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テレビ報道に見る産業・経済月報
(令和元年6月)

「日銀金融緩和維持決定」「貿易収支4か月ぶり赤字」

今月の特徴は1.日銀の動き、2.米中貿易摩擦一旦回避、3.貿易収支4か月ぶり赤字、4.株主総会の動き、5.エネルギーの動向となった。

 

1.  日銀の動き

日銀は20日金融政策決定会合を開き、金融緩和策の維持を決定した。年2%の物価上昇の目標達成に向け、引き続き短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する一方で、日銀・黒田総裁は「物価上昇の勢いが失われれば、ちゅうちょなく追加緩和を検討する」と強調した。金融機関の収益悪化など、マイナス金利政策の副作用も表面化する中、日銀が打てる追加緩和策は乏しいとの見方も広がっている。黒田総裁は「(追加緩和を)行う時は副作用が小さくなり、緩和の効果が最も大きくなる措置を検討する」と述べた(テレ東)。

                                                                                                

2.米中貿易摩擦一旦回避

29日に大阪G20サミットにおいて米中首脳会談が行われた。約80分にわたり行われ、両国は貿易交渉を再開することや、米国が追加関税措置の発動を当面見送ることで合意し、最も懸念されていた米中貿易戦争は当面避けられることになった。さらに米国はこれまで禁止していた米国企業のファーウェイへの部品供給を容認した。またトランプ大統領は、中国が米国の農産品の輸入を拡大すると説明している(TBS)。一方、アップルは中国で生産しているうちの15%から30%を海外に移転するよう検討を開始した。iPhoneなどアップル製品の9割以上は中国で生産されているとみられ、調達額は10兆円を超える。アップルは米中貿易戦争の過激化などを受けリスクを分散する狙いで、今後世界のサプライチェーンに大きな影響を与えることになる(テレ東)。

 

3.貿易収支4か月ぶり赤字

財務省が発表した5月の貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9671億円で4か月ぶりの赤字となった。米国と中国の貿易摩擦が激しくなる中、半導体製造装置を中心に中国への輸出額が前年同月比で9.7%減少したことが影響した。一方、貿易不均衡を問題視する米国に対する黒字額は3950億円と、前年同月比で14.8%増え、3か月連続で増加した(TBS)。

 

4.株主総会の動き

日産自動車・西川廣人社長は株主総会で一連の騒動について改めて謝罪し、新体制での再出発をアピールしたが、株主からはゴーン被告の不正を見逃したとして西川社長の進退を問う声も出た。総会では社外取締役が過半数を占める透明性の高い取締役会にすることなどが決まった。ルノーからの経営統合の圧力にどう対処するかなど問題は山積している(日テレ)。LIXILグループの株主総会では元CEO・瀬戸欣哉を含む14人が選任された(TBS)。東京電力は26日、都内で株主総会を開き、株主約1200人が参加した。今回の総会では株主からの提案で、経営の柱にしている新潟・柏崎刈羽原発について、実効性のある避難計画が策定されるまでは再稼働をしないということや、茨城・東海第二原発を保有する日本原子力発電への資金的な支援を行わないことなどを求める議案が出された。これに対して会社側が反対する立場を示し、東京電力・小早川智明社長は「低廉で二酸化炭素の少ない電気を供給する責務があり、原子力を含めてバランスよく活用していく。福島の事故を起こした教訓を生かしていく」と述べ、原発の再稼働を目指す考えを改めて説明した。総会では採決の結果、株主からの提案は、いずれも反対多数で否決された(NHK)。一方、アパートの施工不良が発覚したレオパレス21が27日、株主総会を開いた。創業家の深山英世前社長を含む取締役7人が退任することが決まった。ただ、会長が相談役で残ることに株主からは不満の声が出た(テレ東)。

 

5.エネルギーの動向

米国・トランプ大統領が中国や日本などに向けて、「ホルムズ海峡を通るタンカーは自国で防衛するべきだ。中国や日本はホルムズ海峡を通るタンカーに石油輸入の大半を依存している。米国がなぜ何の見返りもなく他国のため輸送路を守っているのか」とツイッターに投稿し、日本と中国をけん制した。学習院大学教授・伊藤元重は「非常に政治的で複雑な所に、世界にとっての大動脈があり、何かが起こると日本にも影響が及ぶのではないか。石油ショックの様な事が無い事を願っている」とコメントした(テレ東)。一方、三井物産はアフリカ南東部・モザンビークのLNG開発計画への投資を決定し、米国のエネルギー大手企業などと開発を進める。事業費は2兆7000億円規模にのぼるとみられ、三井物産は最大2700億円程度を負担する見込み(非公表)。生産開始は2024年を予定し、本格稼働すれば1200万トンのLNGが供給可能(日本の年間LNG消費量の約15%)。生産されたLNGは日本、ヨーロッパ、インドなどに供給される。中東情勢が緊迫化するなか、新たな資源の調達先として注目される(NHK)。

 

 

●注目点

「アディダス3本線に商標無効の危機・独自性ない」

本線のアディダスに対して2本線が特徴のスポーツ用品を扱うベルギーの企業が、独自性がないなどとしてアディダスの商標登録の無効を2016年に訴えていたが、6月19日EUヨーロッパ連合の裁判所はアディダスの3本線をアディダス独自のものとはしないとの判断を下した。裁判所は今回、ベルギーの企業の主張を認めた。アドルフダスラーによって設立されたアディダス。当時、革製のシューズを3本のバンドで補強したことが3本線のモチーフとなった。その後会社の三つ葉のロゴにも3本線は刻まれることになった。ジャージやスニーカーなど特定の場所の3本線については別の商標登録で権利がすでに認められている。ファーストイースト国際特許事務所所長・平野泰弘弁理士は「シンプルなデザインであればあるほどマネされやすい。上告、不服申し立てをすることは考えられる」と指摘した(フジ)。

 

 

●新潮流

「G20海洋プラスチックごみを2050年にゼロに・コンビニ各社対応急ぐ」

20大阪サミットは、首脳宣言を採択し閉幕した。首脳宣言に海洋プラスチックごみを2050年にゼロにする新たな目標も盛り込むなど、一定の成果をあげた。議長国日本が主導してまとめた海洋ゴミ問題ではプラスチックごみとマイクロプラスチックへの対処が求められる。海水で分解されないプラスチックごみ。中でも多いのがペットボトル。ラベルを見ると中国、韓国語のものが多い。危険物も目立ち、海洋プラスチックごみは国境を超えた問題となっている。細かく破砕されたプラスチック「マイクロプラスチック」は、魚などを通して人体に摂取され健康被害が心配されている。東京農工大学農学部・高田秀重教授は「プラスチックをなるべく使わないようにすることを普段から心がけるべき」と指摘した(フジ)。こうした中、プラスチックごみを減らす取り組みがコンビニ各社に広がっている。ミニストップは千葉県内の2店舗で、レジ袋を有料にする実験を開始した。来年2月までのおよそ40店舗への拡大を検討している。セブンイレブンジャパンでは、すべてのおにぎりの包装に植物由来の原料を配合した素材を7月にも導入する(TBS)。

 

 

6月のランキング(企業別テレビ報道CM価値換算一覧全国版より)

「第1位・イオン、第2位・すかいらーくホールディングス、第3位・ジョイフル本田」

019年6月度のテレビ報道月間CM価値換算値ランキングの第1位には「イオン」が24億4500万円で輝いた。具体的には「イオンレイクタウン」で「2020年東京オリパラ組織委員会がイオン店頭でペットボトル以外のプラスチック容器の回収をし始めた」ことや「紙や木材を使ったストローやスプーンの販売」を開始したことなどが寄与した。第2位は「急拡大するビジネス“1人で行きにくい”に応える」などの報道で「すかいらーくホールディングス」となった。第3位は「桁外れのデカさ!ジョイフル本田の千葉ニュータウン店に潜入!」などの報道で「ジョイフル本田」、第4位は「仰天・新卒社員に年収1000万円」などの報道で「くら寿司」、第5位は「注目の新しい働き方とは」などの報道で「日本郵政」、第6位は「地上32階の超高層ビルを探索・気になる高島屋の上には何が?」などの報道で「三井不動産」、第7位は「東京ミラクル2・巨大鉄道網・秒刻みの闘い」などの報道で「東日本旅客鉄道」、第8位は「公開・最新鋭大型機の機内は?」などの報道で「日本航空」となった。第9位は「ANAの空飛ぶ“ウミガメ”1億円丸ごと独占取材!!」などの報道で「ANAホールディングス」、第10位は「涼を求めて日光へ!路線バスを乗り継ぎ秘湯・湯元温泉へ」などの報道で「東武鉄道」となった。

 

 

6月の人物ランキング

「第1位・日産自動車・西川廣人社長、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁、第3位・ルノー・ジャンドミニクスナール会長」

第1位・日産自動車・西川廣人社長105件(日産・西川社長に厳しい視線など)、第2位・日本銀行・黒田東彦総裁53件(日銀・金融緩和の維持を決定など)、第3位・ルノー・ジャンドミニクスナール会長42件(きょう株主総会・新体制移行の議案・ルノーに賛成へなど)、第4位・SHOWROOM・前田裕二社長27件(前田裕二社長・会食が生む絆とビジネスなど)、第5位・ソフトバンクグループ・孫正義社長9件(孫正義社長“あと8年程度は社長”など)、第6位・経団連・中西宏明会長9件(経団連・中西会長・リンパ腫を公表など)、第7位・エームサービス・山村俊夫社長8件(東京五輪の選手村で140万食・世界のアスリートを下支えなど)、第8位・シャープ・戴正呉社長8件(シャープV字回復・戴社長・経営再建は経営者で決まるなど)、第9位・アップル・ティムクックCEO7件(アップルCEOと面会など)、第10位・王将フードサービス・渡邊直人社長7件(広がる“立ち食い”スタイル・おしゃれな店内女性客もなど)。

 

 

●テレビの窓

「フェイスブックがリブラで仮想通貨に参入」

ェイスブックなどIT大手が金融業に参入することが相当警戒され始めている。学習院大学教授・伊藤元重は「この動きは必然的だと思う。フェイスブックやグーグルとか利用者が多いところで金融サービスの影響は大きい。フェイスブックでやり取りしている間はバーチャルだが、そこに貨幣が絡むとマネーロンダリングとか様々な投資の動きだとか実態経済が繋がってくる。当然、(国際決済銀行などは)警戒する。どう規制をかけていくかという議論になる」と指摘した。日本経済新聞解説委員・滝田洋一は「(ビットコイン急騰の)背景にあるのは世界的な金融緩和で、その結果、利回りがマイナスになってしまった債権が世界中に1300兆円ぐらいある。そうしたお金が米中貿易戦争による不透明感からビットコインに流れている。さらにフェイスブックが新しい暗号資産・リブラを始めるなど追い風が吹いている事で今相場が上がっている」と分析した(テレ東)。

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