタの株主総会には、株主約190人が出席。総会の冒頭、高田重久会長兼社長は、民事再生法適用を申請したことについて陳謝した。しかし、株主からは説明責任を果たしてこなかった経営陣のこれまでの姿勢を問う声が相次いだ。総会は、高田会長兼社長を含む現経営陣6人を再任する議決などを可決し、3時間弱で終了した。ただ、高田会長兼社長は、再建の見通しが立てば責任をとって会長と社長を辞任する意向を示した。関西電力中部電力など原発を保有する大手電力8社は28日、一斉に株主総会を開いた。福島第一原発の事故を踏まえ、株主から脱原発を求める提案が全社で出されたが、いずれも否決された。高浜原発の再稼働に伴い、8月から電気料金を引き下げる関西電力・岩根茂樹社長は、「安全最優先で取り組み、価格面の競争力を高める」と株主に理解を求めた(テレ東)。

 

3. エネルギー関連の動き

福井県・高浜原子力発電所3号機が再稼働した。関西電力によると、これまでのところトラブルは起きていない。7月上旬に営業運転の予定。全国で運転中の原発は、鹿児島県・川内原発2基、愛媛県・伊方原発1基、高浜原発4号機となり、あわせて5基になった。関西電力は、電気料金の値下げを国に届け出る方針(NHK)。一方、経済産業省は、国のエネルギー基本計画の見直しに着手し、将来の原子力発電所の新増設や、建て替えの必要性の明記を検討する。原発依存度を低減させる方針は堅持しつつ、電力の安定供給や人材確保のために最低限の原発が必要だと明記する考え。計画では原発依存度を可能な限り低減しつつ、風力、太陽光といった再生可能エネルギーの導入拡大を急ぐ考えを示す(テレ朝)。

 

 

●注目点

「泥沼化する東芝経営再建への行方は」

は昨年度の決算報告ができないなど経営の混乱が続いていて、株主総会で綱川智社長が陳謝した。一昨年、不正会計問題が発覚し、冷蔵庫、洗濯機といった白物家電事業を売却し、中核事業を原子力発電所を中心とするエネルギー事業、半導体事業にしていくとしていた矢先の昨年12月、米国の原子力事業において巨額の損失計上の見通しが明らかになった。東芝として半導体事業の売却を検討することになったが、ウエスタンデジタルは(東芝の)買収を目指す一方で、自らが同意しない相手への売却は認めないと東芝の方針に反発し、国際仲裁裁判所などに売却交渉の差止めを求める申し立てを行った。これに対し東芝はウエスタンデジタルを相手取り、売却交渉の妨害差し止めなどを求める仮処分を申し立てた。東芝とウエスタンデジタルは四日市工場を共同運営しているが、東芝はウエスタンデジタル社員が半導体の技術情報にアクセスできないようにした。元々、東芝は四日市工場の主導権をウエスタンデジタルに渡したくないと考えていた。お金がない東芝にとってはどんな相手であれ2兆円規模で売ることが絶対的な条件であり、早々にウエスタンデジタルを売却先候補から外した。ウエスタンデジタル側は東芝の売却交渉に韓国のライバルメーカーが入っていることに強い抵抗感を持っており、現段階では東芝をめぐる混乱は収まりそうにない。東芝が開発したNAND型フラッシュメモリはスマーフォンに欠かせない部品で、英国・IHSマークイットによると、NAND型フラッシュメモリーの売り上げの世界シェアは韓国サムスン電子36.1%、東芝19.5%、ウエスタンデジタル15.7%、米国・マイクロンテクノロジー10.6%、韓国・SKハイニックス10.2%、米国・インテル7%となっている(NHK)。

 

 

●新潮流

「大手企業も導入・週休3日制導入の動き」

年“働き方改革”を宣言し、長時間労働にメスを入れる方針を示した安倍晋三首相。佐川急便は今年3月から一部の地域で“週休3日制”の正社員ドライバーを募集している。新制度では8時間×5日の勤務時間を勤務時間も給料などの待遇も変わらない10時間×4日にする。また、佐川急便は週休3日制の宅配ドライバーに副業を認める方向。ヤマト運輸も週休3日制の導入を検討中。週休3日制はファーストリテイリングヤフーなど大手企業も導入しているが(フジ)、ファーストリテイリングでは給料は変わらず、ヤフーでは約2割減となる。厚生労働省の調査によると、1週間に3日以上の休日を従業員に与えている企業は8%。一方で人材紹介・派遣会社「シーエーセールススタッフ」は3年前に週休3日制を導入したものの、とりやめてしまったという。とりやめの理由について、広報室・松葉谷維子は「体は休めても気持ちが休めず、社員の営業成績はダウンしてしまった」という。そこで制度を変え、営業成績上位の社員のみを対象に、週1日、出勤しても休んでもOKのフリー出勤日を設けた。これでモチベーションが上がり、営業成績が上ったという(TBS)。

 

 

6月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・三井不動産、第2位・西日本旅客鉄道、第3位・東日本旅客鉄道」

月度の「テレビ報道CM価値換算値」は、三井不動産が「ららぽーと」豊洲店や新三郷店、「新日比谷プロジェクト」、そして「ダイバーシティ東京プラザ」の紹介等で23億7800万円を獲得し、第1位に輝いた。第2位は「大ブーム!豪華寝台列車『瑞風』運行開始・鉄道ライターが語る・その魅力とは?」などの報道で西日本旅客鉄道になった。第3位は、「JR誕生30年・鉄道の舞台裏に迫る!」などの報道で、東日本旅客鉄道が獲得した。第4位は「高田純次が歩く武蔵小杉」などの報道で東急不動産ホールディングス、第5位は「芸能人が行ってみた!最安値ツアー」などの報道でエイチ・アイ・エスとなった。第6位は「大手コンビニチェーンなど7社・災害時の指定公共機関に」などの報道でローソン、第7位は「バレンタインのお返し買い物編」などの報道で、ヨドバシカメラとなった。第8位は「任天堂・半年で株価60%上昇・“スイッチ”売り切れ続出!?」などの報道で任天堂、第9位は、「日本人飛行士2030年に月面へ・JAXAが構想」などの報道で宇宙航空研究開発機構、第10位は「勸玄・来週から舞台へ・宙乗り・最年少で挑む」などの報道で歌舞伎座となった。

 

 

6月の人物ランキング

「第1位・タカタ・高田重久会長兼社長、第2位・東芝・綱川智社長、第3位・日本銀行・黒田東彦総裁」

第1位・タカタ・高田重久会長兼社長74件(民事再生法申請のタカタ、記者会見へなど)、第2位・東芝・綱川智社長58件(東芝・株主総会で社長が陳謝など)、第3位・日本銀行・黒田東彦総裁24件(出口戦略・議論進む?など)、第4位・アキダイ・秋葉弘道社長18件(カール“販売終了”の余波続く・他のロングセラー菓子大丈夫!?など)、第5位・ソフトバンク・孫正義社長17件(ソフトバンクグループ・ロボット開発企業2社・買収で合意など)、第6位・JR東日本・冨田哲郎社長14件(山手線・新型車両に防犯カメラ設置など)、第7位・トヨタ自動車・豊田章男社長9件(ルマン初制覇へ日本・トヨタの挑戦など)、第8位・はなまる・清水鉄志社長7件(寿司が崩れる・・・最悪回転寿司・繁盛店に変えた魔法の言葉など)、第9位・日産自動車・カルロスゴーン会長7件(日産・ゴーン会長の報酬・過去最高など)、第10位・トラストバンク・須永珠代社長6件(ふるさと納税ブーム・光と影を・・・その展望など)。

 

 

●テレビの窓

「ソフトバンクグループ・ロボット開発企業2社・買収で合意」

型ロボット「Pepper」の製造販売を手がける通信大手のソフトバンクグループは米国のIT企業グーグルの親会社からロボット開発のベンチャー企業2社を買収することで合意した。グーグルの親会社「アルファベット」から買収することで合意したのは、米国・マサチューセッツ州に本社がある「ボストンダイナミクス」と東京大学の研究者を中心に設立された「シャフト」。ボストンダイナミクスは軍事用ロボット開発で世界的に知られている。シャフトは2足歩行のヒト型ロボットを開発している。今回の買収はソフトバンクグループが全株式を買い取り、完全子会社にする形で行われる。ソフトバンクグループは株式の取得金額は公表できないとしている。今回の買収で次世代のロボット開発を加速する方針。孫正義社長は「ロボット分野を発展させ生活をより快適で安全にできる活用方法をサポートしていきたい」と話している(NHK)。

 

 

JCC株式会社